日本の山雪山登山

【雪山山行記】霧ヶ峰、簡単な登りで最初からずっと絶景を見渡せる雪山

霧ヶ峰(きりがみね)

最高峰は標高1925mの車山で、車山山頂には気象レーダー観測所があり、そこからの360度開けた素晴らしい展望が楽しめます。広大な草原・湿原が冬期は見渡す限りの広大な雪原になります。日本屈指の絶景道路であるビーナスラインの霧ヶ峰車山肩駐車場から車山山頂への往復だけでなく、蝶々深山等を巡る周回コースで駐車場まで戻ることもできます。コース上に急斜面はなく稜線もありませんがスノーシュー等の装備が望ましいです。コースが広く他の登山客とのすれ違いに気を使うこともないので、スノーシューの練習に適していると思います。八ヶ岳連峰、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、上信越の山々、浅間山等が見渡せます。

霧ヶ峰の場所

登山ルート

登山口・ベースの施設

霧ヶ峰車山肩駐車場です。冬期の朝、併設された建物はcloseの状態でした。冬期朝の登山開始の場合は次に説明するバイオトイレの使用になります。この駐車場に到着して車から出たらすでに絶景が見渡せる状態です。駐車場からの眺めを後で山行記の項で説明します。上の写真は駐車場から少し登ったところからの写真になりますが、すでに北アルプスが綺麗に見えています。

霧ヶ峰車山肩駐車場からほんの少し登ると霧ヶ峰バイオトイレがありました。冬期シーズンは一つだけ使用出来るみたいです。

バクテリアによって発酵分解処理が行われるバイオトイレです。セパレート便器を使用して過剰な尿を自動制御でタンクに分離する仕組みになっており、水分管理(小便)が非常に重要とのことで、特に注意書きには「男性が小便をする場合は必ず小便器より使用して下さい」とありました。

山行記

すでに駐車場で車から降りた時点で、南西方向に空木岳(2864m)、木曽駒ケ岳(2956m)、経ヶ岳(2296m)などの木曽山脈の山々が見渡せます。

そして同場所からの南方向には、左から順に、甲斐駒ヶ岳(2967m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、仙丈ケ岳(3033m)などの南アルプスの北側の山々が見えています。

さらに同場所から西方向には御嶽山(3067m)が見えています。

駐車場から少し上がったところに散策マップの看板が立っています。今から車山山頂までのシンプルな雪山トレッキングを楽しむ予定です。

看板の背後に回り北北東方面を眺めると、黒斑山(2404m)、浅間山(2568m)が見えていました。

看板のあるところから今日はスノーシューを履いて登ることにします。スノーシューはMSRのライトニング アッセント22インチです。筆者の体重ではメーカー推奨適正サイズは25インチになりますが、取り回しのよい22インチが好みです。なんなら女性用の細目のスノーシューでも十分だと思っています。

車山山腹の樹叢にはこの地の古来の林相が残っており、草原は高原性のものとしては類例の少ないものです、と記されています。加えて、貴重な湿原植物がありますのでこれらを保護するために注意事項が記されています。

看板を過ぎて右手に向いて歩き始めるとこのような景色です。足跡があるので進む方向の判断は簡単ですね。

とても天気の良い日の朝8時台でこのような感じでした。のんびり歩き始めます。

南向きに進むときは甲斐駒ヶ岳(2967m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、仙丈ケ岳(3033m)を見ながらの登りになります。天気の良い日はこれらの山が本当によく見えます。

緩やかな登りの間でもずっと南西方向には常に空木岳(2864m)、木曽駒ケ岳(2956m)、経ヶ岳(2296m)などの木曽山脈の山々が見えています。

のんびり登りながら少しずつ標高を上げていくと西方向に見えていた御嶽山(3067m)がよりはっきり見えてきました。

そして駐車場から標高を少し上げることで北アルプスがはっきり見えてきました。やっぱり北アルプスはボリュームがありますね。

南東方向に向いて登っているときは、八ヶ岳連峰の右側に富士山もしっかり見えます。

南東方向に向いて登っている時の眺めの主役は八ヶ岳峰です。存在感たっぷりの蓼科山(2530m)、その右に北横岳(2480m)、縞枯山(2403m)、茶臼山(2384m)などの北八ヶ岳連峰が続きます。

視線を右に動かしていくと、赤岳(2899m)、阿弥陀岳(2805m)などの南八ヶ岳連峰と富士山が見えます。相変わらず富士山の存在感は素晴らしいですね。

富士山からさらに右方向に視線を向けると木曽駒ケ岳、北岳などの南アルプスの北側に位置する山々の眺めが始まります。さらに右方向に視線を移してみましょう。

この視野で甲斐駒ヶ岳(2967m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、仙丈ケ岳(3033m)が綺麗に見える感じです。さらに右方向に視線を移してみます。

すると、南西方向に空木岳(2864m)、木曽駒ケ岳(2956m)、経ヶ岳(2296m)などの木曽山脈方面の眺めが始まります。さらに右に視線を移してみます。

すると見えてくるのが御嶽山(3067m)です。では、さらに右に視線を移し続けてみます。

御嶽山(3067m)から視線を右に動かしていくと今度は乗鞍岳(3026m)が見えてきました。まだ行きます。さらに右に視線を移してみましょう。

乗鞍岳(3026m)から右に視線を動かすと見えてくるのが北アルプスです。

頂上に至るまでの登り途中では、北アルプスより右方向の視界はありませんが、それは頂上到着後のお楽しみです。

ほぼ360度名峰に囲まれた絶景の中、本当に緩やかな登りをのんびり歩き続けます。

すると間もなく、車山頂上の観測所がの球体が見えてきました。

終始、緩やかな登りをのんびり歩くだけでしたが、もう頂上です。

頂上まで来たら黒斑山や浅間山がはっきりと見えてきました。

頂上までの登りには3~4人すれ違う程度の人の少なさでしたが、頂上にはそれなりに人がいるようです。

あっというまに車山頂上に到着しました。標識の背後に北アルプスが見えています。

頂上は雪で覆われていない部分もあり、ゴツゴツした場所はなかなかのスノーシュー泣かせの場所です。

南アルプス北側に位置する甲斐駒ヶ岳(2967m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、仙丈ケ岳(3033m)の眺めは駐車場からの眺めとそれほど変わりません。

空木岳(2864m)、木曽駒ケ岳(2956m)、経ヶ岳(2296m)などの木曽山脈方面の眺めも登り始めの駐車場から眺めは変わらず良いままでした。

看板の表記の通り、車山山頂にあるのは気象レーダー観測所です。ドームの中に大きな直径4mのパラボラアンテナがあり、回転させながら電波を発射し反射波を測定することで雨雪の強さ移動などを時々刻々と観測しています。

頂上まで来ると北方面の景色が開けています。黒斑山、浅間山以外の山も見えてきますが、今日は雲が中腹にかかっていてはっきりは見えないようです。

そして、頂上の観測所の北側に車山神社が建立されています。

観測所の北側は車山高原SKYPARKスキー場に降りていけるようになっています。逆に言えばスキー場からは少しのハイクアップで頂上の観測所に行くことができます。登山が目的でない人にはスキー場からのアプローチの方が楽だと思います。

では、頂上で360度の眺めを楽しんでみます。まず北東方向に黒斑山と浅間山です。

そして東方向に蓼科山と北八ヶ岳連峰です。

南東方向に南八ヶ岳連峰と富士山です。この写真では向かって左の方に東天狗岳(2617m)、天狗岳(2646m)、硫黄岳(2760m)も見えています。

南方向に甲斐駒ヶ岳(2967m)、北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)、仙丈ケ岳(3033m)などの南アルプス北部です。

山頂からは北アルプスの眺めも良い感じです。

頂上には車山神社が建立されています。創建時期は不明とのことですが、祀られているのは天狗伝説(天狗が山で迷った人々を「導きの火」を灯して目的地まで導いたと言われる伝説)の「天狗様」と「大山祇命(おおやまつみのみこと)」と「建御名方命(たけみなかたのみこと)」を御神体として祀っており、山々を訪れる人々の安全と平和を守り続けているとのことです。

山頂からの眺めも十分楽しみましたのでそろそろ下ることにします。今日は空木岳(2864m)、木曽駒ケ岳(2956m)、経ヶ岳(2296m)などの木曽山脈方面の眺めも雲がかからず相変わらず安定しています。

乗鞍岳方面も天気が良い日は素晴らしい眺めです。

下り始めて間もなく、北アルプス方面は雲が少しずつ増えてきたようです。

北アルプス方面の向かって右側には立山方面が見えています。さらに右に視線を向けてみます。

立山(3015m)、剣岳(2999m)が見え始めました。さらに右に視線を移してみます。

右端が鹿島槍ヶ岳(2889m)で手前の山に視界が遮られます。ほんの少しだけ五竜岳(2814m)のピークが手前の山の上に顔を出しているようにも見えます。

北北東方面には四阿山(2354m)、根子岳(2207m)が雲から頭を出しているようです。

名峰が織りなす絶景を見ながら下っていると、もう駐車場が見えてきてしまいました。

それにしても北アルプスの眺めは良いですね。この景色を見ながらずっと下り続けます。

ずっと北アルプスを見続けながらのまっすぐな下りです。景色が良いのでよそ見してコースアウトしないように注意しましょう。

乗鞍岳方面も天気が良い日は本当に良い眺めです。

駐車場に下ってしまうまでに名残惜しいのでもう一度パチリ。

360度の絶景を楽しむ簡単雪山トレッキングも終わりに近づいてきました。霧ヶ峰車山肩駐車場が見えてきました。筆者が今朝到着した時よりも車の数が増えているようです。

最後に北アルプスの眺めを眺めながら霧ヶ峰車山肩駐車場に向けて下っていきます。今朝到着時からずっと晴天が続いています。本日の天気予報は上信越一帯は夕方まで晴れの予報ですので、もう一つ別の山にハシゴすることにしました。ハシゴすると決めたからには少し急いで下ります。

さて、本日2つ目の雪山はどこになるのでしょうか?

最後に

いかがでしたか?霧ヶ峰(車山)の雪山トレッキングの様子をレポートしました。霧ヶ峰車山肩駐車場の標高が約1800mあり頂上が約1920mですので実質標高差120mだけの登りで、雪山初心者はもちろんスノーシューの年度初めの使用テスト等にも適していると思います。なんといっても日本屈指の絶景道路であるビーナスラインでのアクセスになりますので、登山用具を持っていなくてもビーナスラインに設けられた駐車場や撮影スポットからでも十分に各名峰の写真を撮ることができます。登り始めの駐車場の時点からすでにクライマックスというような絶景を眺めながらのんびり登ることができる霧ヶ峰(車山)の雪山登山いかがでしょうか?雪山登山の山選びに本レポートが一助になれば幸いです。

宿泊案内

北八ヶ岳・美ヶ原・霧ヶ峰エリアの雪山登山の際の宿泊地として筆者のおススメは佐久エリアです。佐久エリアからは浅間山の雲の様子が一目でわかること、また、佐久エリアからは浅間山・四阿山エリア、八ヶ岳エリア、美ヶ原や霧ヶ峰エリアなどにも簡単にアプローチでき便利です。天気予報次第で予定変更がしやすいメリットがあり冬山時期には筆者自身はしばしば佐久エリアに滞在しています。

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