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Leofoto LS or LX? 旅行・登山に持って行くならどっちが扱いやすい?!

旅行や登山に持って行く三脚を検討する際、必ず選択肢に挙がるのが脚を180度回転させて使用するタイプのトラベラー三脚とスタンダードなタイプの三脚。今回はレオフォトのトラベラー三脚のアーバンシリーズ(LXシリーズ)と同社のスタンダードなレンジャーシリーズ(LSシリーズ)を取り上げてサイズ・使用感の比較をレポートします。

実際、旅行・登山に持って行くならサイズに限りがある。

三脚はその期待される性質上、しっかりと頑丈な作りで揺れないということが大事ですが、実際旅行や登山に持って行くとなると「脚が太すぎる」、「折りたたんでも長すぎる」、「重すぎる」はNGです。そして実際現場では、三脚を使いたいときにサッと取り出し、サッと組み立てることができることが重要になります。

筆者も旅や登山に三脚を携えること数年、いろんな三脚を試してきました。そして旅行や登山に持って行く三脚は以下のような性格に集約することがわかりました。

  • 最大脚径が25㎜までのサイズで、4段がベスト。
  • 5段でもいいが、5段よりも4段の方が組み立てや収納が早く扱いやすい。
  • 最小脚径が12~13mm程度あると結構安定感がある。
  • 雲台込みで1.5㎏未満が持ち運びしやすい。アルミでも良いが、軽さと丈夫さの兼ね合いからカーボンが好ましい。
  • 全伸長は110cm以上欲しい(腰が痛くない程度のしゃがみで済む)
  • レバーロック式かナットロック式かは好みの問題で、どちらでも構わない。

「旅行=トラベラー三脚」が最適解なのか?

収納や使用時に脚を180度回転させて使用する三脚が一般的に「トラベラー三脚」と言われます。雲台装着のままで脚を180度回転させて折りたたむことで収納長がコンパクトなることがメリットです。

旅行や登山に持って行くにはコンパクトであることが重要ですが、この「コンパクト」さがどのようにコンパクトなのかが三脚選びの際に鍵になってきます。状況と場合によって扱いやすい「コンパクト」さが変わってきます。ポイントを示すと以下になります。

  • トラベラー三脚は収納長はとてもコンパクトだが、収納径(ホールディング径と言った方が良いかもしれません)が結構ボリュームがある。
  • センターポールがある三脚(例.Gitzoのマウンテニアシリーズなど)がトラベラー三脚に比べ収納径(ホールディング径)がスリムになるが、それでもまだボリュームがある。
  • センターポールを省くことで非常にスリムなLeofotoのレンジャーシリーズ(LSシリーズ)が収納径(ホールディング径)がスリムで持ち運びがしやすい。(但し、収納長はトラベラー三脚より長くなる)

収納感が「コンパクトで太い」がいいか「長いけどスリム」がいいか

収納径(ホールディング径)のボリューム感は「嵩張り」につながるため、持ち運びを考える際重視しなければならないポイントです。そこで本レポートではカタログには記載されることのない「収納径(ホールディング径)」についての解説を重点的に行います。

今回は最小脚径13mmで伸長が約110cm、三脚+雲台で1㎏前後の三脚に絞って、旅行・登山に持って行く三脚を検討します。

そこで、最有力候補、Leofotoのトラベラー三脚「アーバンシリーズ(LXシリーズ)」の以下

と、さらに上で挙げたスリムな「レンジャーシリーズ(LSシリーズ)」の以下

を取り上げて説明・比較します。

ちなみに伸長(センターポールなし)/全伸長(センターポールMAX伸ばしを含む)/収納長/重量は以下の通りです。

  • LX-224CT+XB-32Q:110㎝ / 130㎝ / 37㎝ / 1120g
  • LX-255CT+XB-32:121.5㎝ / 139㎝ / 35.5㎝ / 1330g
  • LS‐224C+LH-25:116.5㎝ / 148.5㎝ / 47.5㎝ / 900g
  • LS-254C+LH-30:128.5㎝ / 160.5㎝ / 52㎝ / 1240g

なお、各三脚の一般的な性能・仕様比較表に関しては以下のメーカーサイトをご覧ください

撮影機材専門店ワイドトレードの販売サイト

LX‐224CT(三脚)+XB-32Q(セット雲台)

まず、LX-224CTです。まさに脚が180度回転する「トラベラー三脚」で、雲台を装着したままで収納長370mmと非常にコンパクトになります。

中央にセンターポール用のスペースがあり、収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が約83.5㎜の正三角形となります。

脚末端側の収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が98.2㎜の正三角形となります。

上2つの写真のデータからもお分かりの通り、脚の先に向かって少し収納径が大きくなるような収納サイズ感になります。

付属の三脚バッグはLX-224CTがジャストフィットするサイズのものになります。

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LX‐255CT(三脚)+XB-32(セット雲台)

次にLX‐255CTです。これもまさに脚が180度回転する「トラベラー三脚」で、雲台を装着したままで収納長355mmと非常にコンパクトになります。

中央にセンターポール用のスペースがあり、収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が約91.5㎜の正三角形となります。LX255はLX224に比べ最大脚径が25mmと太いため、このサイズ感が大きくなります。

脚末端側の収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が101.5㎜の正三角形となります。これも上と同様LX224よりもサイズ感は大きくなります。

上2つの写真のデータからもお分かりの通り、脚の先に向かって少し収納径が大きくなるような収納サイズ感になります。

付属のバッグはLX-255CTに対して結構余裕のある感じでフィットする大きさのものになります。(ちなみにLX-224CTに付属のバッグでもなんとかギリギリLX-255CTを収納することができます。)

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LS‐224C(三脚)+LH-25(雲台)

LS-224Cです。LSシリーズ(レンジャーシリーズ)はそのまま開脚させて使用するスタンダードなタイプの三脚になります。雲台を装着したままで収納長475mmになります。

センターポールを省くことでスリムになっています。収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が約65㎜の正三角形となります。

LXシリーズと異なり、全収納長に渡ってフォールディング径のサイズ感はスリムなままです。

付属の三脚バッグはLS-224Cがジャストフィットするサイズのものになり、三脚と同じくスリムな印象です。

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LS‐254C(三脚)+LH-30(雲台)

LS-254Cです。LSシリーズ(レンジャーシリーズ)はそのまま開脚させて使用するスタンダードなタイプの三脚になります。雲台を装着したままで収納長520mmになります。

センターポールを省くことでスリムになっています。収納径のサイズ感に関しては上の写真の通り、1辺が約71㎜の正三角形となります。

LXシリーズと異なり、全収納長に渡ってフォールディング径のサイズ感はスリムなままです。

付属の三脚バッグはLS-254Cがジャストフィットするサイズのものになり、三脚と同じくスリムな印象です。LS-254Cは224Cに比べ脚径が大きくフォールディング径のサイズ感も若干大きくなりますので、LS-224Cのバッグより一回り大きくなります。

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LX‐224CTとLS-224Cの比較

上がLX‐224CT、下がLS‐224Cです。どちらも雲台込みを条件にしています。LX-224CT:収納長がコンパクト、フォールディング径はややボリュームあり、LS-224C:収納長は長くなり、フォールディング径はスリムという様子です。

脚先側からみるとフォールディング径の違いが比較しやすいかもしれません。左がLS-224Cで、右がLX-224CTです。トラベラー三脚としてこのサイズ感に抑えられていることは、LX-224CTはやはり総合的にコンパクトという評価ができると思います。

LX-255CTとLS254の比較

上がLX‐255CT、下がLS‐254Cです。どちらも雲台込みを条件にしています。LX-255CT:収納長がコンパクト、フォールディング径はボリュームあり、LS-254C:収納長は長くなり、フォールディング径はスリムという様子です。

脚先側から見た比較です。左がLS-254Cで、右がLX-255CTです。最大脚径が22mmから25mmになっただけで全体的にボリュームが大きくなる感じです。

レオフォトLXシリーズ(アーバンシリーズ)の強みって何?

  • 雲台を装着した状態での収納長が非常にコンパクト(LX-224C:37㎝、LX-255C:35.5㎝)
  • センターポールが常に搭載されており、伸縮させるだけですぐに高さの微調整ができる。
  • 逆さ撮りポジションで脚をそんなに広げなくても地面スレスレの撮影ができる。
  • キットで付属する雲台が結構良い(XB-32、XB-32Q)

センターポールが常に搭載されており、伸縮させるだけですぐに高さの微調整ができる。

搭載されたセンターポールは、LX-224CTは193㎜、LX‐255CTは175㎜の幅で伸縮調整可能です。三脚脚の前方に手すりやフェンスなどの障害物がある時、三脚の脚の調整をせずにセンターポールの高さ調整だけで対処することができれば非常に便利です。

逆さ撮りポジションで脚をそんなに広げなくても地面スレスレの撮影ができる。

LXシリーズ(アーバンシリーズ)の特徴として、逆さ撮りポジションで脚をそんなに広げなくても地面スレスレの撮影ができるという点があります。たしかに、このポジションはLSシリーズ(レンジャーシリーズ)ではできません。LSシリーズでローポジション撮影を行うときは脚を最大開脚させる必要がありますので、三脚の占有面積がかなり大きくなります。

キットで付属する雲台が結構良い(XB-32、XB-32Q)

XB-32、XB-32Qどちらも雲台は同じで、クランプが異なります。XB-32Qがさらにコンパクトなクランプになります。スリムでコンパクトな雲台ですが、パンニングロックやテンションコントロールを搭載しています。両者とも把持力は問題なく使用感も特に差はありません。スリム化された雲台のおかげで脚を回転させて束ねた収納時に、全体が嵩張ることなく収まっています。外観も触感も高品質な雲台で単品で購入するとそれなりの値段ですので、可能ならLXシリーズ三脚とのキットでの入手がおススメです。

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レオフォトLSシリーズ(レンジャーシリーズ)の強みって何?

  • 多少の収納長はあるが、フォールディング径がとにかくスリム。
  • 外付けの伸縮性センターポールで高さの微調整ができる。
  • LXシリーズのようなトラベラー三脚と違って、セットアップに脚を180度回す必要がない。(脚をのばすだけですぐ使用できる)

とにかくスリムで、素早くセットアップできる

LSシリーズ(レンジャーシリーズ)の強みは何と言ってもスリムであることと、素早くセットアップできることです。

外付けの伸縮性センターポールで高さの微調整が可能

付属の外付け伸縮性センターポールを取り付けるとその時点で全高は200㎜高くなります。(それ以下の高さをセンターポールで調節することはできません。)

外付けセンターポールを最大まで伸ばすと320㎜の高さになります。つまり、LSシリーズは外付けセンターポールで200~320㎜の間で高さ調整が可能です。

結局は、どちらの収納感が用途に適しているかが重要かも

筆者の場合どちらも携行してみて出た結論は、登山・トレッキングに携行する三脚は、収納感がスリムなLSシリーズ(レンジャーシリーズ)に軍配が上がるということでした。スリムな三脚はバックパックのサイドポケットや正面のメッシュポケットにも差し込んで収納しやすいというのが一番の理由です。

ただ、付属の三脚バッグは登山・トレッキングに携行するには嵩張りますので、三脚をむき出しでバックパックに収納したくない場合は以下のような収納袋が便利です。

oxtos(オクトス) CORDURA トレッキングポールバッグは三脚用の収納袋ではありませんが、30gを切る軽さで、LSシリーズなどのスリムな三脚の収納が問題なくできる便利な品です。

oxtos(オクトス) CORDURA トレッキングポールバッグは全長が約70㎝ありますので、三脚を収納した場合は余った上部を折り返して使用しています。

LXシリーズ(アーバンシリーズ)は収納長が40㎝未満でコンパクトでとても良いのですが、そのフォールディング径が大きくなることが登山・トレッキングに携行するには不利かと考える点です。上の写真のようにバックパックのサイドポケットに収納することはできますが、あくまでバックパックが空の状態の時に限ります。テント泊装備等をバックパックに詰め込んだ状態ではサイドポケットにその余裕はなくなりますので、LXシリーズを挿入収納することは困難になります。またバックパック内に収納するにしても嵩張りすぎ、ということになります。

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LXシリーズ(アーバンシリーズ)が生きてくるのはどんなシーンか?

  • 付属の三脚バッグに収納して携行するような外出・旅
  • 機内持ち込みにしても目立たない収納長と三脚バッグサイズ
  • 脚を広げるスペースが限られている時や手前に障害物があるなどの際に便利な、センターポールの高さ調整能力を生かす撮影(→山などの自然環境よりも街中・建物の中などの人工物が多い場所で生きてくる)
  • ローアングルポジションが目的の時

なんといってもセンターポールが常時装備されているという点が一番のメリットだと思います。なお、LSシリーズはセンターポールが外付けで用意されていますが、結局筆者は登山・トレッキングに携行したことはありません。一方LXシリーズは三脚にセンターポールが備え付けられているので、いつでもどこでもセンターポールを利用した撮影が可能です。

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最後に

旅行や登山に持って行く三脚を検討する際、必ず選択肢に挙がるのが脚を180度回転させて使用するタイプのトラベラー三脚とスタンダードなタイプの三脚。今回はレオフォトのトラベラー三脚のアーバンシリーズ(LXシリーズ)と同社のスタンダードなレンジャーシリーズ(LSシリーズ)を取り上げてサイズ・使用感の比較をレポートしました。実際筆者はLSシリーズを携行することが多いという結果になっていますが、どちらが扱いやすいかはケースバイケースということになりそうです。本レポートが三脚選びの参考になれば幸いです。

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