Zermattスイス中欧

ツェルマット 一気に3800m超の世界!絶景とロングハイキングを楽しめるコース

アルピニストの聖地マッターホルンの麓にある村、ツェルマット。上りは登山鉄道やロープウェイ、下りはハイキングという楽しみ方ができます。本記事ではマッターホルンに最も近く標高の高い展望台とシュワルツゼーからのハイキングコースについて取り上げます。

ヨーロッパアルプストレッキング旅行の出発前に是非チェックしておきたい、つい忘れがちな物や事についてのレポートをしていますので、是非ご覧ください。

ヨーロッパアルプストレッキング旅行の出発前に必ずチェック!忘れがちな物と事!
サマーシーズンのヨーロッパアルプストレッキング旅行を計画されている方、特にTMBやオートルート等ロングトレイルを歩かれる方は必見!メインのトレッキングや観光準備の陰に隠れて、大事ながらも忘れがちな物や事があります。本レポートでは是非出発前にチェックをおススメする項目をとりあげます。

ヨーロッパアルプス観光・トレッキングに適したレンズ・カメラについて別ページで考察をしていますのでこちらも是非ご覧ください。

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ヨーロッパアルプストレッキングをはじめ海外トレッキングに行く際、考えないといけないのはその荷物の運び方です。どのようなバッグで行くのか、スーツケースはありなのか等、機内持ち込みバッグをどうするかにも焦点を当ててレポートを行っていますので、是非ご覧ください。

Zermattエリアの他のトレッキングコース、その他便利情報はこちら

全体像

今回紹介するのは、一番右の青色で示したラインです。

ツェルマットから一気に3800m超の標高までロープウェイで上ることが出来、その途中駅からロングハイキングでツェルマットまで帰ってくることができるコースです。特にシュワルツゼーからマッターホルン向きに歩く際に、いつも暗く寒いといわれる北壁を直下から眺めることができます。

登りのアクセス方法

本ラインの登りのアクセスは、

ツェルマット⇒(フーリ⇒シュワルツゼー)⇒トロッケナーシュテーク(Trockener Steg)[6人乗りロープウェイ]

トロッケナーシュテーク⇒マッターホルングレッシャーパラダイス[大型ロープウェイ]

の2つで構成されるラインです。

なお、

フーリ ー トロッケナーシュテークをダイレクトに結ぶロープウェイに関しては、春(5,6月)、秋(9月、10月)の特定期間内に終日、夏季(7月1日~8月中旬)の朝の約1時間(6時45分~8時)、冬季は天候次第となっていますので、利用したい場合は現地で運航状況の確認が必要です。

そのため、

本サイトではシンプルにツェルマット→フーリ→シュワルツゼー→トロッケナーシュテークの6人乗りロープウェイのラインを青色で示しました。

そして、7月~8月の夏季はツェルマットからトロッケナーシュテークまでのこの青色で示したルートのロープウェイの始発は8時になります。

リフト・ロープウェイの運航状況はこちら

運賃や乗車場所はこちら

ロープウェイ乗り場はツェルマットの南端

ゴルナ―グラート登山鉄道の駅や、スネガ方面に行く地下ケーブルカーの駅、MGB鉄道のツェルマット駅は、ツェルマット村の北端にあるとしたら、今回のロープウェイ乗り場はツェルマット村の南端にあります。

ブルーのピンの位置が今回のロープウェイの乗り場です。

ツェルマットの中心、バーンホフ通りをマッターホルンに向かって南に進んでも良いですし、上の写真のマッターフィスパ川(Matter Vispa)にかかる橋を渡って、川沿いの道路をマッターホルンに向かって南に進んでもロープウェイ駅に着きます。(約650m、徒歩9-10分)

この日は天候・風の状態が非常によくマッターホルンのエッジがツェルマットからも綺麗に見えました。

そして、しばらく歩くとロープウェイ駅に到着です。

ロープウェイからの絶景

(フーリ-シュワルツゼー間で撮影、ツェルマットが下に見えます)

<ロープウェイの所要時間>

ツェルマット(1620m)⇒フーリ(1867m):約5分

フーリ(1867m)⇒シュヴァルツゼー(2583m):約7分

ロープウェイは6人乗りですので、朝の混雑時は乗合になることもあります。特にツェルマットの乗り場にはソロツーリストの人用のレーンもありました。

ロープウェイから見える山の名前は?

リクエストにお答えして、この区間のロープウェイから見える山の中でも上の画像で見えているものについて名前と標高を記載します。

シュヴァルツゼーのレストランが見えてきました。その左奥にマッターホルン・グレッシャーパラダイスがあるクラインマッターホルン(見る角度によってマッターホルンに似た形のためにそう呼ばれます)、ブライトホルン(4164m)が見えています。

では、行きはシュヴァルツゼ―では降りず、そのまま乗車を続けてトロッケナーシュテークまで行ってみます。

<ロープウェイ所要時間>

シュヴァルツゼー(2583m)⇒トロッケナーシュテーク(2939m):約9分

トロッケナーシュテークに到着

ツェルマットから約20分でトロッケナーシュテークに到着です。

2016年から2018年の夏季の間、新しいリフトの建設を行っており、このリフトはトロッケナーシュテーク(2939m)からクラインマッターホルン(3883m)にかかるということです。

私が訪れたときは、まさに建設真っ最中でひっきりなしにヘリコプターが往来していました。

そして、この新しいリフト(3S Bahn)の情報閲覧や、バーチャル体験ができる「InfoCube」という建物がトロッケナーシュテークに建てられています(入場無料)。

InfoCubeについてはこちら

トロッケナーシュテークから眺めるツェルマットの村。山々に囲まれていることが分かります。

トロッケナーシュテークからのロープウェイ

トロッケナーシュテーク(2939m)からマッターホルン・グレッシャーパラダイス(3883m)まで、2基交互運送の大型ロープウェイで約8分です。(たった8分で上がってしまいます。)

今まで3000m以上の標高に上ったことの無い方は、高い標高に慣れる意味でも、トロッケナーシュテークで少しゆっくりしてから、最後のこのロープウェイに乗り込むことをおススメします。(トロッケナーシュテークにはレストランもトイレもあります。)

ロープウェイ内からも右側にずっとマッターホルン(東壁)が見えています。この後、直下に氷河をまたいだ後、垂直に近い角度でロープウェイが登り始めます。するとマッターホルングレッシャーパラダイスに到着です。

こんなところにロープウェイをかけたスイス人に脱帽です。

マッターホルングレッシャーパラダイス

写真はヨーロッパ最高地点にあるといわれる展望台(3883m)からのマッターホルンの眺めです。マッターホルン東壁を眺めています。なお、下ではトロッケナーシュテークからの3S Bahnの建設が着々とすすんでいます。

ツェルマットから眺めるマッターホルンとは違う形に見えることがわかります。この展望台から見るマッターホルンは正三角形のピラミッド型に見えます。

マッターホルンから左に視点をスライドさせるとスキー場になっていることが分かります。さらに左側にはブライトホルン登山をする際のルートを確認することができます。

さらに視点を左にスライドさせるとブライトホルン(左に見切れています)に向かう登山者達が氷河雪原上を歩いているのが確認できます。

リスカムは双耳峰であることが特徴的でわかりやすく、Westgipfelは西峰、Ostgipfelは東峰という意味になります。

マッターホルンから180度視点を変えるとブライトホルン(4164m)が正面に見えます

氷河雪原に登山者たちの通った軌跡が残っています。

なお、マッターホルングレッシャーパラダイスからブライトホルンへはガイドと同行、かつグループツアーが用意されていますので現地で申し込み可能です(ツェルマット、アルパインセンター等)。登攀に必須のアイゼン・ハーネス・ストックを現地レンタルすることもできます。

マッターホルンから右側に視点をむけると、ゴルナーグラート(3090m)が写真中央右に見えており、さらにその奥にはアルプフーベル、テッシュホルン、ドムなど4000m超の山々が見えています(標高等はFuriからのロープウェイからの眺めの写真に記載)。

マッターホルン、ブライトホルン以外の名峰にも興味が出てきたら…

マッターホルングレッシャーパラダイスからの眺めの主役は眼前に迫るマッターホルンとブライトホルンです。しかし上の写真に写っているTäschhorn(4491m)、Dom(4546m)、Alphubel(4206m、トップの台形の形が特徴)の右側にはAllalinhorn(4027m)をはじめ、Rimpfishhorn(4199m)、Strahlhorn(4190m)等4000m超級のヨーロッパが誇る名峰がずらりと並んでいます。マッターホルングレッシャーパラダイスがメジャーですが、これら4000m超の名峰を一気に眺めることに関してはさらに素敵な場所があります。それがミッテルアラリンホーサース等のサースフェーエリアです。ツェルマットに比べ観光客は少なめで、上記4000m超の名峰の眺めは壮観です。以下に素敵な場所をまとめていますので是非ご覧ください。

270度氷河!スイスの名峰と絶景の宝庫!Saas-Fee (サースフェー)!①
ツェルマットやグリンデルワルトにも負けてない素晴らしい絶景の場所、270度を氷河に囲まれた村サースフェーです。4000m超の名峰を間近に眺めることができ、世界最高地の地下鉄「メトロアルピン」もあります。比較的空いていて絶景を楽しめるサースフェーをレポートします。
スイス 一気に4000m超の18座を見渡せる絶景!Hohsaas (ホーサース)!①
ヨーロッパアルプスの中でも名峰がひしめくスイス ヴァレー州。その中でも一気に4000m超の18座を見渡せるとても貴重なそして絶景の場所があります。それがHohsaas (ホーサース)です。今回はそんなHohsaas(ホーサース)の徹底解説その①を行います。

マッターホルングレッシャーパラダイスの展望台に上るエレベーターを通過して駅内のトンネルを抜けるとスキー場に出てきます。

この日は天候のコンディションが良かったからか、レジャースキーヤーから、ナショナルチームまでいろんなレベルの人々が雪原上にいました。

マッターホルングレッシャーパラダイスは高標高であることと、マッターホルンに最も近い展望台であることで、他のスネガ方面やゴルナーグラートからの眺望とはまた違った景色を眺めることができます。

そして、他と同様絶景を楽しみながらトロッケナーシュテークやシュヴァルツゼーからロングハイキングでツェルマットまで帰ってくることができます。

次のページでは、マッターホルングレッシャーパラダイス観光後のハイキングルートについて説明します。

次ページは:マッターホルングレッシャーパラダイス観光後の「ハイキングルート

コメント

  1. Secky より:

    はじめまして。いきなり昔の記事にコメントしてしまい申し訳ありません。
    当方この夏にスイス旅行を計画しており、ツェルマット滞在をメインの1つと考えております。
    こちらのサイトでは各トレッキングコースを分かりやすく案内されており、大変参考になります。

    宜しければ1つ質問させて頂きたいのですが、ツェルマット周辺のゴンドラチケットは日を跨いでも利用可能なタイプなのでしょうか?
    というのは、ホテルシュバルツゼーに2泊しようと考えており、ツェルマットから上る日と下りる日が2日も違うからです。
    15時くらいにツェルマットからシュバルツゼーに上がり、その日はそのままホテルへ宿泊。
    翌日はまずシュバルツゼーから一気にグレッシャーパラダイスまで上って観光後、下りは途中のトロッケナーシュテークで下車し、マッターホルン・グレッシャートイレルを歩きシュバルツゼーまで戻り、この日も宿泊。
    翌日の午前中にゴンドラでツェルマットまで下る、という計画でいます。
    一応乗車区間の重複はないはずですが、こういう日を跨いだ途切れ途切れの利用でも、ツェルマット-グレッシャーパラダイスの往復を1枚買えばOKなのでしょうか?

  2. enjoytravelingsolo より:

    Secky様、コメントありがとうございます。
    今年夏のスイス旅行の計画、とても素敵ですね!天候に恵まれることをお祈りしております。
    さてご質問の件ですが、Glacier paradiseへのロープウェイ等を管轄しているZERMATT BERGBAHNEN AGの方に、Secky様の行程での一番合理的なチケット購入の仕方を問い合わせしてみました。
    では、お答えいたします。ポイントが以下の2点になると思われます。
    まず、Zermatt-Schwarzsee return (CHF 55.00) このチケットが10日間有効になる点です。
    これでDay1のZermattからSchwarzseeへの登りのロープウェイ、Day3のSchwarzseeからZermattへの下りのロープウェイに乗車できると思います。
    次に、Schwarzsee-Matterhorn glacier paradise return (CHF 72.50) このチケットは1日で使用してしまうようにする点です。
    Day2のSchwarzseeからMatterhorn glacier paradiseへの登りにまず行きで使用し、帰りはMatterhorn glacier paradiseからTrockener Stegへの下りまでに使用するというチケットの使い方になると思います。
    ZERMATT BERGBAHNEN AGからは上記のチケットの買い方が適切であるとコメントをいただいており、当方としてもそれがベストではないかと思います。
    Trockener Steg、そしてそこからのトレイルトレッキングで眺めることができる屈指の絶景は言葉にかえがたいほどのすばらしさだと思います。
    素敵なスイス旅行を是非楽しまれてください。
    また何かございましたらご連絡いただければと思います。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。

    enjoytravelingsolo

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