オーロラ撮影・トレッキングで素敵な写真を撮るためには、三脚・雲台ともにある程度の品質が要求されその分高価になります。さらに頑丈でもサイズが大きいと使い勝手が悪くなります。最近、筆者が使用する機会が増えているLeofoto(レオフォト)の雲台LH-40を取り上げて、その質・値段・使い勝手のバランスの良さをレポートします。
2021年2月よりLeofoto(レオフォト)から「Mr.Qシリーズ」(LQシリーズ)が堂々登場!です。取り外し可能な可動式センターポールがあり携行性と汎用性を併せもつ新シリーズでLeofotoの勢いは止まりません!詳しくはこちら。
Leofoto(レオフォト)について
Leofoto(レオフォト)は2014年に中国広東省の中山市に設立された比較的新しい会社です。それ以前はOEM元として他社の三脚の製造を手がけていたようです。2018年3月から日本でも正規代理店(株式会社ワイドトレード)を通しての購入ができるようになり、以後値段と質のバランスから支持されてきています。
なかなか良いぞ!Leofoto(レオフォト)の雲台 LH-40
Really right stuff(RRS)のBH-55は頑丈で固定力も申し分なく素晴らしい雲台なのですが、オーロラ撮影やトレッキングで持ち運ぶとなるとサイズが大きいことがデメリットになってきます。
(BH-55と合わせる三脚もおのずと大きいものになりGitzoならシステマティック3型以上が見た目にもバランスが良くなりますが、長距離の持ち歩きには重いことと、システマティック三脚の独特の大きさにより持ち歩きが楽ではないということが問題です。)
左がLeofotoのLH-40、中央がRRSのBH-40、右がRRSのBH-55です。
それぞれのスペックは以下の通りになります。
LH-40 | BH-40 | BH-55 | |
ベース径 | 57mm | 53mm | 72mm |
高さ | 80mm | 78mm | 93mm |
重量 | 540g | 407g | 859g |
耐荷重 | 20kg | 8.1kg | 23kg |
ミラーレスで組む一般的なシステムでは耐荷重はどれも問題ありません。
BH-55はベース径も高さも重さも他の2つに比べかなり大きいことがわかります。
そこで持ち歩きの三脚に取り付ける雲台のサイズを1サイズ小さくしてみようと今回考えました。
候補としてはまず「RRSのBH-40」を考えてみました。ここで「LeofotoのLH-40」が対抗馬としてでてきます。
今回は上記の2つ、「RRSのBH-40」と「LeofotoのLH-40」を比較しながら、「なかなか良いぞ!LH-40」をレポートしていきます。
Leofoto LH-40!
今回取り上げるLeofoto(レオフォト)のLH-40はBH-55に比べると小さく、一般に「ミッドサイズ雲台」と言われるサイズの雲台になります。Leofoto三脚とセット売りでなく雲台単品で購入すると上の写真のように雲台ポーチが付属してきます。
なかなか良いぞ!LH-40! ①ノブが良い!
ノブの長さはBH-40が43mm、LH-40が28mmです。適度に短い方がクランプが操作しやすく、クランプを倒しこんでもノブが三脚の雲台取り付け部に当たりにくくなります。またコンパクトな収納に寄与するため、持ち歩きの際に各所に引っかかることが少なくなります。
(RRS雲台にはRRSのレバークランプを取り付けることもできますのでその際はクランプからのはみだしが少なくノブ式に比べると多少コンパクトになります。筆者は個人的な好みでノブ式を通常使用していますので今回はノブ式での両者比較を行っています)
なかなか良いぞ!LH-40! ②クランプが良い! (但し、個体差があるかもしれず注意)
写真ではRRS BH-40(左)にノブ式クランプ(60mm幅)を装着しています。なお、LH-40には標準で50mm幅のクランプが付属しています。ミラーレスでの一般的なシステムでは50mm幅あれば事足ります。筆者は寒冷地での手袋使用下で三脚・雲台を使用することが多く、確実に締めた感覚がわかりやすいノブ式を普段使用しています。
左がRRSのBH-40、右がLeofotoのLH-40です。クランプノブに白い三角形の目印シールを張ってみました。いまからクランプノブを180度回した際にどれくらいクランプが開くかを検証します。
上の写真は、クランプ完全閉鎖状態からノブを180度回した状態です。
さあ、この状態でクランプはどれくらい開いたのでしょうか?
下の写真で見比べてみます。
左がRRSのBH-40で、右がLeofotoのLH-40です。同じ180度のノブの回転でもLeofotoのLH-40の方がクランプが開いているのがわかります。
拡大するとRRSのBH-40はノブ180度の回転でクランプは上の写真に示す程度の開き具合です。
拡大するとLeofotoのLH-40はノブ180度の回転でクランプは上の写真に示す程度まで開いています。
なお、ノブを360度回した際のRRSのBH-40では上の写真のようなクランプ開放具合です。
一方クランプを360度回した際のLeofotoのLH-40では上の写真のようなクランプの開放具合となりRRSのBH-40の時と結構開放具合が異なります。
少ないノブの回転でクランプの開け閉めが可能になるとスピーディなカメラの付け替えが可能になり夜間や寒冷地での撮影時など時間短縮が図れて便利です。
<注意>
LH-40 の良いところを列挙している本レポートですが、実は不安点がないとはいえません。というのも筆者が所持しているもう一つのLH-40は上で取り上げたほどのクランプの速い開き具合ではないからです。
その点について以下に詳しくレポートします。
不安(疑問)点! 製品の個体差があるぞ!? or これは仕様変更!?
工業製品として個体差があるのは仕方ないのですが、LH-40を2個持っている筆者の場合、その2個の雲台に差があることを実感しています。どの部分に個体差を感じるかというと「クランプの開き具合」です。
左は単品で購入したLH-40、右はLS-325Cと標準セットになっていたLH-40です。
クランプノブの色が左の方が少し濃いですね。もちろんこれは操作性に何も問題ありません。
クランプノブを180度回してみた時の開き具合の比較
左が単品で購入したLH-40、右がLS-325Cに付属していたLH-40です。いまからクランプノブを回してみます。その前に回転がわかりやすいように白い三角のシールを張っておきました。
左右それぞれのクランプノブを完全閉鎖状態から180度回してみました 。どれくらいクランプが開いたか見てみましょう。
左の単品で購入したLH-40のクランプの開き具合に比べて、右のLS-325Cに付属していたLH-40のクランプの開きが大きいことがわかります。
左のLH-40のクランプの開き具合をアップしてみるとこのような感じです。1mm空いているかどうかのレベルです。
右のLH-40のクランプの開き具合をアップしてみると、明らかに左のLH-40よりクランプが開いていることがわかります。
クランプノブを360度回してみた時の開き具合の比較
クランプノブに貼った三角シールが360度回ってもとの0時方向になりました。
360度回すと明らかに右のクランプの方が大きく開いていることがわかります。
左のLH-40の開き具合のアップです。クランプノブを180度回したときと360度回した時でそんなにクランプの開き具合が変わりません。
右のLH-40のクランプの開き具合です。クランプノブを360度回すともうかなりクランプは開いています。
以上をまとめると、
・筆者が単品で購入したLH-40
→クランプが開くスピードは普通(決して遅くはない、RRSのBH-40より少し速い)
・筆者がLS-325C購入にセットで付属のLH-40
→クランプが開くスピードが速い
少ないクランプノブの回転でクランプがクイックに開いてくれることでカメラの脱着が容易になります。特に寒い場所での作業では非常に助かります。
今回のレポートの件がLH-40の製品としての個体差なのか、経時的に仕様変更となったのかは不明です。購入された他の方々はどのような感じでしょうか、気になるところではあります。
クランプの開くスピードが速いに越したことはありません。しかしクランプの開くスピードが普通であることは撮影自体に問題になりませんので、製品自体の良・不良を決めるものではなさそうです。
なかなか良いぞ!LH-40! ③固定力に不安なし!
左がRRSのBH-40、右がLeofotoのLH-40です。(ノブに貼ってある白い三角形のシールは筆者が張ったものです)。
雲台のパンノブ、ボールのフリクションコントロールノブはどちらにも備わっており、どちらも固定力は問題ありません。
寒冷地でのグローブ着用時にどちらの雲台がこれらのノブを操作しやすいかというとLeofotoのLH-40の方が操作しやすいと感じます。互いのノブ間が若干広いことと、ノブ自体がやや長いために指でつかみやすいことが寄与していると感じます。
雲台ボール固定ノブはRRSのBH-40(左)はレバーのような形状、LeofotoのLH-40はBH-55と同様の円筒状のノブになります。筆者個人的には円筒状のノブの方が操作がしやすいと感じています。
なかなか良いぞ?!LH-40! ④質感が良いぞ!んっ!?RRSの雲台とデザインが似てるぞ?!
誰もが気づくことですが、やっぱり似てますよね
LeofotoのLH-40はノブや雲台の切込みに関してはRRSのBH-55と同じ形状で、サイズを小さく、その分標準で付属するクランプサイズも雲台に合わせて小さくしたような印象の雲台になります。(上の写真ではBH-55にKIRKのクランプ(66mm幅)を装着しています。)
LeofotoのLH-40はRRSのBH-40に比べるとベース径が4mm程度大きくなります。その分BH-40に比べるとわずかに全体的に大きく、ボリュームもあります。ボール固定ノブの形状は異なるものの、ベース底面の作りはよく似ています。三脚取付ネジはUNC3/8″-16で、Leofoto雲台はもちろん、Gitzoの雲台など特に問題なく取り付けできます。
ボールの質感をはじめボディーの金属部分においてもLeofotoの雲台はRRSの雲台と比べて劣っていない印象です。
なかなか良いぞ!LH-40! ⑤それでいてRRSのBH-40より安い!
RRSのBH-40はRRSの公式サイトからの海外通販で購入すると本体は380USドル(約41600円)、アメリカの大手通販B&Hでも同額になります。どちらで購入しても海外通販ならばさらに送料+その他諸経費で+30~50ドル(+3300円~5500円)程度となります。
日本国内の正規代理店(銀一)を通して購入すると70400円(銀一ウエブショップ、ヨドバシ等)となっています。
一方、LeofotoのLH-40ですが、実際の販売価格29000~30000円(税込、2019年12月末現在)となっています。
Leofoto製品をどこで買う?
Leofoto製品の日本国内の正規代理店は「株式会社ワイドトレード」です。
→株式会社ワイドトレードのLeofoto製品販売ページはこちら
→ワイドトレードLeofoto製品販売ページでのLH-40の最新価格を見てみる
LH-40の最新価格情報
ワイドトレード社の販売サイトでも購入ができますが、以下のメジャーなカメラ用品ネット通販サイトでも購入が可能です。
最後に
オーロラ撮影・トレッキングで素敵な写真を撮るためには、三脚・雲台ともにある程度の品質が要求されその分高価になります。さらに頑丈でもサイズが大きいと使い勝手が悪くなります。最近、筆者が使用する機会が増えているLeofoto(レオフォト)の雲台LH-40を取り上げて、その質・値段・使い勝手のバランスの良さをレポートしました。ただ個体差なのか、仕様変更なのか疑問点もまだありますので、今後の他の方々のレビュー等も参考にしたいと思います。皆さんの外に持ち出す雲台選びの一助になれば幸いです。
Leofoto三脚の質・価格・使い勝手のバランスの良さを以下でレポートしていますので是非ご覧ください。
2021年2月よりLeofoto(レオフォト)から「Mr.Qシリーズ」(LQシリーズ)が堂々登場!です。取り外し可能な可動式センターポールがあり携行性と汎用性を併せもつ新シリーズでLeofotoの勢いは止まりません!詳しくはこちら。
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