壮大なスケールの紅葉に感動!秋のクングスレーデン トレッキング!6日目 後編

クングスレーデン(スウェーデン語:Kungsleden、英語:King’s Trail、日本語訳:王様の散歩道)は全長440kmにわたるスウェーデン北部に位置する北極圏内のロングトレイルです。最も多くのハイカーに歩かれているルートはクングスレーデン北部(アビスコ~ケブネカイセ)で、夏の期間は白夜でもあり多くのハイカーが訪れます。しかし、北極圏内のこの場所は毎年9月の中旬には冬の兆しが出始め、ほぼすべての山小屋がCloseとなります。今回、山小屋がCloseとなった後の9月最終週の秋の北部クングスレーデン(ニッカルオクタからアビスコSTFまでの110km)を6日間かけてトレッキングを行いました。

本記事では、「ハイク6日目 後編 アビスコヤーレへからアビスコツーリストステーション」をレポートします。

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山小屋がCloseとなった後の秋の北部クングスレーデン(ニッカルオクタからアビスコSTFまでの110km)を6日間のトレイルハイクしました。本記事では、「ハイク6日目 中編アレスヤーレからアビスコヤーレ②」をレポートします。

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進むかとどまるか

濃い霧の中、しばらく考えていました。秋のクングスレーデンは19時過ぎには真っ暗になります。今はすでに16時。アビスコツーリストステーションまで13㎞、今のペースで行くとざっと3時間半はかかります。右膝はすでにかなり痛い。ここにとどまっても水場がいまいち。この霧が続くなら翌朝はテントがずぶ濡れだろう。いろんな考えが頭の中を交錯します。

アビスコナショナルパーク内でも、メインの川に注ぎ込む支流が沢山あるため流れる水の採取は容易です。

決めました。

今日このままアビスコツーリストステーションまで歩くことにしました。

ハイク6日目 後編 アビスコヤーレからアビスコツーリストステーション

  • 開始:Abiskojaure(アビスコヤーレ) (16時00分)
  • 到着:Abisko turiststation (20時00分)
  • 距離:13㎞

行くと決めたらもう余分なことは考えないことにしました。

残り距離と所要時間の計算をしながらひたすら進みつづけます。焦って怪我をしてもいけません。水汲みによさそうな川があれば水を汲むことにします。左から渓谷の水の轟音を聞きながら歩き続けます。

左から渓谷を流れる水の轟音が聞こえます。霧がだんだん濃くなってきました。

この標識の地点でアビスコヤーレから7㎞、アビスコツーリストステーションまで6㎞です。時刻は18時00分、アビスコヤーレから2時間経過しています。ということはアビスコツーリストステーション到着は20時頃になりそうです。暗くなってきました、先を急ぎます。

落ち葉の下に時に大きな不安定な岩があったりします。急いでいても滑らないように注意です。

アビスコヤーレから9.2km、アビスコツーリストステーションから3.8kmのところにあるNissonjokkという場所を通過します。時刻は18時40分、暗くなり始めていて、写真をとるならばフラッシュがないと文字は見えません。

Nissonjokkには写真のようなシェルターとその後ろ少し歩いたところにテント設営が可能な場所があります。テント設営可の標識を見たときに少し心が揺らぎましたが、進みつづけることにしました。

Nissonjokkのシェルターの真向かいの風景。対岸に渡るルートもあります。

この時バッテリー残量10%の表記でしたが、気温が低下して耐えられなくなったようで、この写真を撮った後、とうとうiphoneの電源が落ちてしまいました。

霧の中、ひたすら進む

今までGPSとして使っていたiphoneの電源がここにきて落ちてしまいました。もちろんバックパックを下ろしてポータブルバッテリーを取り出してつないで・・、をすればいいのですが、先を急ぎたいところです。霧に加えて雨も少し降り始めました。あたりはもう真っ暗です。ヘッドライトをつけてひたすら進みます。時々ヘッドライトの光が霧を反射し目の前が真っ白になります。右膝がかなり痛いですが、もうそんなこと言ってられない、進むのみです。

アビスコヤーレから9.7㎞の地点(Nissonjokkから約500mの地点)でトレイルがY字になります。アビスコ方面(東行き)とアビスコツーリストステーション方面(西行き)です。間違えないように注意です。

遠くに車道の街灯が見えてきた

アビスコヤーレから歩き続けること3時間半、時々進行方向遠くに車道E10の街灯が見え始めました。久しぶりの街灯です。トレイル上は真っ暗でヘッドライトがないと何も見えません。岩と土のトレイルで決して馴らされて平になっているわけではなく、長時間歩き続けると膝にボディーブローのようにダメージが蓄積されていきます。

無心・無我夢中で最後は歩いていました。

長い下りの後、丸太作りのゲートに到着しました。

ゴールです。

ゲートに到着した20時、あたりは真っ暗で雨が降っていました。

条件がよければ記念写真を撮りたいところですが、また明日写真をとろうと考え今日は長居せずに通過することにしました。

そしてここから、もう一難

クングスレーデンのゲートを出て右に進み、その後左に曲がって線路の高架をくぐって国道E10を渡るとSTFアビスコツーリストステーションが見えてきました。夜20時過ぎ、真っ暗で辺りは誰もいません。ヘッドライトを点けたままSTFアビスコツーリストステーションのレセプションのある建物の玄関に行ってみました。

嫌な予感がしました。

建物内は真っ暗で人がいる気配がありません。

不思議と入口のドアが開いており中に入ってみます。暖房が効いていて暖かいものの、フロアは真っ暗です。受付デスクはシャッターが降りていて、連絡先も見当たりません。

受付デスクの上の階に通じる階段を上って、誰かいないか声をかけてみました。

1人の男性がさらに上の階から降りてきました。彼が言うには「予約してなかったら施設内宿泊は無理だよ、テント場は向こうにあるよ」ということです。

隣のドミトリーに泊まることはできないのかしつこく聞いてみました。

返事は「無理」の一辺倒でした。諦めて建物を出て、テント場があると言われたところに行ってみましたが、実際結構離れており暗くて場所がよくわかりません。

本音としたらここまで来たら屋内に泊まりたい思いでいっぱいです。

もうこうなったらアビスコツーリストステーションの駅舎(シンプルな小屋で24時間開いている)で寝るか、E10を通る車にヒッチハイクでどこか街に行くしかないな、と真っ暗な道をE10方向に向かってトボトボ歩いていたその時、

そこに、全くの幸運でした。

たまたますれ違った青年が筆者に声をかけてくれた、「泊まるとこをさがしているの?」。

答えはもちろん「イエス」「イエス、オフコース」全くもって「ヘルプミー」です。

聞くと青年はSTFで働いているスタッフでした。「レセプションのある建物の入口にポストがあってそこに空いた部屋の鍵があるから自由にとっていいよ、明日の朝チェックアウトの時にお金払ってくれたらいいよ」とのことです。

もう一度レセプションのある建物に行ってみました。確かに入口右横にポストがありました。さっきは疲れてて早く屋内に入りたい一心で全く気が付きませんでした。ポストを開けてみると、空いたベッドの部屋の鍵が数個入っていました。

助かった。

青年に何度も礼をした後、何とかドミトリー内にたどり着きました。

しかし、最初の受付の上の階にいた男性は何だったのだろう。最初の彼は悪気はないのだろうが、ただシステムを知らなかっただけなのだろうか。そもそもSTFのスタッフではなくて、リニューアル工事の作業員だったのだろうか。などと考えとりあえず屋根のある建物の中に入れた安堵とともに荷物を下ろしました。

STFアビスコツーリストステーション

アビスコツーリストステーションにあるSTF(以下、アビスコSTF)の宿泊施設です。先に述べたように、幸運のおかげで、ハイク6日目夜21時頃にアビスコSTFのドミトリーに入ることができました。以下に翌日朝に撮った写真をもとにアビスコSTFをレポートします。

レセプションのある建物の玄関。

レセプションのある建物(メインビルディング)は午前8時から午後5時まで開いている。午後5時以降は予約客・未予約客ともに右横のポストから鍵を取り出して建物に入るように、とあります。昨日夜最初に到着した時には、早く屋内に入りたい一心で、この文面に気付きませんでした。そしてご丁寧にもフリーwifiの情報まで記載してくれています。

これがそのポストです。宿泊した翌朝のチェックアウトの時に支払うように書いてあります。午前10時までにチェックアウトしないと、そのあと受付は閉まってしまうので注意です。

メインビルディング内、レセプション前から入口玄関をみた風景。秋のこの時期は左の売店は閉まっており、玄関の電灯も控えめです。

秋のこの時期は朝7時から朝10時までレセプションは開いています。それ以降はシャッターで写真のように閉まっています。

メインビルデングに向かって右側の奥にドミトリーの建物があります。

アビスコSTF ドミトリー部分

アビスコSTFメインビルディングには個室やレストラン、売店があります。筆者が訪れた秋のこの時期は売店・レストランは閉まっており、宿泊もドミトリー部分のみ可能でした。ドミトリー部分も清潔・開放的で素敵な共用スぺ―スがあります。

ドミトリーの建物入口を入ると両サイドに靴置き場があります。この時期置いてある靴はみんなトレッキングブーツです。写真真ん中奥が入口です。階段は地下に行く階段です。地下にはサウナ等があります。

共用スペース、ダイニング部分。この時期は客が少ないためパーティションで区切られています。4人用のテーブルや右には10人以上に対応できる長いテーブルもあります。

キッチン部分。すべてがとても清潔に保たれています。普段料理しない人間でも、料理したくなる雰囲気です。

ドミトリー6ベッドの部屋。夜9時到着時、先着のハイカーが1人、彼はドイツ生まれでストックホルムで働いて10年とのことでした。この日の晩は結局2人で6人部屋を使用しました。

ベッド横に設置されている棚です。この時期ここに来るようなハイカーは自然と持ち物がかぶります。そしてアウトドアギアやトレイルのレビューをして話が盛り上がります。これは世界共通です。

地下のサウナ・シャワールームの前にある脱衣所。暖房が効いていて暖かい場所です。

サウナ室の前にあるシャワー、6基ある。久しぶりのシャワーで、暖かい水を手軽に使えるということはいかに有難いかを感じます。久しぶりにシャンプーが使えるということで、嬉しくてこれでもかという程、頭を何回も洗いました。

アビスコSTF ドミトリー到着後

シャワーを浴びて、共用ダイニングで簡単なパスタを作ります。久しぶりにwifi接続したiphoneで翌日の夜行列車のweb予約を行います。その他諸々したいことがありましたが貯まった疲労に勝てません。今日はアレスヤーレから35㎞、11時間、長い長い1日でした。もう右膝は今日は曲がりそうにありません。ベッドに戻り横になったら眠りにつくのに時間はかかりませんでした。

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トレイルハイクレポート

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秋のクングスレーデン まとめ

準備・ルート検討についてはこちらにまとめています。

山小屋がCloseとなった後の秋の北部クングスレーデン(ニッカルオクタからアビスコSTFまでの110km)を6日間のトレイルハイクしました。本記事では秋特有の事情を踏まえた北部クングスレーデンへの準備・ルート検討をレポートします。

環境条件・装備についてはこちらにまとめています。

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