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大迫力の絶景トレイル!Haute Route (オートルート)トレッキングレポート⑮

ヨーロッパアルプスの山々の中でもモンブラン(Mont Blanc, 4810m)マッターホルン(Matterhorn、4478m)は日本人にもその名前は知らない人はいないというほど有名です。この世界が誇るヨーロッパの2大名峰の間をつなぐロングトレイルが「Haute route(オートルート)」です。Haute routeもその特徴としてTMB同様ほぼ毎日峠越えがあり、毎日1500m~2000mのアップダウンの標高差があります。そのため絶景を見るポイントには事欠きません。

さて今年(2018年)は「Tour du Mont Blanc (TMB: ツール・ドゥ・モンブラン)」をトレッキングで1周した後に、そのままChamonixからLe Châbleに移動し、Le ChâbleからスタートでこのHaute routeのトレッキングを楽しんでみました。なお、最終目的地はツェルマットです。

本ページでは絶景ロングトレイルの新定番「Haute route (オートルート)」、ツェルマットまでのトレッキングレポートその⑮(7日目後編)を行います。

一個前のトレッキングレポート(7日目前編)はこちら

昨晩泊まったホテル、Hotel Schwarzhornについてはこちら

Haute routeの概要

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モンブラン(Mont Blanc, 4810m)マッターホルン(Matterhorn、4478m)というヨーロッパの2大名峰の間をつなぐロングトレイルが「Haute route(オートルート)」です。実際はフランス・シャモニーからスイス・ツェルマットまでのトレイルとなり総距離が約150㎞以上となります。

Haute routeを通して歩く人とってはシャモニーやル・シャーブルからツェルマットに向かって歩き、ツェルマットが終点になるような行程がメジャーです。しかしどちら向きに歩くかは完全に自由です。実際歩いた印象としては、通しで歩く人はツェルマット向きで歩いている人が9割シャモニー向きに歩いている人が1割です。

スイスジュネーブ空港からシャモニ・モンブランの街へのアクセス・バス移動・電車移動についての便利な情報について以下にまとめていますので是非ご覧ください。

Haute routeの楽しみ方・計画の立て方・攻略の仕方について、またトレッキング以外にも観光で楽しむシャモニー・ヴェルビエの街等、以下に詳しくまとめていますので是非ご覧ください。

トレッキングレポート

本日までのあらすじ

トレッキング開始初日

Le Châble(ル・シャーブル)→Verbier(ヴェルビエ)→Les Ruinettes→La Chaux(ラ・ショー) →Les Gentianes→Mont-Fort展望台、頂上→Les Gentianes→La Chaux、La ChauxからトレッキングでCabane du Mont Fort、Cabane du Mont Fortで一晩を過ごしました。

トレッキング2日目:

Cabane du Mont Fort → Col Termin(2648m) → Col de Louvie(2921m) → Col de Prafleuri → Cabane de Prafleuri (Prafleuri小屋)、Cabane de Prafleuriで一晩を過ごしました。

トレッキング3日目:

Cabane de Prafleuri → Col des Roux → Lac des Dix(ディス湖) → Pas de Chèvres(パ・ド・シェーブル) → Arolla、Hotel du Pigneで一晩を過ごしました。

トレッキング4日目:

Arolla、Hotel du Pigne → Les Haudères(レ・ゾデール)でバス乗り換え → La Sageからトレッキング開始 → Col du Tsaté(コル・デュ・タテ、2868m) → Lac de Châteaupré(シャトープレ湖) → Cabane de Moiry(モワリー小屋)、モワリー小屋で一晩を過ごしました。

トレッキング5日目:

Cabane de Moiry(モワリー小屋)→Lac de Moiry(モワリー湖)→Barrage de Moiry(モワリーダム)→Corne de Sorebois(ソルボワ峠)→Zinal、Hôtel Pointe de Zinalで一晩を過ごしました。

トレッキング6日目:

Zinal、Hôtel Pointe de Zinal → Vissoie → Saint-Luc → Meidpass (2790m) → Gruben、Hotel Schwarzhornで一晩を過ごしました。

Haute Route(オートルート)トレッキング 7日目:

(下地図の太いピンク色の破線・線がこの日の行程になります。)

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本日、Haute route 7日目の行程は以下を予定しています。

Gruben、Hotel Schwarzhorn → Augstbordpass (2893m) → Jungu → Sankt Niklaus → Zermatt、Zermattのホテルで宿泊

今日の行程のポイントは以下になります。

  • Gruben、Hotel Schwarzhorn → Augstbordpass (2893m)の登り
  • Sankt Niklaus → ZermattへはMatterhorn Gotthard Bahnを利用予定

前回7日目前編ではAugstbordpass(2893m)を越えてしばらく下った時点までレポートしましたので、今回はその時点から話を再開します。

Augstbordpass(2893m)を越えてしばらく下り、その後の平坦なトレイルを歩いてきました。

しばらく歩いていると標識が出てきました。ここが比較的重要ポイントで、JunguやSt.Niklausへはここで右方向に向かうトレイルを選択して進むことになります。

先程のポイントで右方向へのトレイルを選択するとこのような道になります。基本的にはずっと東方向へトラバースしていくアップダウンの少ないトレイルです。

筆者が日本から来たと知って、前に歩くフランス人の男性が昔柔道をやってたんだよ、ということで日本の話題で盛り上がります。

前のフランス人の男性は過去に人工膝関節置換術を受けているとのことでしたが、健脚そのものです。

トラバーストレイルといっても時に大きな岩がゴロゴロした岩場を登っていく箇所もあります。浮石に注意です。

トラバース中に道幅の狭い箇所も多くあります。

岩場でも歩きやすく整えられている場所もあります。

そしてこの東向きのトラバース区間、結構距離が長いです。

岩場が続きます。足元をしっかり確認して進みましょう。

もうちょっと進んだ先の稜線に出たら眺めが良さそうです。

稜線に出るととトレイルから北向きの眺めがパッと開け始めました。北向きの眺めです。Stalden方面を眺めています。山に隠れて見えませんがこの方向の先にVispの街があります。

先程の稜線を経て、トレイルが南東向きのトラバースにかわります。

このあたりも道幅が狭い所があります。景色に見とれて足を踏み外すことの無いよう、注意です。

もうすぐで東向きの稜線に出ます。その稜線を境にトレイルは南西方向へのトラバースに変わります。稜線上のトレイルが非常に狭いのでそのまま進んでしばらくしてからまた写真を撮ることにします。

稜線を越えて南西向きのトラバースに変わりました。雲が充満していて良く見えていませんが、晴れていたら色々見えている方角です。

トレイル進行方向から南方向の眺めです。左から個別に見ていきましょう。

Nadelhornの北側に存在する氷河はRiedgletscherです。

左の雲で隠れて見えていない先にRoccia Nera(4074m)やPollux(4089m)があります。下に見えているのはRandaやTäschの町です。

右も雲で隠れて見えていませんが、ヴァイスホルンが奥にある方向です。

雲で見通しが悪いなりにも眺めを楽しんだらJunguに向けて下っていくことにします。

しばらく下っているとJunguは左とあります。左に下っていきます。

Nadelhornと氷河Riedgletscherを正面に見ながら軽快に下っていきます。

大きくジグザグに西向き・東向き交互に下っていきます。

標高が下がってきたことを実感します。周りに木々がでてきました。

ここでヘアピンカーブを曲がって下っていきます。ちょっと標識をみておきましょう。

筆者はJungu、St.Niklaus方面向きに下っていきます。

先程の標識以降、一時的に木々の中のトレイルになります。

まだまだ大きくジグザグに下りが続きます。小雨が降っていますので若干小走り気味に軽快に下り続けます。

しばらく下り続けていると分岐と標識が出てきました。筆者はこのまままっすぐキープして進みます。標識をチェックしておきましょう。

ここで注意なのは、筆者が向かうのはJunguであって、Jungtalではありません。この標識ではJunguやSt.Niklausは表示されていませんが、ALP trekkingの赤と白のマーキングの方向キープです。

左手に石壁を見ながらしばらく下っていきます。

トレイルは本格的に木々の中に入って行きます。

木々の中でつづら折りを下っていきます。下にJunguの集落がチラチラ見え始めてきました。

木々を抜けました。つづら折りの下にJunguの集落がはっきり見えてきました。

岩の影に標識が申し訳なさそうに建っています。ちゃんと確認しておきます。

Jungen-St.Niklausのロープウェイ乗り場まで10分とあります。Augstbordpassからはるばる下ってきたことを実感します。

Junguの集落の中というよりは端を歩いています。

このあたりはトレイルというよりは村の小道といった感じの歩きやすい道です。

2018年8月時点では作りかけの公園のような場所を通過します。

先程の池を通過すると下にロープウェイ駅が見えてきました。

ロープウェイ駅前に標識も立っています。最後に標識をチェックしておきます。

この場所からSt.Niklausに歩いて下れば1時間25分とあります。時刻は午後1時前、この後Zermattまでの行程にかかる時間を考えて、午後が雨の予報ということも踏まえ、ロープウェイでSt.Niklausまで下ることにしました。

すでに4人の人がロープウェイの出発を待っていました。というのも1時間おきの出発のためです。3人は地元の工事関係者、1人はGrubenのHotel Schwarzhornで同じドミトリー部屋だったドイツ人ハイカーです。

午後1時定刻どおりロープウェイが出発しました。筆者がこの写真を撮っているということは、、そうです。ロープウェイの定員は4人で、筆者は1時発のロープウェイに乗れませんでした。

後1時間待つ必要があるのか?と地元の工事関係者に聞いてみました。

すると、

「下のロープウェイスタッフに、筆者のために臨時便を追加で1本出してあげるようにお願いしておくよ」とのことでした。

もう一つのロープウェイがやってくるのを待つことにしました。

JungenーSt.Niklausのロープウェイについての料金表と時刻表がJungenのロープウェイ駅に掲示されています。筆者が訪れたときはJungenにはスタッフは常駐していませんでした。ですので、乗車料金の支払いは下のSt.Niklausで支払いました。

Jungenのロープウェイ駅でもう一つのロープウェイが到着するのを待ちます。天気が良ければかなり良い眺望の場所のはずです。

Jungenのロープウェイ駅からJunguの集落を眺めます。静かな、雰囲気のいい集落です。天気が良い日にもう一度景色を楽しみに訪れたい場所です。

10分程度で次のゴンドラがやってきました。筆者一人乗り込んで、たまたまそのゴンドラで上がってきた工事関係者が下のロープウェイスタッフに電話で連絡してくれます。

ゴンドラがゆっくり下り始めました。

小さなロープウェイながら途中駅もあって、その途中駅がから工事関係者が3人乗ってきて結局満員でSt.Niklausに下っていきます。

St.Niklausのロープウェイ駅に到着しました。ここでスタッフに乗車料金を支払います。

ロープウェイ駅を出るとすぐ隣にMGB(Matterhorn-Gotthard-Bahn)の線路があります。St.Niklausの駅も先に見えていますのでそちらへ向かって下っていきます。

ココで高架をくぐって、くぐった先で左です。

高架をくぐった先で左に進みます。

するともうSt.Niklausの駅がすぐそこにあります。

St.Niklausの駅には乗車券の自動券売機もありますので便利です。筆者は今回Zermattまでの片道切符を購入します。

10分もしない内にZermatt行きの列車がやってきました。ドアについているボタンを押して自動ドアを開けて乗り込みます。

筆者が乗った時間帯は運よくガラガラのようです。椅子に座って流れゆく景色を楽しみながらくつろいでいたところ、アメリカ人のGさんから連絡が入ります。

アメリカ人のGさんとEさんはJungen手前で分岐を間違ったのか、どうなのか不明で今自分達がいる場所が正しいかの確認でした。

スマートフォンで目の前の景色の写真を撮って筆者に送ってきています。

筆者が先程まで見てきた景色そのもので、Gさんにそのままで問題ないことを伝えます。

そして、Zermattで打ち上げで今晩飲もうという約束をして電話を切ります。

St.Niklausから約40分でZermattに到着です。毎度おなじみのガソリンを使用しない小型の車が縦横無尽に街を走り回っています。

Zermattの駅からバーンホフ通りを歩いていきます。ホテルへの送迎の馬車がしょっちゅう走っており、Zermattはいつも通りで平常運転のようです。

バーンホフ通りにはもちろんお馴染みのノンガソリン車もちょこまかと駆け巡っています。いつも通りのZermattの風景です。

バーンホフ通りにはスイスの国旗とヴァリス州の旗が堂々と掲げられていて、この通りの景色をみるとZermattに来たんだなぁと実感します。ル・シャーブルからスタートした筆者のオートルートもゴールです。ずっと田舎を通ってきたオートルートですが、やはりここZermattが一番栄えている町です。

今回筆者がZermattで泊まるホテルはバーンホフ通りからマッターフィスパ川を渡ってさらに少し登った場所にあるホテル、ホテル カプリコーンです。

なんとか大雨に降られる前に本日の宿に到着することができました。

チェックインを済ませて洗濯物とシャワーを済ませてゆっくりします。

2時間ほどゆっくりしているとアメリカ人のGさんから連絡が来ました。

彼らももうすぐZermattに到着するとのことです。

最初に彼らと落ちあうBarを決めて、そこで飲んでからヴァリス州の伝統料理チーズフォンデュとラクレットを食べに行く予定にしました。

Mont-Fort小屋からZermattまでずっと行程が一緒だった、アメリカ人のGさん、Eさん、筆者の3人で、筆者お気に入りのレストラン「Say Cheese!」で打ち上げを行いました。写真はハムの盛り合わせです。

気前よく注文しすぎてかなりの量になってしまいましたが、最後はみんなで何とか食べ切った感じでした。

お互い、Mont-Fort小屋からずっと同じ行程でZermattまで来たという偶然の出会いを大事にしたく考えていることは共通です。食事の後はお互いハグをして別れます。彼らは明日はZermattでゆっくりするとのことです。

さて、筆者は、どうするのか?!

次のレポートをお楽しみに!

次のレポート「Haute route(オートルート)トレッキング8日目前編」に続く!

本日の行程のおさらい

(下地図の太いピンク色の破線・線がこの日の行程になります。)

フルスクリーン表示

Gruben、Hotel Schwarzhorn → Augstbordpass (2893m) → Jungu → Sankt Niklaus → Zermatt、Zermattのホテルで宿泊

最後に

いかがでしたか?大迫力の絶景トレイル!Haute Route (オートルート)トレッキングレポート⑮。Haute routeトレッキング7日目後編の模様をレポートしました。なんとか怪我のないようにHaute route(オートルート)をツェルマットまで完遂することができました。Haute routeもTMBと同じく偶然にも同じ行程になる他のハイカーが出てきますので、そのあたりも楽しい部分の一つです。Haute routeを終えた筆者は次に何をするのか?!次のレポートをお楽しみに!

次のレポート(8日目前編)はこちら

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