北欧をはじめ、カナダ北部、アイスランド、グリーンランド、アラスカ、ロシア北部、北極圏に位置する土地では特に10月~4月の間夜空にはオーロラが舞っています。まさに冬の今、シーズンの真っ最中です。「今度北欧に行くんだけど、初めてのオーロラの撮影どんな服装がいいのかな」や「オーロラツアーに申し込んでカメラは買ったけどその他の装備はまだ」という人にとっての必見情報、今回は【みんなの疑問に答える?!】オーロラの撮影時はどんな服装?持ち物は?徹底解説!を北欧で5000枚超のオーロラ写真を撮影した筆者が解説します。
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上半身:基本はレイヤー(重ね着)
結構寒がりの筆者がマイナス25~マイナス30度の世界でもずっとカメラを立てて外に立っていられるためにどのようにしているかを紹介していきます。
ベースレイヤー
あったかい保温性のあるインナーが必須です。ユニクロのヒートテック極暖シリーズの上下が機能的かつコスト的にベストですが、秋冬のトレッキングに使用するアイスブレーカーのメリノウール200の上下を筆者はよく着用しています。
➤Icebreaker(アイスブレーカー)150ロングスリーブ
➤Icebreaker(アイスブレーカー)200ロングスリーブ
ミッドレイヤー1枚目
アンダーレイヤーの上に着る服です。カットソーやネルシャツや暖かい素材のロングスリーブ(ハイネックもオススメ)を着用することが多いです。
➤ARC’TERYX(アークテリクス) PROTON CREW
➤パタゴニア公式サイト メンズ・キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック
ミッドレイヤー2枚目
ミッドレイヤー1枚目の上に着る服です。ここでフリースや裏起毛のスウェット(フード付きもオススメ)が登場します。(薄めのインサレーションウェアも良いと思います。)
➤Millet(ミレー)ブリーズバリヤー トイ アルファ ダイレクト
➤HOUDINI(フーディーニ) M’s Power Houdi
➤マムート Innominata Light ML Jacket
アウター
ゴアテックス素材やそれに準ずる防水機能のある中綿入り(ここ重要!)のジャケット(少なくともお尻が隠れる丈の長さがベスト)。ポイントは空気の層を作って外の冷気を中に伝わらないようにする工夫が必要ということです。ですのでダウンにレインジャケットを重ねるという方法もあります。またミッドレイヤーをダウンにして、ダウンダウンのダブルダウンで臨むのも有効です。筆者はアウターに厳冬期はホグロフスのFloda Ⅱ Parka、厳冬期以外はホフログスのSILJAN Parkaを使用していますが未だにこれで上半身が寒いと思ったことはありません。その際のミッドレイヤーは普通のフリースです。なお、スウェーデンではホフログスは1月からセールになり日本で購入するより格段に安く(3~4割引き)各種ウェアが手に入ります。
➤↑のリンク先の中でも、同社のフローズン・レンジ・スリーインワンパーカがおススメ
下半身も基本はレイヤー(重ね着)
アンダーレイヤー
あったかい保温性のあるインナーが必須です。ユニクロのヒートテック極暖シリーズの上下が機能的にもコスト的にもベストですが、秋冬のトレッキングに使用するアイスブレーカーのメリノウール200の上下を筆者はよく着用しています。
ミッドレイヤー
アンダーレイヤーの上に着用するパンツになります。やわらかい素材でピタッとフィットしない緩めのパンツを着用します。裏地のあるナイロンパンツでもいいですし、スウェットのパンツやジャージのパンツでもOKです。
アウター
ゴアテックス素材やそれに準ずる防水機能のあるパンツ。夏のトレッキング時に使用している雨天時のレインパンツでOKです。ポイントはミッドレイヤーを挟むことによって空気の層を作って外の冷気を断熱してしまうことです。スノーボードやスキーウェアのパンツでも構いません。オーバーパンツの形式にするので、窮屈にならないようにワンサイズアップすることをお勧めします。
筆者はレインウエアとして、また厳冬期のオーロラ撮影時の最外層のアウターパンツとしてベータSLパンツを使用しています(今は商品名が変わりベータパンツに相当します。またさらに気合をいれるならベータARパンツになります)。完全防水かつサイドのフルジップが便利で、ブーツを履いたままパンツをは履けるのはもちろん、その場に座る必要もありません。
素材としては冬山登山用のシェルパンツが最も適しています。
フットウェア:底の薄い靴は厳禁
ブーツ
ずっと雪の上に立つことになります、そして雪の上をズボズボと歩き進んで行かないといけないこともあります。つまり底の薄い靴は地面の冷たさが直接足裏に伝わりますので、数分も立たないうちにその冷たさに我慢できなくなります。そしてせめてハイカットの登山靴、手に入るならばスノーブーツがベストです。もちろん靴下は厚いウールのものがベストです。
日本から履いていくブーツはこれ!
ソレルのカリブーを日本から履いていくのもアリだとは思います。しかしカリブーでは空港~飛行機内~建物内では暖かすぎ、かつかさばります。それらの点を踏まえると、ソレル バクストンなどのトレッキングシューズのような形状のスノーブーツが便利です。この形状なら普段着のパンツの裾にもおさまるため外見上も特に目立ちません。
現地でのブーツはこれ!
誰もが知るソレルのカリブーがまず、スノーブーツの鉄板モデルです。
ザクザクと現地で道なき道を多少でもラッセルする可能性があるなら以下の本気スノーブーツになります。筆者は極寒地の極寒期で長時間撮影に出る場合ソレルのグレイシャーXTを使用しています。Kamik(カミック)スノーシューズ CANUCKもおススメです。
➤ソレル グレイシャーXT
➤Kamik(カミック)スノーシューズ CANUCK
靴下
トレッキング用に使用しているソックスでもいいと思いますが、専用でウールの分厚い靴下があるとベストです。筆者は以下のソックスを使用しています。
足裏用ホッカイロ
靴下足裏に貼るタイプでもいいですし、靴の中足先に入れるタイプでもどちらでもいいです。あるとないとでは結構違います。
ヘッドウェア
ニットキャップもしくはファーと耳当ての着いた帽子
最低でもニットキャップは必須です。北欧では普段でも着用している人が多いファーと耳当ての着いた帽子、これもオススメです。ファーが凍ることがあるので好みは分かれると思います。
ヘッドライト
オーロラ撮影が可能な場所は基本的に月光がなければ真っ暗です。ヘッドライトを頭にしてカメラのセッティング、リュックの中のものを探すなどになります。電気がなければ本当に真っ暗ですので、万が一のことを考えて2個持っておくことをお勧めします。(予備の電池ももっておくことをお勧めします)
手袋、グローブ
2種類持っておいたほうがいいです。薄めのアンダーレイヤー的なものと、ミトンタイプなどのスキー・スノーボード用のグローブです。薄目の手袋の方で着用したままカメラのセッティングやスマホが触れると便利です。
あったかい飲み物
これがあるとないとでは結構違います。寒くて頭がガンガンしていても魔法瓶であったかいお茶が飲めたらホッとできます。魔法瓶が重いならばナルゲンボトルにホテルで沸騰させたお湯を入れてタオルを巻いて湯たんぽのようにしておいても良いです。
カメラの予備バッテリー
マイナス25度~マイナス30度の世界では、通常に比べるとバッテリーの減りが目に見えて速いのがわかります。タイムラプスを撮影するつもりなら最低予備バッテリー2個は必要です。
カメラの予備バッテリーを購入するなら、筆者もよく利用する品揃え豊富で値引が魅力的な以下のショップがおススメです。
モバイルバッテリー・USBコード
もはやアウトドアアクティビティでは季節問わず必須のモバイルバッテリーです。寒冷地では驚くほど速くバッテリーが減少しますから、通常複数持っていきます。最近は基本PD(Power Delivery)対応のものを使用しています。オーロラ撮影の場合は、バッテリー自体が冷たくならないように注意してザックの中に保管して、電力が必要なときは1.8mのUSBコードでカメラやスマートフォンにつないでいます。
オーロラ撮影から宿に帰ったら、絶対必要なのがバッテリー類の充電です。その際に活躍するパーツです。
また、絶対必要なのが海外用変換プラグです。最悪空港でも購入できますが出発前に購入しておきましょう。北欧・ヨーロッパなら一般的ものはCタイプです。
USBケーブルですが、宿泊先のコンセントの事情で0.9mでは短い場合も多く、トレッキングで歩きながらザックの中のポータブルバッテリーから充電する場合もあり、このような場合は1.8mぐらいがちょうど使いやすいという結論に至り、便利に使用しています。
ホッカイロ
手を温めるホッカイロも必須です。素手でカメラのボタンなどを触らないといけない場面も多くでてきます。マイナス25度~マイナス30度で10秒でも素手を出そうものなら、激痛を通り越して指の感覚はなくなってきます。こんな時にはホッカイロを上着のポケットに入れておけばすぐ指を温めることができます。
その他注意点など
・スマホをアウターのポケットに入れないようにする
アウターはマイナス25度~30度の外気と接しています。スマホをアウターのポケットに入れているとポケットの中で冷やさされて気づかないうちにバッテリーがゼロになっていることが多いです。ですので、ミッドレイヤーのポケットに入れるようにしましょう。
・冷えたカメラ・レンズをホテルの暖かい部屋に入れるときに結露させないように注意
マイナス25度~30度の外気にさらされたカメラ・レンズは指で触れないほど冷たくなっています。ホテルにそれらを持ち帰った際に起こりうるのは結露です。一回曇るとなかなか手ごわいトラブルになることもありますので、できる限り急に暖かい部屋に入る場合は注意が必要です。具体的には寒い外にいる段階でジップロックにカメラ・レンズを入れておいて、それをリュックにいれて部屋に持ち帰るという工夫等をします。そしてすぐには室内気にさらさずに冷えたリュックの中の冷えたジップロックの中で翌朝までカメラ・レンズを寝かせておきます。そして朝にカメラで昨夜とれた写真をチェック、という方法です。
一般のスーパーでは売っていない特大サイズのジップロックです。カメラを入れておく、マフラーを入れておく、なんでもできて本当に便利です。高価なものでもないので、出発前に購入してしまうことをお勧めします。
サイズは縦381㎜、横330㎜で十分な大きさがあります。
最後に
いかがでしたか?【今回はみんなの疑問に答える?!】オーロラの撮影時はどんな服装?持ち物は?徹底解説!を行いました。オーロラを見ることができる北極圏の各地は昼間も色んなアクティビティーが盛んですので、昼間はそれらも楽しんでいただくことをお勧めします。最低3晩の滞在と、もしオーロラが全く見れない時でも、アクティビティーを満喫するというのがおススメの旅行プランです。
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