Zermattスイス中欧

ツェルマット ゴルナーグラートからの絶景とハイキングは1日かけてじっくりと!

アルピニストの聖地マッターホルンの麓にある村、ツェルマット。上りは登山鉄道やロープウェイ、下りはハイキングという楽しみ方ができます。本記事ではまさに真打、じっくりと時間をかけて楽しみたいゴルナーグラートからの絶景とハイキングコースについて取り上げます。

ヨーロッパアルプストレッキング旅行の出発前に是非チェックしておきたい、つい忘れがちな物や事についてのレポートをしていますので、是非ご覧ください。

ヨーロッパアルプストレッキング旅行の出発前に必ずチェック!忘れがちな物と事!
サマーシーズンのヨーロッパアルプストレッキング旅行を計画されている方、特にTMBやオートルート等ロングトレイルを歩かれる方は必見!メインのトレッキングや観光準備の陰に隠れて、大事ながらも忘れがちな物や事があります。本レポートでは是非出発前にチェックをおススメする項目をとりあげます。

ヨーロッパアルプス観光・トレッキングに適したレンズ・カメラについて別ページで考察をしていますのでこちらも是非ご覧ください。

ヨーロッパアルプスを歩く際に必ず必要となるのが目の紫外線対策です。筆者がおススメするクリップオンサングラスについてのレポートを行っていますので、是非ご覧ください。

ヨーロッパアルプストレッキングをはじめ海外トレッキングに行く際、考えないといけないのはその荷物の運び方です。どのようなバッグで行くのか、スーツケースはありなのか等、機内持ち込みバッグをどうするかにも焦点を当ててレポートを行っていますので、是非ご覧ください。

Zermattエリアの他のトレッキングコース、その他便利情報はこちら

全体像

今回紹介するのは、真ん中の赤色で示したラインです。

長大な氷河やマッターホルンの絶景を楽しみながら登山鉄道で上がっていき、終点の頂上からはロングハイキングで絶景を見ながらツェルマットまで帰ってくることができる、まさにツェルマット観光のまさに真打ち、のラインです。

登りのアクセス方法

本ラインの登りのアクセスは、ゴルナーグラート登山鉄道1本のみです。

ツェルマット(1620m) → ゴルナーグラート(3089m): 登山鉄道 約35分

このゴルナーグラート鉄道は開通が1898年というから驚きです。こんなものを120年も前にこんな困難な場所に作っていたなんてスイス凄いなと思わずにはいられません。

車内で座席に座りながらマッターホルンをみたければ、進行方向右側の座席に座るのがおススメです。(たとえ左側に座っても、写真を撮るときだけ立って窓側に行けばいいだけの話ですので、心配はいりません)

例えば、2017年夏季(6月3日~10月15日)は、7時が始発、その次が8時発で、その後は24分おきという運航間隔です。

ゴルナーグラート時刻表はこちら

運賃や乗車場所情報はこちら

Gornergrat ゴルナーグラート駅・展望台

ゴルナーグラート駅、まさにその場所からも素晴らしい景色が眺められます。そして駅から2~3分ほど坂道を上がった場所に天文台のあるホテル(3100クルムホテル・ゴルナーグラート)があります。

ゴルナーグラート駅から「3100クルムホテル・ゴルナーグラート」を眺めた写真です。3100クルムホテル・ゴルナーグラート内には絶景を眺めながら食事ができるセルフタイプのレストランと「VIS-À-VIS」というハイグレードなレストランがあります。またお土産ショップも中にあります。

さらにこのホテルの横を通過して、あと5分坂を上ってみます。

その坂を上り切ったところに360度開けた場所があります。ここがゴルナーグラートの山頂(3135m)です。

ではぐるっと360度見渡してみましょう。

ホテルを背にして右方向には

右からロッチャ・ネーラ(Roccia Nera、4075m)、ポリュックス(Pollux、4092m)、カストール(Castor、4223m)、中央の氷河はシュヴァルツ氷河(Schwarze Gletscher)です。

リクエストにお答えして、上の写真で見えている山の名前を記載しました。

なお、Ostigipfelは東峰という意味になります。

ホテルを背にして正面方向には

右からリスカム(Liskamm、4527m)、グレンツ氷河(Grenz gletscher)、モンテ・ローザ(Monte Rosa、4634m)が見えています。

さらに展望台の端から撮影すると、

左がモンテ・ローザ、右がリスカム、その間のグレンツ氷河が下流に流れてゴルナー氷河に合流している様子が良くわかります。もともと氷河が存在した場所は土の色が他より黒いので、近年徐々に氷河が後退してきている様子もわかります。

こちらもリクエストにお答えして山の名前を記載しました。

そしてホテルを背にして左方向には

中央右にオーバーロートホルン(Oberrothorn、3414m)さらにその右上方にアルプフーベル(4206m)が見えています。テッシュホルン(4491m)の頂上が雲に隠れていて、Dom(4546m)の頂上がちょうど雲の切れ間から顔を出しています。

マッターホルン以外の名峰に興味が出てきたら…

お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。本レポートではモンテローザ~マッターホルンに注目したためゴルナーグラートからの東~北東方向の眺めの写真を載せていません。ゴルナーグラートからの東~北東方向にはStrahlhorn(4190m)、Rimpfishhorn(4199m)、Allalinhorn(4027m)をはじめTäschhorn(4491m)、Dom(4546m)等4000m超級のヨーロッパが誇る名峰がずらりと並んでいます。ゴルナーグラートが日本人にはメジャーですが、これら4000m超の名峰を一気に眺めることに関してはさらに素敵な場所があります。それがミッテルアラリンホーサース等のサースフェーエリアです。ツェルマットに比べ観光客は少なめで、上記4000m超の名峰の眺めは壮観です。以下に素敵な場所をまとめていますので是非ご覧ください。

270度氷河!スイスの名峰と絶景の宝庫!Saas-Fee (サースフェー)!①
ツェルマットやグリンデルワルトにも負けてない素晴らしい絶景の場所、270度を氷河に囲まれた村サースフェーです。4000m超の名峰を間近に眺めることができ、世界最高地の地下鉄「メトロアルピン」もあります。比較的空いていて絶景を楽しめるサースフェーをレポートします。
スイス 一気に4000m超の18座を見渡せる絶景!Hohsaas (ホーサース)!①
ヨーロッパアルプスの中でも名峰がひしめくスイス ヴァレー州。その中でも一気に4000m超の18座を見渡せるとても貴重なそして絶景の場所があります。それがHohsaas (ホーサース)です。今回はそんなHohsaas(ホーサース)の徹底解説その①を行います。

このように、ゴルナーグラート山頂の展望台からまさに360度オープンの絶景をみることができます。せっかくここまで来たら、展望台だけを楽しんで登山鉄道でツェルマットに帰るのはもったいない!。ゴルナーグラートからツェルマットまで歩いて帰れるハイキングコースがちゃんとありますので是非ハイキングで下って帰るのがおススメです。もちろん標高3000m超からのスタートですのでそれなりの装備をしておきましょう!

というわけで、ここからはハイキングルートを示しながら絶景写真をお見せしていきます。

ハイキングルート

全体像の中から赤色のラインと周囲のハイキングルートをクローズアップしてみました。

ルート①:ゴルナーグラート → リッフェベルク (所要時間:約2時間)

ルート②:リッフェベルク → リッフェアルプ → ツェルマット (所要時間:約2時間)

ルート③A:リッフェベルク → (Grunsee、Grinjisee経由) → ブラウヘルト or スネガ (所要時間:約3時間30分)

ルート③B:リッフェベルク → (Moosjisee経由) → スネガ (所要時間:約3時間)

ルート④A:リッフェベルク → リッフェアルプ → (Grunsee、Grindjisee経由) → ブラウヘルト or スネガ (所要時間:約4時間)

ルート④B:リッフェベルク → リッフェアルプ → (Moosjisee経由) → スネガ (所要時間:約3時間30分)

この4つのルートを軸に考えるとハイキングのプランが立てやすいと思います。

おおまかに説明すると、以下の通りです。

・ルート②は素直にそのまま下ってくるルートになります。

・ルート③、④はスネガ方面へトラバースするルートです。

・ルート③、④のそれぞれA,Bに関してはGrunsee+Grindjiseeに立ち寄るか、立ち寄らないでそのままスネガに行くかで分けました。

なお上記の所要時間には湖での休憩(30分)・レストラン休憩1回分(30分)を計算に入れた上でのおよその時間を記載しています。

ルート①:ゴルナーグラート → リッフェベルク について

ゴルナーグラート終点駅から登山鉄道の線路を右に見ながら下り始めます。

高架になっているところがありますが、そこはくぐらないでとりあえずはひたすら線路より左側をキープして下りましょう。

右側にある登山道本道から少し外れて撮った写真です。(登山道は写真に写ってません。)

下方に逆さマッターホルンが見えることで有名な湖のひとつ、リッフェルゼーが見えています。

ゴルナーグラートからは最初岩場・ガレ場スタートですが、しばらく下るこのような歩きやすい登山道になります。

下りながら左手はロッチャ・ネーラ(4075m)、ブライトホルン(Breithorn、4164m)、左にシュヴァルツ氷河、真ん中にブライトホルン氷河が見えています。過去に氷河だった場所は土の色が黒く他と見分けがつきますので、経年的に氷河が後退してきているのがわかります。

そして右手には登山鉄道を見ながら下っていきます。

このゴルナ―グラート – ローテンボーデン間は高い標高でかつ、大きく開けていることで素晴らしい景色を堪能することができます。

ルート②,③または④を合わせたロングハイキングが最も満喫できるプランですが、時間の余裕のない方は少なくともこのルート①とリッフェルゼーだけは歩いておく、というのはいかがでしょうか?

ゴルナーグラートから下り始めて約1時間、リッフェルゼーに到着です。

(途中ローテンボーデンの駅でトイレ休憩等込みで1時間ですので、速い方は40~50分程度で下って来れると思います。なお、リッフェルゼ―からローテンボーデン駅までは約3~4分の登りです)

少し風があって綺麗な写真ではないのですが、この日は風がある以外は素晴らしい天候のコンディションで、多くの人々が逆さマッターホルンの撮影を楽しんでいました。

次のページでは、ルート①の後半「リッフェルゼーからリッフェベルク」、とリッフェベルク以降の「ルート②~④」について説明します。

次ページは:「ルート①後半」とリッフェベルクからの「ルート②~④」

コメント

  1. まめ より:

    フランスに在住しており、休暇でスイスへ行きました。その予定を立てる際に、こちらのサイトにとても助けられました。お陰でマッターホルンを拝むことが出来ました(雲で山頂は隠れていましたが、、)。

    有益な情報をシェアしていただき、ありがとうございました

    • enjoytravelingsolo より:

      まめ様

      コメント誠にありがとうございます。
      まめ様のスイス旅のお力になれたということで、非常に嬉しく思っております。
      山頂に雲がかかっているマッターホルンもまた、いかにもマッターホルンらしいという感じでもあり、迫力のある素晴らしい山容を楽しまれたと思います。
      フランスにご在住ということで、もし今後フランス国内のシャモニーエリアからのモンブランの山塊等も楽しまれることがあれば(すでに行かれているかもしれませんが) 、拙ページがまたお役に立つことがあれば幸いです。
      この度は励みになるコメント本当にありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      enjoytravelingsolo

  2. 森田茂 より:

    質問です。私は脚が悪いので車椅子を使用していますが、家内は健脚で登山をしています。
    今回もサンモリッツからケーブルカー2台とロープウェイを乗り継いで私もピッツネイル山頂まで行けました。(私も少しくらいは歩けます。)来年はツェルマットからゴルナーグラート鉄道でゴルナーグラートまで行ってホテルに泊まりたいのですが、車椅子でも行けますか?

    • enjoytravelingsolo より:

      コメントありがとうございます。
      サンモリッツからのピッツネイルへの乗り継ぎそして、山頂からの展望は本当に素晴らしいものだったと思います。脚をお悪くされていてもヨーロッパ、そしてスイスの中でも最奥に位置する山岳エリアへの旅をされていること、荷物もある中でいつも移動にご苦労されることも多いと思いますがその気概に感服いたします。
      万人に山岳エリアを楽しめるように昔から多大な工夫をしているスイスの懐の深さも、スイス観光が世界中の人を魅了している所以だと思います。

      さて、ゴルナーグラートについてですが、今までの私の現地での記憶と(最近古くなりつつあり恐縮でございますが)、最近の情報を合わせますと
      ・Gornergrat Bahn(Zermatt駅~Gornergrat駅までの山岳鉄道)は車椅子でもアクセスしやすいように各便に低床車両があるようです。
      Gornergrat BahnのFrequently Asked Questionsのページにも情報があるようです。
      https://www.gornergrat.ch/de/pages/faqs
      ・Gornergrat駅からKulmhotel Gornergrat(クルムホテルゴルナーグラート)へはコンクリートで固められた坂道(登り)になっています。なお、クルムホテルゴルナーグラートは車椅子でアクセスできるトイレがあるようです。つまりホテルへの車椅子でのアクセスが想定されているということになると思います。
      なお、駅からホテルまでの様子についてGoogleMAP(以下のリンク)でも確認できます。
      https://goo.gl/maps/RCKGT7YSfseyUAWv9
      最新の情報ではないかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。
      またクルムホテルゴルナーグラートの公式ウェブサイトのトップページでも駅~ホテルの状況が冬の映像ですがおわかりになると思います。
      https://www.gornergrat-kulm.ch/
      ・クルムホテルゴルナーグラートからゴルナーグラート展望台までは砂利の登り路です。大きな段差はありません。クルムホテル前からのマッターホルンの眺めも素晴らしいですし、ゴルナーグラート展望台まで向かうことができましたら、そこからはモンテローザの山塊等の眺めも間近に楽しめることができます(ホテルから展望台の道の様子についても上記GoogleMAPのリンクをご参照ください)。しかし、ご存じの通り標高3100m超の場所ですので、ご無理の無きようくれぐれもご注意ください。
      ・またZermattにおいての車椅子利用が可能なホテルのリストのリンクもこちらにお示しいたしますのでご参考になれば幸いです。
      Wheelchair-accessible hotels(Zermattにおける車椅子利用可能ホテルリスト)
      https://www.zermatt.ch/en/Wheelchair-users-mobility-impaired-people/Wheelchair-accessible-hotels
      いつも予約時にご連絡されているかもしれませんが、クルムホテルゴルナーグラートもその他のZermattエリアのホテルも予約の際にメール等で車椅子利用をご連絡されることをお勧めします。観光業の発達したスイスの山岳エリアですので、観光客にせっかくの旅を楽しんでもらいたいという気持ちをスタッフは皆強く持っており、ホテル側で何かと便宜を図ってくれることや、手助けになることのご提案があるかもしれません。

      来年のスイスの山岳観光のプランニングがまた楽しそうですね!来年もまた素晴らしい旅になることを願っております。
      この度はコメントをいただき誠にありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      enjoytravelingsolo

タイトルとURLをコピーしました