Kungsledenスウェーデン北欧

壮大なスケールの紅葉に感動! 秋のクングスレーデントレイル 準備・ルート検討編

クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)は全長440kmにわたるスウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイルです。ヨーロッパの中では最大の原生自然の中に存在し都市部から離れているにも関わらず、程よい距離に点在するCabin(もしくはHut)と言われる山小屋ネットワークの存在により、上級~初級者まで幅広いハイカーが親しみやすくなっています。最も多くのハイカーに歩かれているルートはクングスレーデン北部(アビスコ~ケブネカイセ)です。

夏の期間は白夜でもあり多くのハイカーが訪れ年内で最大の盛り上がりを見せますが、北極圏内のこの場所は毎年9月の中旬には冬の兆しが出始め、ほぼすべての山小屋がCloseとなります。

今回、山小屋がCloseとなった後の9月最終週の秋の北部クングスレーデン(ニッカルオクタからアビスコSTFまでの110km)を6日間かけてハイクしてきました。本記事では、クングスレーデン トレイルハイクのまとめとして準備・ルート検討についてレポートします。

秋のクングスレーデン環境条件・装備についてはこちらにまとめています。

Kungsleden(クングスレーデン)の場所

クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)は全長440kmにわたるスウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイルです。アクセスの良さと程良い距離感から、クングスレーデン北部のパート(ニッカルオクタ⇔アビスコ間の110㎞)が最も歩かれているトレイルになります。

ブルーのピンは鉄道駅かバス停がある場所になります。オレンジのピンがトレイル上にあるSTFの山小屋です。ニッカルオクタからアビスコに向かって北上する向きに歩いても、アビスコからニッカルオクタに向かって南下する向きに歩いても問題はありません。完全に自由です。

Kungsleden(クングスレーデン)の全体図

フルスクリーン表示

Kungsleden(クングスレーデン)の北端がAbisko tourist stationです。Abisko tourist stationはキルナ⇔ナルヴィク間を走行する鉄道の駅があり、トレイルの出発点やもしくは終着点としても非常に便利な場所になります。Nikkaluokta~Abisko間のトレイルには12~19㎞毎に山小屋(隣接するテント場)があることも、この区間が人気の理由です。

各区間の距離

標高差の特徴

スタートをどちらにするか

北部クングスレーデンをトレイルハイクするにあたって、スタート地点をアビスコツーリストステーションにするか、ニッカルオクタからにするか、がまず考えるべきポイントになります。夏は白夜といえども夜通し歩くわけのは体力的に望ましくありませんし、9月以降は夜7時になればかなり暗く・寒くなります。いずれにせよ、効率的に行程を進めるために初日午前中にトレイルハイクを開始したいところです。

次におよその標高マップを示します。自作の都合上直線になっていますが、実際は細かな標高の上下動があります。

標高差の特徴的には

アビスコからスタート:

アビスコナショナルパークを越えてからの長い登り。それを登り切ってからはアレスヤーレまで平坦。チェクチャ小屋からチェクチャ峠のピークを越えるのが登りのピーク(逆方向からのルートにくらべればそこまで急登ではない)。

ニッカルオクタからスタート:

ケブネカイセSTF前5㎞からの緩やかではあるが長い登り。チェクチャ峠のピークを越えるための急登(距離はそこまで長くない)

進行方向の特徴的には

アビスコからスタート:

太陽に向かって歩く。目の前の風景の写真が逆光になりやすい。

ニッカルオクタからスタート:
シンギまで左側から太陽の光が当たり、シンギから北上する向きでは太陽を背にして歩く。

交通機関はどうか

アビスコからスタートするにしても、ニッカルオクタからスタートするにしても、まずはストックホルムからキルナまで来ることが絶対必要条件です

ストックホルムからキルナへのアクセスについて以下にまとめていますのでご覧ください。

アビスコからスタート

最初の宿泊地はスタート地点から15㎞のアビスコヤウレか、アビスコナショナルパークを抜けて間もなくあるテント場(スタート地点から約20㎞の場所)になると思います。

このプランのポイントは、

  • ハイク開始前日はアビスコSTFに一泊。翌朝トレイルハイク開始。
  • トレイルハイク最終日はニッカルオクタ→キルナのバスに乗り遅れないようにニッカルオクタに到着する必要あり(2017年はニッカルオクタ11時30分発、16時20分発の1日2本)。

アーランダ空港からキルナ空港への飛行機を利用しても、ストックホルムからキルナ駅の夜行寝台列車を利用しても、電車の乗り継ぎ・本数の関係で「朝にアビスコに到着し、すぐにトレイルハイク開始」は不可能ですので、アビスコでの一泊の宿泊を挟むことが必要になります(夏期はこれに限らない可能性があり、その年度の時刻表を直接確認が必要です)。

STFアビスコマウンテンステーションについて以下にまとめていますのでご覧ください。

ニッカルオクタからスタート

最初の宿泊地はスタート地点から19㎞のケブネカイセマウンテンステーションになると思います。

このプランのポイントは

  • ハイク開始前日はキルナで一泊。翌朝10時のキルナ発ニッカルオクタ行きのバスに乗り、午前11時過ぎからトレイルハイク開始。
  • ハイク最終日アビスコSTFに到着後、アビスコSTFに1泊。翌日昼にストックホルム行の夜行列車に乗る。

アーランダ空港からキルナ空港への飛行機を利用した場合、午前中にキルナ空港着の便はあるのですが、キルナ発ニッカルオクタ行きの午前中のバスには時間的に乗り継げません(2017年はキルナ10時00分発、14時50分発の1日2本)。ストックホルムからキルナ駅までの夜行寝台列車を利用しても、やはり同様です。(夏期はこれに限らない可能性があり、その年度の時刻表を直接確認が必要です)。

キルナでのホテル探し方について以下にまとめていますのでご覧ください。

現地購入品の有無

夏期や9月上旬ならばopenしている期間中はアビスコSTFの売店でガス缶・食料等の調達はできると思います。STF内の売店は大きくはありませんので、在庫数に関しては注意が必要です。隣駅のアビスコÖstra駅にはスーパーマーケットがありますので、それらの調達は出来ると思いますが列車で行くならば1日2~3本ですので注意が必要です(時期によってはガス缶の在庫量には注意が必要です)。もちろん片道2.2kmですので歩くという選択肢はあります。

9月下旬の山小屋が一斉にCloseとなる時期にはアビスコSTFはドミトリー部分はopenしていても、売店はcloseとなりますので物品に関してはキルナでの調達がより望ましくなります。

用心を重ねるならガス缶・食料等の現地調達品は夏でも秋でもキルナで済ますのが安心でしょう。

以下にキルナバスステーション付近のMAPを示します。

  • ガス缶:intersportとその向かいにあるアウトドア用品店で購入できます。プリムス製です。
  • 食料ICAスーパーマーケットで購入できます。 2018年1月時点でキルナの中心にあったこのICA Nära Toppenが閉鎖されているのを確認しました。ですので、徒歩内でできるキルナ街内での食料の買い物「Östlunds Snabbköp ICA Nära」か「Coop Kunsum」になります。
  • 酒類:Systembolagetで購入できます。

キルナの観光スポット・食事の穴場・スーパーマーケットの場所を以下にまとめていますのでご覧ください。

ストックホルムからキルナへ夜行列車で移動するならば、ストックホルムでガス缶を含めその他買い物を済ませておくことも可能です。ストックホルムのアウトドア用品ショップについて以下に詳しくまとめていますのでご覧ください。

今回は「南→北」ルートを選択

今回は以下の理由で南→北ルートにしました。

  • ストックホルムから夜行列車でキルナ到着は13~14時、そのままアビスコSTFにも列車を乗り継いで行けるが、アビスコ到着16時以降で物品調達の時間に余裕がない。
  • キルナ到着13~14時、キルナに泊まるなら宿泊場所にチェックインしてからでも十分現地調達品の購入の余裕がある。
  • 9月23日~9月24日ケブネカイセマウンテンステーション営業最終日(2017年)にギリギリ宿泊できる。
  • キルナーニッカルオクタ間のバスが9月24日が運航最終日。それ以降は運航なし。(←これが一番大きな理由)
  • トレイルハイク最終日に想定外の事が起こって目的地に遅れて到着しても問題が発生しない(秋でもアビスコSTFのドミトリーは営業を継続している)。

環境条件と装備

9月最終週にもなると気温も下がり、夏とは違い秋のクングスレーデンでは防寒対策を中心とした装備の強化が必要です。また山小屋がcloseしテント泊が前提になることに加え、トレイル途中で食料の買い足しができません。必然的に背負う総重量が増加します。環境条件と装備に関してはこちらにまとめています。

クングスレーデントレッキング 筆者の行った行程まとめ

2017年秋のクングスレーデントレッキングのレポートを一覧にしてまとめています、是非ご覧ください。

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