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大迫力の絶景トレイル!Haute Route (オートルート)トレッキング まとめ③

ヨーロッパアルプスの山々の中でもモンブラン(Mont Blanc, 4810m)マッターホルン(Matterhorn、4478m)は日本人にもその名前は知らない人はいないというほど有名です。この世界が誇るヨーロッパの2大名峰の間をつなぐロングトレイルが「Haute route(オートルート)」です。

Haute routeもその特徴としてTMB同様ほぼ毎日峠越えがあり、毎日1500m~2000mのアップダウンの標高差があります。そのため絶景を見るポイントには事欠きません。

さて今年は「Tour du Mont Blanc (TMB: ツール・ドゥ・モンブラン)」をトレッキングで1周した後に、そのままChamonixからLe Châbleに移動し、Le ChâbleからスタートでこのHaute routeのトレッキングを楽しんでみました。なお、最終目的地はツェルマットです。

本ページでは絶景ロングトレイルの新定番「Haute route (オートルート)」のまとめその③を行います。

Haute route (オートルート)トレッキングまとめその①はこちら。

Haute route (オートルート)トレッキングまとめその②はこちら。

Haute route (オートルート)トレッキングまとめその①」では以下を紹介・解説しました。

  • Haute routeの場所
  • Haute routeの概要(Map表示)
  • Haute routeのトレッキング計画の際に
  • どちら向き歩くか
  • 一般的な行程について
  • 筆者が行った実際の行程

また「Haute route (オートルート)トレッキングまとめその②」では以下を紹介・解説しました。

  • Haute routeトレッキングの計画の立て方
  • 歩き通すならスタート地点を決めよう
  • スタート地点:筆者の場合
  • 歩き通すならキーとなる宿泊先があることを知ろう
  • 希望の宿が取れなくても他のルートがある!
  • どの山小屋に泊まってみたいか、どこからの景色を見てみたいか

今回「Haute route (オートルート)トレッキングまとめその③」ではHaute routeの環境について取り上げます。

Haute routeの環境

モンブラン(Mont Blanc, 4810m)とマッターホルン(Matterhorn、4478m)という世界に誇るこのヨーロッパの2大名峰の間をつなぐロングトレイルが「Haute route(オートルート)」とお話ししましたが、その全長は約150km超になります。

フルスクリーン表示

マップをご覧になってお分かりの通り、シャモニーはフランス国内ですが、Haute routeのほとんどのルートはスイス内南部のヴァレー / ヴァリス州 (Valais / Wallis)にあります。ちなみにフランス語で「Valais(ヴァレー)」、ドイツ語で「Wallis(ヴァリス)」です。そして州都はSion(シオン)です。

言語について

スイス内南部のヴァレー / ヴァリス州 (Valais / Wallis)において話される言語は以下になります。

  • フランス語
  • スイスドイツ語
  • ドイツ語

Haute routeのスタート、シャモニーはフランスですので、Haute routeはまずフランス語でスタートします。フランス・スイス国境のCol de Balme(バルムのコル)を越えてスイス国内に入ってもフランス語です。その後、Trient、Martigny、Champex、Orsières、Sembrancher、Le Châble、Verbierなどフランスに近いスイス国内は主にフランス語が話されています。

その後、Mont Fort、Prafleuri、Arolla、Moiryもフランス語になります。

そして、同じヴァレー / ヴァリス州 (Valais / Wallis)でも、Zinalまで歩いてくると、バスの中やロープウェイの中、ハイカーの会話でちらほらドイツ語が聞こえはじめます。

そしてZinalからMeidpass(2790m)を抜けてGrubenに下りてくると多くの人が話す言語がもうドイツ語に変わっているという感じです。

ですので、シャモニーからずっと「ボンジュール」「メルシ」で挨拶してきたのが、Meidpassを境に「ハロー」「グーテンターク」「ダンケ」「ダンケシェーン」に変わるのがハッキリわかります。

英語について

英語が母国語ではない者同士、英語をコミュニケーションの道具として皆使っています。シャモニーやLe Châble、Verbierなどの町は公共交通機関や観光関連のスタッフは英語で何の問題もなくコミュニケーション可能です。

筆者が実際Haute routeで通ってきた場所で、

フランス語が分かっておいた方が良いなと思った場所

  • Mont-Fort小屋のテラス(番号がフランス語で呼ばれる)
  • Prafleuri小屋の電話予約(英語を理解しているけれども、なぜか返答がフランス語)
  • Arollaからのポストバスで券を購入する時 (運転手がフランス語のみ)
  • (番外編)これはTMB中ですが、Orsièresの郵便局 (ことごとく口頭説明がフランス語)

フランス語については単純な単語を分かっておいた方がいいというレベルであって、話せる必要はありません。英語を聞いて理解して話すことができれば問題ありません。

飲用水について

基本的にスイス・フランスの「ホテル」と名の付くところは、建物内の水道水が飲めます。特にスイスのホテルでの水道水は美味しいと言われる部類だと思います。

筆者も宿泊するすべての施設で、チェックイン時に水道水が飲用可かどうかを確認しましたが、上記の通りでした。

そして、注意が必要なのは以下になります。

Haute route中で建物内の水道水が飲用不可なのは以下の2つ

  • Prafleuri小屋 
  • Cabane de Moiry

そして、上記2つの小屋ではどちらも1.5リットルのペットボトル入りミネラルウォーターを約8CHFで購入することができます。

Cabane de Moiryでは厳密には煮沸後は飲めるとスタッフから説明をうけましたが、筆者個人としては購入してしまったほうが簡単で便利かと思いました。

そして、各行程は大体毎日約15㎞でアップダウンが激しいですので、1リットル~2リットル(人によってはそれ以上)の水を常に携行してトレッキングすることになると思います。その分のナルゲンボトルなどの軽量丈夫なプラスティックボトル等は必須です。

ハイカーの中には軽量化で水を1リットル未満しか持っておらず、川の水を汲んで飲んでいる人もいましたが、もし川の水を飲むならば、上流に動物や家畜がいない保証がなければ浄水器があった方が安心です。

食料について

約10~15㎞おきにある山小屋でチョコレートバーやその他スナック類、ジュースなどの飲み物を購入することができて、非常用食の携行だけでトレッキングを続けることができます。山小屋はどこも昼の間、ランチレストランとしての営業をしていますので、しっかりとした食事をすることもできます。アルコールもどの山小屋も販売しています。

Le Châble以降の行程で、スーパ―マーケットがあるのは

  • Arolla (Hotel du Pigneの1階、小さなスーパー)
  • Zinal (比較的大きく、品ぞろえが良い) 

注意点としてはGrubenにはスーパーマーケットや売店がない、ということです。(Hotel Schwartzhornではスナック類の販売はされています。)

夕食・朝食について

Haute route上の山小屋に泊まる場合は夕食・朝食付きの1泊2食(Half board、Half pension)にしておくことがおススメです。もちろん、どの山小屋も素泊まりは可能です。

夕食は大体18時からスタートするケースが多く、場合にもよりますが、

  • 座る席が指定されていたCabane de Moiry、Hotel Schwartzhorn
  • 座る席が指定されていなかったCabane Mont-Fort、Cabane de Prafleuri

多くの場合、みんなが着席して(みんな早々席について食事が来るのを待っている感じです)、食事が大皿に乗ってやってきて、みんなで分けるというスタイルでした。色んな国籍の人がテーブルを囲みますが、コミュニケーションの道具として皆英語を使用しますので安心です

Hotel Schwartzhornはテーブルが指定されていて、スタッフが1品ずつ一人ひとりに料理をテーブルに持ってきてくれました。(4人が1つのテーブルにつく、もしくは6人がテーブルにつくという形式でした。)

朝食は朝の5時30分にはスタートしていることが多く、

  • 座る席が指定されていたCabane de Prafleuri
  • 座る席が指定されていなかったCabane Mont-Fort、Cabane de Moiry、Hotel Schwartzhorn

でした。朝食は宿泊客達が三々五々自由に席についてパンとオレンジジュースとコーヒーというものになります。

シャワーについて

Haute route上の山小屋のすばらしいのは、シャワーがあることです。

  • Cabane Mont-Fort(完全屋内、3分、カウンターで専用コイン購入)
  • Cabane de Prafleuri(半屋内、3分、カウンターで専用コイン購入)
  • Cabane de Moiry(完全屋内、5分、カウンターで専用コイン購入)
  • Hotel Schwartzhorn(完全屋内、無制限)

季節にもよるとは思いますが、高標高のため、夕方のCabane de Prafleuriでのシャワーが半屋内で少し寒さを感じます。しかしシャワーに入れないよりは、比べ物にならないほど良いです。

乗り物について

著作権の問題が発生しないように、マップを自作しました。画像をクリックすると大きい画像を見ることができます。スマートフォンやタブレットの場合はそのまま指でピンチアウト操作すると拡大して見ることができます。

例えばChamonix(シャモニー)からツェルマットまでのHaute route本道中に利用できる乗り物は以下になります。日数に限りがある場合は、これらを効率的に駆使してそれぞれの日程の余裕を考えつつ、歩くルートをプランニングしていくことになります。

  1. Chamonix → Argentière間:Chamonix busまたはSNCF(フランス国鉄)
  2. Le Tour → Charamillon → Les Autannes:ロープウェイ+チェアリフト(登りで利用)
  3. Champex → Orsières → Le Châble (ル・シャーブル):ポストバス+電車(セントバーナードエクスプレス)
  4. Le Châble → Verbier → La Chaux:ロープウェイ乗り継ぎ(登りで利用)
  5. Arolla → Les Haudères → La Sage:ポストバス乗り継ぎ
  6. Sorebois → Zinal:ロープウェイ(下りで利用)
  7. Zinal → Vissoie → St.Luc → Tignousa:ポストバス乗り継ぎ+ケーブルカーFuniculaire
  8. Jungen → St.Niklaus:ロープウェイ(下りで利用)
  9. St.Niklaus → Zermatt:電車(MGB)

上記以外にはシャモニーからル・シャーブルに行く電車の乗り継ぎ

Chamonix → Vellorocine → Martigny → Le Châble:SNCF+セントバーナードエクスプレス

という組み合わせもあります。筆者がシャモニーからル・シャーブルへ移動した様子はこちら。

乗り物に関してお得な情報

Chamonix busまたはSNCF

  • Chamonixエリアに宿泊すると宿泊期間中のフリーアクセスパスが宿泊施設のカウンターでもらえます。

Le Châble → Verbier → La Chaux→Mont-Fort展望台:Verbierエリアの全ロープウェイ:

  • Le Châble、Verbierエリアに宿泊すると宿泊期間中のフリーアクセスパスが宿泊施設のカウンターでもらえます。

Arollaからのポストバス

  • Prafleuri小屋に宿泊するとチェックアウト日に有効なパスをもらえます。

SoreboisからZinalへのロープウェイ

  • Cabane de Moiry(モワリー小屋)に宿泊するとチェックアウト日に有効なパスをもらえます。このパスはアニヴィエの谷にある村に関するロープウェイやPostバスで使用できます。

スイスではスイスパスやハーフパスを持って観光を楽しむ人が大半なので、各乗り物のチケットカウンターでもポストバスの運転手も親切なことにどのパスを持っているか、購入時に聞いてくれることが多いです。

これらのお得なサービスを利用してトレッキングで歩き通すのも良いアイデアだと思います。

最後に

いかがでしたか?大迫力の絶景トレイル!Haute Route (オートルート)トレッキングまとめその③。実際にHaute routeの行程を決める際のキーポイントについて取り上げました。おそらく多くのケースでどれだけの日程の余裕があるかが、ルートプランニングの鍵になってくると思います。別に通して歩く必要はありませんので、見たい場所を当サイトを参考にして決めていただくのも良いと思います。是非プランニングの段階から楽しんでみてくださいね!

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