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スウェーデン クングスレーデン(Kungsleden)トレッキング!筆者の行程まとめ一覧!

クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)は全長440kmにわたるスウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイルです。最も多くのハイカーに歩かれているルートはクングスレーデン北部(アビスコ~ケブネカイセ)で、夏の期間は白夜でもあり多くのハイカーが訪れます。しかし、北極圏内のこの場所は毎年9月の中旬には冬の兆しが出始め、ほぼすべての山小屋がCloseとなります。今回(2017年)、山小屋がCloseとなった後の9月最終週の秋の北部クングスレーデン(ニッカルオクタからアビスコSTFまでの110km)を6日間かけてトレッキングを行いました。

本記事では「スウェーデン クングスレーデン(Kungsleden)トレッキング!筆者の行程まとめ一覧!」をレポートします。

Kungsleden(クングスレーデン)の概要

クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)は全長440kmにわたるスウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイルです。アクセスの良さと程良い距離感から、クングスレーデン北部のパート(ニッカルオクタ⇔アビスコ間の110㎞)が最も歩かれているトレイルになります。

ブルーのピンは鉄道駅かバス停がある場所になります。オレンジのピンがトレイル上にあるSTFの山小屋です。ニッカルオクタからアビスコに向かって北上する向きに歩いても、アビスコからニッカルオクタに向かって南下する向きに歩いても問題はありません。完全に自由です。

Kungsleden(クングスレーデン)の全体図

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Kungsleden(クングスレーデン)の北端がAbisko tourist stationです。Abisko tourist stationはキルナ⇔ナルヴィク間を走行する鉄道の駅があり、トレイルの出発点やもしくは終着点としても非常に便利な場所になります。Nikkaluokta~Abisko間のトレイルには12~19㎞毎に山小屋(隣接するテント場)があることも、この区間が人気の理由です。

クングスレーデントレッキングに当たって、準備・ルート検討・環境等の情報については以下に詳しくまとめていますので是非ご覧ください。

クングスレーデントレッキング前日・前々日

トレッキング開始前々日の夜にストックホルム駅から夜行列車に乗り、翌日(トレッキング開始前日)午後にキルナの街に到着しました。キルナの街でガス缶や食料などの買い物を済ませて、キルナSTF(STF Malmfaltens Folkhogskola)にこの日は宿泊しました。

クングスレーデントレッキング1日目

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キルナバスステーション午前中発のバスに乗りニッカルオクタまでやってきました。ニッカルオクタから筆者のクングスレーデントレッキング開始です。1日目はニッカルオクタからケブネカイセマウンテンステーションまでの19㎞のトレイルトレッキングです。

クングスレーデントレッキング2日目

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1日目の晩のケブネカイセマウンテンステーションの贅沢なディナーの余韻が残っている中でこの日はスタートです。2日目はケブネカイセマウンテンステーションからシンギまでの14㎞のトレイルトレッキングです。壮大な景色を眺めながら歩くトレイルになります。9月末は紅葉もありますが、日陰は霜や氷も見られ冬の訪れを感じます。

クングスレーデントレッキング3日目

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3日目はシンギからサルカまでの12kmです。この日は霧が立ち込める中でのトレッキングになりました。サルカ小屋に到着後、小屋の管理人ご夫婦にお世話になり、お手伝いをした後にうれしいサプライズもありました。小屋裏の川沿いでテント泊です。水はいつもの川からの汲み取りです。

クングスレーデントレッキング4日目

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昨晩のサルカ小屋管理人ご夫婦の温かいもてなしのおかげで、一度も途中に起きることなく4日目の朝を迎えました。霧と霜の寒い朝でしたが次第に晴れて行き、良い天気の中チェクチャに向けて歩き続けます。

クングスレーデントレッキング5日目

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暖炉もあり快適だったチェクチャ避難小屋を出発し、アレスヤーレに向かいます。天気は快晴です。毎日繰り返す川からの水汲みも慣れてきました。

クングスレーデントレッキング6日目

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昨晩は快晴ながらも相当の冷え込みでした。そしてかなり強いオーロラを見ることができました。本日はまずはアビスコヤーレまでの22kmをトレッキングです。

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アビスコヤーレに到着したのが16時、秋のクングスレーデンは19時には真っ暗になります。アビスコツーリストステーションはまであと13㎞、濃霧で雨も降りそうな天気ということで留まるか、このまま進んでしまうか思案した結果、本日はこのままアビスコツーリストステーションまで一気に行ってしまうことにしました。行くとなったら余計なことは考えず、ひたすら進み続けます。

クングスレーデントレッキング 終了翌日 (7日目)

前日の夜は真っ暗の中のアビスコツーリストステーションへの到着でした。屋根があり、電気があり、蛇口をひねれば飲み水が出てくることに感動し、心より感謝の気持ちになります。本日は午後に帰りの夜行列車に乗るまでの空いた時間でアビスコ内のお気に入りの場所への小トレッキングを楽しみました。そして午後に夜行列車に乗って、その翌朝にストックホルム駅に帰ってきました。

最後に

いかがでしたか?スウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイル、クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)のトレッキングまとめ一覧をレポートしました。北極圏内のこの場所は毎年9月の中旬には冬の兆しが出始め、ほぼすべての山小屋がCloseとなります。本トレイルの特徴として飲み水は川から汲みとり、秋は食料も補給できないため日数分もっていくことになります。自然の中に生きることを生身で感じ、まるで他の惑星に来たかのような壮大な景色を眺めることができるこの北極圏のロングトレイル、是非機会があればチャレンジしてみてください。本当におススメのロングトレイルです。

コメント

  1. ハシヅメ より:

    とても参考になる情報を誠にありがとうございます。ブログを拝見させていただき、来月、秋のクングスレーデンを検討しております。
    防寒(特にキャンプする際、夜就寝時の服装や寝袋のスペック、その他必需品など)についてアドバイス頂けないでしょうか?
    具体的には以下を準備しようと思っておりますが、対策不足などあればアドバイスいただけますと大変幸いです。(ちなみにマットも底冷え対策した方がよいでしょうか?)
    また山小屋について、クローズしていない場合は予約無しでも泊まれるでしょうか?
    分かる範囲、可能な範囲で教えていただきたく、お手数おかけし恐れ入りますが何卒よろしくお願いいたします。

    ●寝袋
    モンベルのシームレスダウンハガー800 ♯3
    【快適温度】4℃/【使用可能温度】-1℃
    ●ダウンジャケット、ダウンズボン、フリースなど

    • enjoytravelingsolo より:

      ハシヅメ 様

      コメントありがとうございます。
      今年秋のクングスレーデントレッキングのご検討、素晴らしいですね!
      スウェーデン北部の見渡す限りの大地を歩くクングスレーデン、私も人生でもう一度機会があれば楽しみたいと思っています。

      さて、お問い合わせの件ですが、まず防寒についてです。
      スウェーデンはストックホルムなど都市部・南部でも8月末頃よりやや肌寒くなり、夕方はダウンを着て街中を歩く人を見かけるようになります。
      クングスレーデンはスウェーデン北部の中でも内陸部で、よく冷える場所になります。9月になるとクングスレーデントレッキングの注意事項として、おっしゃられる通り防寒対策がとても重要です。特に夜間がかなり冷え込みます。
      テント泊の用意の中でも、底冷え対策とくに「マット」、「シュラフ」には力を入れる必要があります。
      私が2017年の9月中旬にクングスレーデントレッキングを行った際の組み合わせは、以下になります。
      マットは、「サーマレスト Zライト ソル」+「サーマレストプロライト」の合わせ技で
      シュラフは、「Marmot Lithium」、テントは「ヒルバーグのsoulo」です。
      Marmot Lithiumというシュラフはストックホルム在住時に当時はアウトドア店で購入しやすかったという理由で選択しています。スペックとしてはコンフォート温度-18℃、800+フィルパワーグースダウンの極寒地対応のものになります。
      以上の組み合わせで、防寒対策としては私としては問題がありませんでした。しかしシュラフをフルクローズにして顔をしっかり覆わないと顔がとても寒いということがありました。
      もうご覧になっているかもしれませんが、拙ブログのクングスレーデントレッキング、アレスヤーレ小屋前テント泊の様子のページ(https://enjoytravelingsolo.com/kungsleden-hike-5b/)にその模様をレポートしております。ご覧いただけますと幸いです。

      そのあたりを鑑みると、ハシヅメ様の検討事案に記されておりました寝袋、
      モンベル シームレスダウンハガー800 #3 (コンフォート温度4℃、使用可能温度-1℃)は、秋のクングスレーデンには底冷えを感じる可能性が高いと考えられます。
      私も日本の登山でモンベルのシームレスダウンハガー800 #3を使用しており、携行性にも優れ、他の機能面でもとても素晴らしい寝袋で一番出番が多く、好んで使用しております。しかし秋のクングスレーデンにはスペックが不足と言わざるを得ないかもしれません。
      では、どのような寝袋がベターかということになりますが、日本の厳冬期対応、冬山登山テント泊に対応するレベルというのが一つの目安かもしれません。
      私が持っているシュラフをもとに、以下に例を示します。
      ・NANGA AURORA LIGHT 900 DX (快適使用温度-10℃、下限温度-19℃)
      おススメは900DXですが、900DXのサイズ感に抵抗がある場合は、必要条件としてマット2枚体制+上下ダウン着用で以下の600DXまで下げても対応が可能かもしれません。
      ・NANGA AURORA LIGHT 600DX (快適使用温度-4℃、下限温度-11℃)
      また、別の選択肢として、
      ・ISUKA エアプラス810(下限温度-25℃)
      ・ISUKA エアプラス630 (これは持っていないので、詳しくはわかりませんがスペック表記的にはマット2枚体制+上下ダウンで対応できる範囲かと考えます。)

      またマットに関してですが、テントを設営してすぐにサッと展開できるサーライトのZライトソル等のクローズドセルマットレスが便利ですが、それだけでは底冷えすると言わざるを得ません。
      追加のエアー式マットレスに2017年にはプロライトという選択肢しかありませんでしたが、現在はエアー式のマットも充実しており、現在ならネオエアーXサーモMaxを選択すると思います。
      シュラフとマットに防寒対策をしっかりしておくと精神的に余裕が出来て、万が一のテント泊での停滞が必要になったときでも肉体的・精神的快適さが全く異なってくると思います。

      昼間の間の歩いている際、少しは汗ばむかもしれませんが、9月は基本的に涼しく感じ汗だくになることはないと思います。
      基本朝は長袖長ズボン+レインジャケットのトレッキング、昼は長袖長ズボンでのトレッキング、夜はダウンジャケット、ダウンズボン、フリースなどの一般的なトップスとボトムスの組み合わせになるかと思います。

      あとクングスレーデンでの特別な心構えとして、水対策が挙げられます。
      どこからスタートするかにもよりますが、最初に500mlのペットボトルを数本バックパックに用意していても、必ずどこかで空になります。
      そしてクングスレーデンでは流れる川の水を汲んで飲むというスタイルになっています。STFのサイトでも水の件はFAQ に挙がっていますが、その回答もされているようです。
      https://www.swedishtouristassociation.com/faq/is-it-safe-to-drink-the-water-from-mountain-streams/
      それでも、私は念のため、川から汲む場合は浄化器と煮沸をセットで行っていました。
      その際に重宝したのが、3本の広口ナルゲンボトルでした。適宜いい水場を見つけて(基本テントサイトから近くに水場があることが多いです)いました。
      浄化器はMSRのミニワークスEXを当時使用しておりましたが、現在ならKATADYN BeFreeなどの場所をとらないものが便利かもしれないと考えます。

      山小屋に関してですが、すでにご存じかもしれませんが、まずクングスレーデンを歩くにあたってチェックをしていただきたいのが以下のページです。
      https://www.swedishtouristassociation.com/
      Swedish Tourist Association(英語) (スウェーデン語:Svenska Turistföreningen)
      でスウェーデンではSTFと呼ばれます。
      クングスレーデンをはじめ他の山小屋・トレイルに関してもこのSTFが管轄をしており、ウェブサイトを活用することが可能です。
      特に以下のサイト
      https://www.swedishtouristassociation.com/areas/kungsleden/
      ではクングスレーデンを説明しています。その中でもVisitor calendar 9月2週までが最もVisitorが多いのですが、それから以降が一気に減るようです。
      2024年の場合、例えば北部クングスレーデンの山小屋(Singi、Sälka、Tjäktja、Alesjaure、Abiskojaure)は9月15日までが営業となっています。
      https://www.swedishtouristassociation.com/discover/?accommodations
      上記のサイトで、まず地図上で泊まる予定の山小屋を選んでください。すると各山小屋の情報が記載されているページを見ることができます。
      また、以下のページもご覧になっていただければと思います。
      https://www.swedishtouristassociation.com/our-accommodation-types/stay-stf-mountain-cabin/

      ちなみに、STF Kebnekaise Mountain stationは2024年は9月21日までが営業で、
      https://www.swedishtouristassociation.com/facilities/stf-kebnekaise-mountain-station/
      STF Abisko Turiststationは2024年内は通年営業のようです。
      https://www.swedishtouristassociation.com/facilities/stf-abisko-turiststation/

      公式では予約が推奨されていますので、可能ならば予約が望ましいということになると思います。営業中の期間に予約なしで行かれる場合は、毎日早めに山小屋に着くように行動パターンを決めておくか、やはり万が一のトレイル中ビバークとなったときにも対応できるテント泊の用意をしっかりしてトレッキングを行うかということになると思います。
      またはSTFにe-mailでコンタクトしてお問い合わせしてみるのもいいかもしれません。
      個人的にはテント泊の用意をしてトレッキングを行い、疲れなどでテント泊する余力がない時に山小屋が空いていたら山小屋を利用するというスタンスぐらいが良いのではないかと思います。
      あと、追伸として意外と大事なことで、トレッキングブーツの靴紐の予備を持っておかれることをお勧めします。クングスレーデンはぬかるみも多いため、毎日靴紐が濡れる状況が続きますと、数日間のトレッキングの中で靴紐が切れることがあります。そのため予備があると心強いです。

      今後、非常に貴重な体験をされることになると思います。
      是非道中、そしてトレッキング中もお気をつけて、素晴らしい景色・体験を楽しまれることを願っております。
      私自身日本に帰国し数年が経ち、拙ページの情報も最新の現地のものと異なることがあるのは心苦しいのですが、今回のように今後現地へ旅されることを検討されている方のお力になれていたら幸いです。
      今後とも何卒よろしくお願いいたします。

      enjoytravelingsolo

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