ノルウェーの北東部、超北東部に位置するロシアとの国境がある街、キルケネス。このノルウェーで最も北部のFinmarkエリアは天気さえよければ高確率でオーロラを観察できる場所です。キルケネスは「スノーホテル」や「King Crab Safari」などアクティビティが豊富にあり大自然が体験できる素晴らしい場所ですが、そこまで観光客は多くありません。お待たせしました、今回は、このこじんまりと雰囲気のよい感じでまとまったキルケネスの一大アクティビティ「King Crab Safari (キングクラブサファリ)」を体験してきましたので実際の写真とともにレポートします。
キルケネスへのアクセスについては以下にまとめていますので是非ご覧ください。
なお、キルケネスでの「オーロラ撮影レポート」・「スノーホテル」を以下にまとめていますので是非こちらもご覧ください。
キルケネスの観光・ホテル・スーパーの場所については以下にまとめていますので是非ご覧ください。
King Crab(キングクラブ)とは何ぞや?
そうですKing Crab(キングクラブ)とは日本語名でいう「タラバガニ」の事です。
なんとここキルケネスで採れたての新鮮なKing Crab(キングクラブ・タラバガニ)をお腹一杯食べることができるのです!
これには歴史的背景がありました。
キルケネスで豊富にタラバガニを食べることができるようになったのにはそんなに古い話ではありません。
1960年代の旧ソビエト連邦が抱えていた食糧難の問題を解決するために、ロシア カムチャッカ半島付近でたくさん撮れていたタラバガニ(日本でもおなじみのロシア産のカニですね)を研究者がムルマンスクの沿岸に放流したことが事の始まりです。(ムルマンスクはロシアの一番西の端、ラップランドでもあり、内陸部ではフィンランドと、沿岸部ではノルウェーキルケネスと国境で接しています。)
元来ムルマンスク沿岸にはタラバガニがおらず、タラバガニを捕食する動物もいなかったため、放流されたタラバガニが次第に増殖しました。そして海中を歩いてキルケネスの沿岸にも到着しました。
King Crab(キングクラブ)と言われる通り、足を広げると1.5m以上になることもあり1体で8~10㎏にもなることがあるとのことです。冬が特にシーズンというわけではなく夏でもカニ漁ができるためキルケネスでは通年で大人気のアクティビティとなっています。
ノルウェーの極北でタラバガニを食らう!
キルケネスでKing Crab Safari(キングクラブサファリ)を催行している会社はいくつかあります。その中でも
・BARENTS SAFARI 社
・SNOWHOTEL
が開催するものが代表的です。そしてそれぞれ少し違いがあります。
キルケネスのアクティビティをまとめて紹介し、予約も可能なサイトがこちらです。このサイトからBARENTS SAFARI社のツアーやSNOWHOTELの開催するツアーの予約が可能です。
なお、SNOWHOTELの開催するツアーに関してはSNOWHOTELのウェブサイトからも予約可能です。
Pasvikturist ASはキルケネスの街中心部に事務所を構えキルケネスの旅行活動全般をまとめて紹介、予約取り次ぎをしている旅行会社です。こじんまりした街なのでこうやって一つのウェブサイトでほぼすべてが網羅されていると旅行者に優しいですね。
今回参加したのはこちら
Pasvikturist ASのウェブサイトからKirkenes Activities > King Crab Safariのセクションを見てみると、以下のオプションがあります。
・King Crab Safari (SNOWHOTEL主催、10人乗りのソリに乗ってスノーモービルで引っ張ってもらうツア―、昼の部と夜の部があります)
・King Crab Safari (Barents Safari主催、自分でスノーモービルを運転できるツアー、昼の部のみ)
・King Crab Safari + オーロラ観察 + スノーモービル ツアー (夜の部のみ)
・King Crab Safari + ボートで行くツアー (昼の部のみ)
・King Crab Safari + ロシア国境見学ツアー (夜の部のみ)
今回はその中で「自分でスノーモービルを運転できるKing Crab Safari」を選びました。
参加申し込み前に
メールで店舗に直接問い合わせ
メールの返事はとても迅速でした。
これ以外に他のアクティビティの空き状況も聞いてみましたが、とても迅速で丁寧な返事でした。なお、予約はウェブサイトの予約フォームを通して行います。
いざ雪原へ
まるで宇宙服のようなツナギを、着ている防寒着の上からさらに着ることで防寒対策を確実にします。皆がヘルメットを被って準備ができたらスタッフからスノーモービルの運転方法について説明があります。
右にアクセルレバー、左にブレーキレバー(ほとんど使いません)、エンジンスタート(キル)ボタン、グリップヒーターの使い方のレクチャーを受けます。
車間距離、駐車の仕方、右方優先等のレクチャーを受けます。
一通りのレクチャーを受けたら個々のスノーモービルに乗り込みます。エンジンスタートボタンを押すと4気筒エンジンが始動します。なんとも心地良いサウンドと振動です。アイドリングの時点でもう胸は高鳴っています。
フィヨルドの凍った海面をスノーモービルで走ること20分程で、生きたタラバガニを観察するポイントに到着します。ガイドが網を引き揚げると数匹のカニが網の中で動いていました。この後、ツアー参加者が生きたカニを持って記念撮影タイムです。このフィヨルドの近くに鉱山があり水質汚染に関して不安があるため、このカニは食用にはしないとのこでした。なお、我々が食べる予定のタラバガニは外海の新鮮なものになります。
この後1時間ほどスノーモービルで凍った海面をみんなで爆走です。個人的には時速60㎞が恐怖心との限界ですが、ツアー参加者の中にはそれ以上の速さでぶっ飛ばす人もいました。
爆走が終われば、今回のメインイベント、タラバガニの食べ放題です!
さあ、お待ちかねのカニ食べ放題です
スノーモービルでの海面爆走を終えて宇宙服のような防寒服とヘルメットを片付けたら、今回のメインイベント、タラバガニの食べ放題です。更衣室を出たら近くのLavvu (ラブ―;サーミ式のテント) に移動します。
Lavvuの中では火も起こされ、椅子にはトナカイの毛皮、醤油にマヨネーズとすべて用意されていました。
ガイドからタラバガニの食べ方について解説があります。なお、このガイドの祖父に当たる人が1960年代にカニ漁をキルケネスで始めて、今の代までずっと続けているとのことでした。
茹で上がった一匹がドンッと各人のテーブルに置かれます。
ガイドが豪快に現地風の食べ方を目の前で見せてくれます。
ハサミを使って上面と下面に直線上に切り込みを入れ、
パックリと綺麗に割ると、もう幸せの瞬間の準備完了です。
後は豪快に食べつくします!
今回は日本人3人で参加しましたが日本人だけが黙々とカニを食べ続け、気づくと一人当たり10本以上はタラバガニの足を食べていました。終始、塩味が効いていたため醤油もマヨネーズも全く必要ありませんでした。
特に時間にせかされることなく、満腹になったところでツアーは終了です。ホテルを13時に出発して、ホテルにちょうど16時に帰ってきました。
最後に
いかがでしたか?ノルウェーの北東部、超北東部に位置するロシアとの国境がある街、キルケネスの一大アクティビティ「King Crab Safari (キングクラブサファリ)」。タラバガニがこの地にやってきた歴史背景もあり、それを観光に結び付けた現地の人々の逞しさも感じることができます。新鮮なタラバガニをこの世界の最北の果てで食べるのは、日本で食べるのとはまた違った風情があります。このKing Crab Safari があるからこそキルケネスをお勧めするといっても過言ではないぐらい、楽しいアクティビティです。オーロラが高確率に見えるフィンマルクエリアでもあり、是非このようなアクティビティを楽しみにキルケネスを訪れてみてくださいね。
コメント