アレッチ氷河は、周辺の山々とあわせて世界自然遺産に登録されています。全長24㎞、幅1.6㎞、面積171平方㎞の規模を誇り、ヨーロッパ最大かつ最長です。メンヒから続く氷河とユングフラウからのびる氷河、アレッチホルンの北側に広がる氷河の3つの氷河がコンコーディアプラッツKonkordiaplatz(氷河の厚さ約800~900m)にて合流して、大きな氷の河グロッサー・アレッチグレッチャー Grosser Aletschgletscherとなり流れており、総称してアレッチ氷河と呼ばれます。
アレッチ氷河南側(ヴァレー州側)のリーダーアルプ、ベットマーアルプ、フィッシャーアルプからは異なる氷河の美しさを存分に満喫することができます。そしてアレッチ氷河南側(ヴァレー州側)からのユングフラウの眺めは、グリンデルワルトからの眺めに比べて俗に「裏ユングフラウ」とも言われます。
本ページではフィッシャーアルプ、エッギスホルンからのアレッチ氷河・裏ユングフラウの眺めを満喫するポイント前編について取り上げます。
日本人に良く知られているグリンデルワルト→ユングフラウヨッホ、ユングフラウヨッホのスフィンクステラスからのアレッチ氷河については以下にまとめましたので是非ご覧ください。
スイスでの近・中距離移動の際の電車の乗車券購入方法について以下にまとめましたので是非ご覧ください。
アレッチ氷河の場所
アレッチ氷河はBrigエリアの北東方向に位置します。Brig駅からFiesch駅、Betten Talstation、Mörel駅までは列車で向かうことが出来ます。
- 青色のピン:Fiesch station-Eggsihorn
- 緑色のピン:Betten talstation-Bettmerhorn
- 紫色のピン:Mörel station ー Moosfluh
- 黒色のピン:アレッチ氷河
- 茶色のピン:Brig駅
アレッチ氷河を眺める場所へのアクセス
フィッシャーアルプ エリア (上のマップで右上のライン)
- Fiesch station (1049m) → Fiescheralp (2212m):ロープウェイ
- Fiescheralp (2212m) → Bergstation Eggishorn (2869m):ロープウェイ
エッギスホルンロープウェイ駅からすぐの場所にある展望台からもアレッチ氷河を眺めることができますが、そこから30分ほどの登りでエッギスホルン山頂に行っても絶景を眺めることができます。なお、Fiescheralpでのロープウェイの乗り継ぎはほとんど歩きません。
ベットマーアルプ エリア (上のマップで真ん中のライン)
- Betten Talstation (826m) → Bettmeralp (1950m):ロープウェイ
- Bettmeralp(1950m) → Bergstation Bettmerahorn (2647m):ロープウェイ
Betten Talstation(Betten鉄道駅)からならロープウェイの乗り継ぎでBergstation Bettmerhornまで行けますが、この乗り継ぎは少し歩きます。また、FiescheralpからBettmeralpまでupdownなくハイキングすることもできますので、エッギスホルンを楽しんでからハシゴすることもできます。
リーダーアルプ エリア (上のマップで左下のライン)
- Mörel station (759m) → Riederalp (1925m):ロープウェイ
- Riederalp (1925m) → Moosfluh (2333m):ロープウェイ
Mörel鉄道駅からならロープウェイの乗り継ぎでMoosfluhまで行けますが、この乗り継ぎは少し歩きます。またBergstation BettmerhornからMoosfluhまでハイキングで絶景を楽しみながら歩いて向かうこともできてオススメコースです。
Fiesch-Eggishorn(エッギスホルン)徹底解説!
例えばVisp(Brig)からの行程をまとめると以下になります。
- Visp(Brig) → Fiesch(1049m) : MGB*
- Fiesch → Fiescheralp(2212m) :ロープウェイ
- Fiesceralp → Bergstation Eggishorn(2869m):ロープウェイ
- Bergstation Eggishorn → Eggishorn頂上:トレッキング
(*MGB: Matterhorn Gotthard Bahn)
では実際の写真を交えて解説していきます。
Visp(Brig)鉄道駅→Fiesch鉄道駅
Zermattとは逆方向に進むMGBに乗車します。
時々アプト式になっている個所もある登山列車です。MGBはZermatt向きでなくても楽しい部分が多い列車の旅になります。
そろそろFiesch駅に到着です。
Fiesch鉄道駅 → Fieschロープウェイ駅
MGBのFiesch駅に到着しました。Fieschの町中心部に向かって歩いてみましょう。
鉄道駅からバスが下っていくように同じ車道を歩いて下っていきます。
駅からの坂を下っていくと向こうのほうに教会が見えてきます。
下りきると交差点と橋があります。ここを渡ってまっすぐ教会の方向へ進みます。
そのまま進んでいると次第に登り坂になります。右手にintersportを見ながら進んでいきます。左手にはHotel Kristallが見えています。当時はHotel Kristallでしたが、その後改装されて名前も変わっているようです(Hotel Lodge Inn)。
Fieschの宿探しはこちら |
Booking.com (Fieschエリア) |
Hotel Kristallを過ぎたらそのまままっすぐ進んですこし下る感じになります。
右てに見えてきた建物がロープウェイの乗り場です。行ってみましょう。
建物の中に入ってみます。
Fieschロープウェイ駅 → Fieschalp
チケットカウンターで「人数」「片道もしくは往復」を伝えてロープウェイ料金を支払います。クレジットカードに対応しています。
参考:Fiesch-Eggishorn往復 41CHF
出発時間の10分前ぐらいまで改札は赤ランプで通過することができません。
改札を済ませるとすぐそこがロープウェイです。
これから登っていく先は標高が結構高くなりますので、下からは見えません。
定刻になりロープウェイが徐々に高度を上げ始めました。
秋の平日でしたがロープウェイ内はハイキング客で満員です。
Fiesch(1049m)を出発してまもなくFieschalp(2212m)に到着しました。
Fieschalp → Bergstation Eggishorn
Fieschalpも素敵なシャレーが並んでいて晴れているうちに散策したいのですが、今日は先にエッギスホルンに向かいます。
Bergstation Eggishornに向かうロープウェイはこの階段を上った先に乗り場があります。
Fieschからのロープウェイの半分の大きさのロープウェイになりますので、満員になる前に乗ってしまいましょう。
多くのハイキング客が外の景色をみて感嘆の声を時々あげています。
Bergstation Eggishornに到着しました。建物の中を歩いて出口に向かいます。
Bergstation Eggishornー展望台、エッギスホルン山頂へ
ロープウェイ駅の建物の端を歩いてまずは展望台に向かうことにします。
ロープウェイ駅から展望台までは板が敷かれていて歩きやすくなっています。
左手向こうにアレッチ氷河がみえてきました。さらに遠くメンヒが見えてきました。
左下をのぞいてみると迫力のスケールのアレッチ氷河が見えてきています。自然と足取りが速くなります。
アレッチ氷河を見に展望台に下りたい気持ちを抑えて、右に見えてきた山小屋(レストラン)を眺めます。
天気がよければこのレストランのテラスからの眺めは素晴らしいものになるに違いありません。
下に展望台が近く見えてきました。行ってみましょう。
この展望台から見える絶景です。アレッチ氷河がグルリとカーブして行くのが体感できる眺めです。
アレッチ氷河の源流方向を見てみると、左にユングフラウ、真ん中にユングフラウヨッホ、右にメンヒ、さらに右にアイガーという、まさにグリンデルワルドから見る光景の裏返しの山々の絶景が見えています。
氷河の厚さは800m、1年に約200m進むといわれるアレッチ氷河、壮大な光景に感動です。裏ユングフラウも見れて最高です。
リクエストにお応えして、山々の名前を載せました。ご参考にしていただければと思います。
さてロープウェイ駅付近の展望台で絶景を楽しんだ後はエッギスホルン山頂に向かって少しトレッキングを楽しんでみることとします。
次のレポートに続く!
最後に
いかがでしたか?スイス 通はここを選ぶ!世界遺産アレッチ氷河と裏ユングフラウを眺めるハイキング!①。本ページではフィッシャーアルプ、エッギスホルンからのアレッチ氷河の眺めを満喫するポイントについて取り上げました。フランスのシャモニー、イタリアのクールマイユール、スイスのツェルマット、グリンデルワルド等がヨーロッパアルプスの山岳リゾートとして有名ですが、シーズン中は観光客が混みあうそれらのエリアに比べて、そこまで混みあうこともなく、ゆっくりと大自然を十分に楽しむことができるこのエリアも筆者のイチ押しの場所です。さらにアレッチ氷河だけでなく晴れていたらヴァイスホルン・マッターホルンも眺めることができます。是非このエリアで絶景を楽しんでみてくださいね!
Brigは、Zermattエリアだけでなく、壮大なアレッチ氷河や裏ユングフラウの眺めを楽しむエッギスホルンやベットマーホルン方面、さらに270度氷河に囲まれ4000m超の名峰を多く眺めることができるサースフェー方面にも簡単にアクセスできるため、宿泊にもおススメです。Brigについては以下にまとめていますので是非ご覧ください。
コメント
詳細な案内と綺麗な写真に感服しました。小生、妻とともに2019年6月末にシャモニー、サースフェーをトレッキングする予定です。まさにシャモニーからサースフェーへの移動日にこのアレッチ氷河を見に行こうかと思っていたところです。
ご存知なら教えてください。鉄道駅のFIESCHまたはロープウェイ駅にはスーツケースが入るコインロッカーはありますでしょうか?または駅に預けられるのでしょうか?預けられるのならば是非行って見たいと思っています。
よろしくお願いします。
コメントありがとうござます。6月のシャモニー・サースフェー!とても素敵です!その中でもエッギスホルンに立ち寄られる計画も立てておられるということで、本当に絶景の素敵な旅になることを祈っております。サースフェーは私もスイスの中でお気にいりの場所の一つです。
さて、ロッカーの件ですが、まず以下のアドレスでスイス国鉄(SBB CFF FFS)のページで情報がございます。
https://www.sbb.ch/en/station-services/services/lockers/lockers/more-lockers.html
Chamonix(シャモニー)→Martigny(マルティニー)→Visp→Brig →Fiesch という経路でFiesch駅に行かれるならば上記のロッカーのある駅の中で、Visp駅もしくはBrig駅のロッカーは使用候補に入るかと思います。サースフェーに行くバスがBrig発Visp経由のものや、Visp発のものがありますので、Visp、Brigどちらの駅も便利ではあると思います。
Brig駅の情報は以下のアドレスになります。
https://www.sbb.ch/en/station-services/railway-stations/brig-station.html
さらに、Visp駅の情報は以下のアドレスになります。
https://www.sbb.ch/en/station-services/railway-stations/visp-station.html
どちらの駅もわかりやすい場所にロッカーはあります。あとは大きさと空いているかですね。ロッカーではなく駅での個別預かりに関しては不明ですが、トラベルセンターのスタッフは常に丁寧で親切ですので何か手助けやアドバイスをしてくれるかもしれません。
また拙ウェブサイトでもBrigやVispについても多少ご紹介しておりますので、参考になりましたら幸いです。
・「ツェルマット?ベットマーアルプ?天気で行先を変える上級技!Brigで観光・宿泊!」
https://enjoytravelingsolo.com/swiss-brig
・【みんなの疑問に答えるコーナー?!】Visp駅から見える山は何て名前?徹底解説!」
https://enjoytravelingsolo.com/swiss-visp-station
さらにスイス国鉄ではロッカーに適さない荷物の預かりサービスについても情報提供がされています。
https://www.sbb.ch/en/station-services/services/lockers/store-your-luggage-at-the-SBB-travel-centre.html
この中にFiesch駅がありますので、おそらくロッカーはありませんが、駅での預かりサービスは可能のようです(時に情報が変わることがありますので最新情報は事前にチェックが必要です)。注意すべくはサービスの提供時間です。ヨーロッパ特有のお昼休み時間がありますので (→Mon–Sun 07:45 – 11:10 13:40 – 18:00)、乗車されるMGB列車の時刻との兼ね合いでサービス再開までの待ち時間の無駄が多いなどの場合は、VispやBrig駅のロッカーの方が便利かもしれません。
この度はコメントをいただきありがとうございました。
何かありましたらまたお気軽にお問合せ下さい。この度はロッカーのサイズまで詳細にお答えすることができず恐縮です。
今後ともよろしくお願いいたします。
Enjoytravelingsolo