燧ケ岳(ひうちがたけ)
福島県桧枝岐村にある標高2356mの山で、北海道を含む東北地方以北の最高峰になります。燧ヶ岳の南側の山麓には尾瀬沼があり、至仏山(しぶつさん)とともに尾瀬を代表する山です。山頂へは色々なアプローチがありますが雪山登山としてオーソドックスなのは北側の御池(みいけ)から俎嵓(まないたぐら、標高2346m)に登るルートです。このルートでは広沢田代、熊沢田代という夏期は広大な湿原が冬期には広大な雪原になっており、そこを歩いて通過するという醍醐味があります。俎嵓からいったん下って柴安嵓(しばやすぐら、標高2356m)への登り返しが結構な斜度になりますので、アイゼンはもちろんのことピッケル必携になります。なお、その区間の下りはクライムダウンがおススメです。全行程を通してアイゼンを最初からの装着が無難です。なお、尾瀬エリアの一番のポイントは各駐車場へアプローチできる国道の冬期通行止めがいつ解除されるかです。例年、桧枝岐~御池間の解除が4月末になることが多く、その後からの登山になります。また、御池駐車場の建物内のトイレが使用可能です。山頂からは尾瀬全体はもちろん、360度の眺めが堪能でき、間近に至仏山、武尊山、平ヶ岳、会津駒ケ岳、他には谷川岳、朝日岳白毛門、妙高山、火打山、巻機山、中ノ岳、越後駒ケ岳、荒沢岳、守門岳、丸山岳、女峰山、男体山、日光白根山を眺めることができます。
燧ケ岳の場所
登山ルート
登山口・ベースの施設
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残雪期の燧ケ岳へのアプローチでメジャーなのが、燧ケ岳の北側の麓にある御池駐車場からになります。この御池駐車場へのアクセスですが、冬期・残雪期は栃木もしくは福島方面からの国道352号での南下のみになります。国道352号で桧枝岐村を過ぎてそのまま道なりに進んで一気に標高を上げた地点が御池駐車場になります。冬期・残雪期は御池駐車場で国道352号は通行止めになるため、魚沼方面へは通り抜けできません。写真は御池駐車場前にある「山の駅 御池」です。筆者が訪れた5月初旬は早朝でも清潔に整えられたトイレの利用が可能でした。
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「山の駅 御池」に隣接して「御池ロッジ」があります。冬期休業です。
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御池駐車場入口です。かなり広い駐車場ですので残雪期利用においては満車になることはほぼないと言っても良いぐらいです。駐車場の中でも登山口に近いスペースや「山の駅 御池」に近いスペースは早めに埋まっていきます。有料で現金が必要ですので注意しましょう(1回1000円)。近隣にコンビニやATMはありません。福島方面からの場合は南会津田島のファミリーマートやセブンイレブン、栃木方面からの場合は塩原温泉のファミリーマート、那須関谷や塩原インター西のセブンイレブンになります。キャッシュレスの現代で財布に現金を持ってない人も多くなっています。御池駐車場に向かう前に現金の引き出しを忘れずにしておくことが必要です。
山行記
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ある年の5月初旬、御池駐車場にやってきました。北関東在住の筆者にとって直線距離的にそんなに遠くない尾瀬エリアですが、それでも御池駐車場までは結構時間がかかります。御池駐車場の南側にある雪の土手を適当に登って直登方向を続けることでも冬期登山ルートと合流できますが、今回は御池駐車場の西の端にある登山口からスタートしてみます。
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5月初旬でも早朝は溶けかけの雪が再び凍って固い凸凹になっており、歩きにくくなっています。適当に歩きやすい雪面を歩いていきます。まだアイゼンを装着せず登山靴のままです。
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しばらく歩くと燧ケ岳は左、という標識がでてきました。ここで進路を左に方向転換します。
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ほんの少しの間、木道になります。
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つかの間の木道歩きが終わると雪の斜面が始まります。ここから以降はずっと雪の斜面になることと朝の凍った凸凹歩きが滑りやすいため、適当なスペースでアイゼンを装着します。
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雪はなくなりつつあり、まさに5月、というような景色ですね。
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トレースがわかりにくくなる箇所がありますが、良く見渡して木々を越える方向にトレースがあることを確認しながら進みます。
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まっすぐ直登方向に行く先が見えるポイントまできたら、もう後はひたすら登るのみです。さあ頑張っていきましょう。
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朝日が昇り始めて固く凍っていた部分も柔らくなってきました。
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早くも振り返ってみてみます。
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朝日を左から浴びながら登ります。急すぎず緩すぎずちょうど良い登りやすさの斜度の雪面が続きます。
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時に若干急になる箇所もありますが登りにくいことはありません。
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登りながら左手(北東方向)の眺めです。
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登りながら右手後方(北西方向)には荒沢岳(1969m)が見えています。
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最初の長い登りが終わりそうです。
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行く先が平坦になっているような雰囲気が出てきました。
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ここで一旦視界がパッと開けます。ここからさらに正面に見えている小高い部分に向けて登りを開始します。
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振り返ると北東方向に会津駒ケ岳(2133m)が目の前に見えています。なお、今歩いている雪原(夏は湿原)は「広沢田代」と言われる場所で、登山口から登り始めて1つ目に登場する広い雪原です。
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しばらく眺めを楽しみながら歩いていると、また登りが始まります。
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先を見るとうんざりしますので、一歩一歩足を運ぶことに専念します。
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気温が上がって雪が少しずつ柔らかくなってきました。時々一歩一歩が沈み込みます。
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直登は疲れるため先行者のトレースを利用してジグザグに登っていきます。
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日の光が当たる場所は雪が柔らかくなってきてトレースも荒れてきています。
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また行く先が開けそうな雰囲気になってきました。
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視界は開けつつ、しかし登りはまだまだ続くようです。
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適当にジグザグに登っていきます。背後の景色が良くなってきましたので、もう少し登ってから振り返って見ることにします。
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進行方向右手後方、北西方向の眺めです。遠く中央に守門岳(すもんだけ、1537m)が見えているようです。少しzoomしてみます。
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遠く中央に守門岳(すもんだけ、1537m)、遠く右奥に浅草岳(1585m)が見えています。左には毛猛山(1517m)、その手前に未丈が岳(1553m)が見えています。
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真後ろを振り返ると北東方向に会津駒ケ岳(2133m)、中門岳(2060m)、大杉岳(1921m)が見えています。
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ここに来て燧ケ岳のトップが見えてきました。青空との綺麗なコントラストを楽しみながら歩き続けます。
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しばらく歩いていると燧ケ岳トップまでの全容を眺めることができるようになってきました。
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このあたりから若干下りが始まります。
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天気が良いことに感謝です。今からあのトップに向かいます。
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しばらくなだらかな下りを歩いていると少し先が雪原になっているようです。
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5月初旬ではすでに湿原部分が顔を出してきていました。
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下り切った部分から、今から向かう燧ケ岳トップを眺めます。ここからしばらく木道歩きを楽しみます。このあたりが熊沢田代と言われる場所になります。登山口から登ってきて2つ目に登場する広大な湿原です。
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木道歩きを終えると再び雪原歩きが始まります。序盤は緩やかな登りです。
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とくに急ではないものの、ここから長い登りが始まります。
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一歩一歩足を運んで進みます。天気が良いため、汗をかきすぎないように半袖や薄着になるなどして体温調節を行います。
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トップに確実に近づいている気がします。
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まだまだ樹林帯も残っています。
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木々の中の気持ち良い登りです。日射の強い日は木陰が貴重です。
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ツリーホールに落ちないように注意です。5月初旬の段階では踏み抜きはありませんでした。
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そろそろ樹林帯を抜けそうです。
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視界がパッと開けました。ここから以降、背の高い木々はなさそうです。
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いままでの南西向きの登りから、一旦進路を南向きに変え斜面をトラバースするように進んでいきます。
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振り返って北北東方向には会津駒ケ岳(2133m)がどっしりと構えています。
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会津駒ケ岳を一度Zoomして堪能しておきます。
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北北西方向は守門岳、毛猛山、未丈が岳、日向倉山の眺めです。
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南方向にトラバース的な登りはしばらく続きます。
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トラバース的な登りが終わりますが、そのまま進行方向を変えずに草木を突っ切ります。
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