ヨーロッパ最大の氷河を持ち同時に火山活動も世界有数のアイスランド。まさに「氷と火」の島という表現がふさわしい大自然の絶景の宝庫のこの島は、いつ訪れても私たちに自然の雄大さ・不思議さ・美しさを肌で感じさせてくれます。
昨年はレンタカーでアイスランドを一周して大自然が織りなす絶景を楽しみましたが、今年はさらにアイスランドの内陸から南海岸の方に向かう大自然トレイル「Laugavegur(ロイガヴェーグル)」をトレッキング、テント泊で楽しんでみました。
前回のレポート4日目後編にて、ロイガヴェーグル(ランドマンナロイガルからソルスモルクまでの55㎞)のトレッキングは無事ゴールを迎えました。
今回は大自然が織りなす絶景の中のトレイルトレッキング・テント泊の5日目後半をレポートします。
一個前のレポートはこちら
Laugavegur(ロイガヴェーグル)の概要
Laugavegur trail(ロイガヴェーグル トレイル、以下ロイガヴェーグルと略)はアイスランドの中心よりやや南にあるLandmannalaugar(ランドマンナロイガル)からスタートし、Thórsmörk(ソルスモルク)まで南下する約55㎞のロングトレイルです。
ロイガヴェーグルは一般的にはオレンジのピンのランドマンナロイガルからソルスモルクまでの55kmを指しますが、ソルスモルクから新しい火山の火口(Modi、Magni:ブルーのピン)までの日帰りトレッキング(往復で20㎞)も最近人気のトレイルコースです。また、ロイガヴェーグルに加え、ソルスモルクからスコゥガフォス(緑のピン)までを追加で歩くこともできます。
Laugavegur(ロイガヴェーグル)の全体図
Laugavegur(ロイガヴェーグル)トレイルの北端がLandmannalauger(ランドマンナロイガル)でレイキャビクからバスでアプローチすることができます。また、南端のLangidalur(ランギダルル)もレイキャビクからバスでアプローチすることができます。
Laugavegur(ロイガヴェーグル)トレッキングや、現地までのアクセス等の必要な情報を網羅的に以下にまとめていますので是非ご覧ください。
トレッキングレポート
前々回のレポート「圧倒的スケールの絶景!トレイルトレッキング!アイスランド ロイガヴェーグル!⑨ 5日目前編」にて、ロイガヴェーグル55㎞のトレッキングを終えた後のMóði ・MagniへのFimmvörðuhálsトレイルの往路を紹介しました。
今回は、5日目後半と題して、Móði ・MagniからソルスモルクへのFimmvörðuhálsトレイルの復路を紹介していきます。
なお、ソルスモルクのランギダルルからMóði ・MagniへのFimmvörðuhálsトレイルは片道10㎞(行きはひたすら登りですが)、往復で20㎞のちょうどよい距離のトレイルです。
ではMóði ・Magniからの帰路スタートから話を再開します。
霧が晴れないか少々粘って滞在してみましたが全くその気配なく、これでソルスモルクへ帰ることにしました。
おそらくこの標高の高い場所だけが天気が悪いのでしょうが、雨に降られないうちにソルスモルクに帰りたく少々ペースを速めます。
標高が下がってきたら予想通り霧はありませんでした。標高の高い部分のみが雲の中のようです。
苦労して登ってきた場所ですが、下りは悲しいほどに楽です。
下るのは速い速い。土と雪の交互の場所もグングン下っていきます。
この場所は、行きよりも帰りで通過する際のほうが要注意ポイントです。
これは振り返って撮った写真になります。写真の中央上からこちらにやってきました。このあたりのトレイルは非常に狭く、すれ違う際に注意する必要があって少し混雑するポイントです。
標高の高いところからの写真で、なぜここで長い平坦なトレイルになるかということが分かる地形を見ることができました。
長い平坦トレイルが終わったあとはトラバースしながら下っていくトレイルになります。
行きとはまた違った景色を見ながら、トレイルを下っていきます。
Mýrdalsjökull(ミールダールスヨークトル氷河)の分枝を眺めています。
晴れ間がさすとまったく印象の違った景色になります。
景色に見とれてよそ見して滑落しないように注意しましょう。
ここから再びトレイル中の要注意ポイントです。
しっかりバランスをとって進んでいきましょう。滑落に注意です。
だいぶ標高が下がってきました。緑が濃くなってきました。
もう本当に下りは上りの苦労を分けてほしいぐらい楽です。
Fimmvörðuhálsトレイル開始点まで戻ってきました。
左のトレイルから下ってきました。いまからBásar(バサール)を経由してソルスモルクまで帰ります。トレイルとしては写真の奥の方に向かって進んでいきます。
行きにも渡った車輪付きの橋で川を渡ります。
この河原が意外に広くて長いトレイルになります。傾斜はありません。
ソルスモルク ランギダルルの小屋とテント場が見えてきました。天気は崩れることなく持ちこたえてくれました。
ランギダルル小屋に帰ってきました。なお、今回の行程に関して時間表示すると以下のようになります。
ソルスモルク ランギダルル 出発 7:00 ⇒ Fimmvörðuhálsトレイル開始点通過 8:00
⇒ Móði ・Magni到着 11:00 (往路4時間、登り10㎞)
Móði ・Magni出発 11:30 ⇒ ソルスモルク ランギダルル 到着 14:30 (復路3時間、下り10㎞)
なお、テントは張ったままバックパックは残して、サブパックで今回はトレッキングを行いました。昨日ソルスモルク到着時にレセプションで午後までテント残したままにしても、特に追加料金を支払う必要がないことを確認していました。(午後までテントを残してトレッキングに出かける場合は念のためレセプションに伝えておくことがおススメです。)
絶景トレイルとも今日でお別れ
ソルスモルクに帰って来てから運よく日差しも出てきてテントはバッチリ乾いています。
今日18時にソルスモルクをでてレイキャビクの街に戻るTREXのバスに乗る予定にしています。
まだ時間はたっぷりありますが、とりあえずゆっくりとテント撤収を始めます。
TREXのバスが来ました。1時間前にはソルスモルクにバスは来ますが、レイキャビクに戻る際は乗客が乗り始めることができるのは出発予定時間15分前からということです。
17時45分、乗車開始です。筆者のような大型バックパック(85L)は後ろの方が入りやすそうです。
ソルスモルクを出発しました。水量が多かろうが深かろうがもろともせずバスは川を渡って行きます。
川渡り中は、もう爽快感に近い気分です。乗客も興奮して写真撮ったり騒いだりしています。
川渡りよりもむしろ川の中を流れと並行に進むときもあります。船顔負けです。
ソルスモルクを出発して最初の1時間の間にかなりの数の川を渡ります。
バスはSeljalandsfoss (セリャラントスフォス)を通過します。(希望があればここで降車することもできるようです)。Seljalandsfoss (セリャラントスフォス)を通った時、あたりは結構な雨が降っていました。
Seljalandsfoss (セリャラントスフォス)に関しては、昨年のアイスランド1周で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。
Seljalandsfoss (セリャラントスフォス)を後にしてすぐ国道1号線に入ります。大雨です。
ソルスモルクからHella(ヘトラ)までは写真奥に写っているバスで、Hella(ヘトラ)でレイキャビクの街に向かうバスに乗り換えます。
なお、TREXバスを利用する場合はレイキャビクの街では3つのバス停があって、レイキャビクキャンプサイト前かレイキャビクCity hall前がメジャーです。
乗車時にも念のため自分がどこで降りる予定かスタッフに伝えますが、レイキャビクの街に入ってからも再度スタッフに確認されます。
筆者が乗ったバスはこの日レイキャビクCity Hallに21時頃に到着しました。
今晩宿泊予定のReykjavik Downtown HI hostelに向かいます。
これにてロイガヴェーグル55㎞+20㎞トレッキング終了です。
その他、今回のトレイルでの写真
Móði ・Magniからの帰りの際に見かける岩。まさに火山岩で富士山で見るものと同質です。
トレイル中盤にて。
最後に
いかがでしたか?絶景のロングトレイル「Laugavegur(ロイガヴェーグル)」トレッキング55㎞+20㎞。筆者自身の中では今回のトレイルトレッキングのポイントは大雨のアルフタヴァトンでの1日停滞だと思っています。雨の多いロイガヴェーグルですから、予定の段階で予備日を2日設けていました。もし途中雨で2日停滞しても最低ランドマンナロイガルからソルスモルクのロイガヴェーグル55㎞だけは終わらせる計画でした。今回は1日の停滞で済んだこと、その翌日に晴天となったため30㎞一気に進めたこと、このあたりがポイントです。レイキャビクの街の観光・宿泊先の選び方についても別にレポートしていますので是非ご覧ください。
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