バルト海上、ストックホルムから南に約190㎞の場所にあるゴットランド島。島内の各地に中世からの教会や遺跡が残っていて当時の文化を感じることができます。スウェーデン本土の人の別荘地として、また夏には多くの観光客が訪れ北欧の中でもリゾート地として有名です。本記事前ページではおもにゴットランドへのアクセス、Visbyの街について取り上げました。
本ページでは本題「ゴットランド滞在中に他に観光するならおススメの場所は?」について取り上げます。
ゴットランドは大きく分けて4つのパート
ゴットランドはVisby, 北部、中央部、南部の4つのパートに大きく分けて案内されることが多いです。
Visby:ゴットランドのメインの観光地で中世を感じることのできる旧市街地
北部:Fårö島をはじめ奇岩群が多く存在し、広大な白砂のビーチもあり自然を感じる場所
中央部:西海岸には人気NO.1のToftaビーチとKronholmenのゴルフ場、東海岸にはLugranビーチ
南部:Hoburgsgubbben(奇岩)が南西端にある、少し観光としては見るものが少ないか。
本サイトのおススメ → 北部
夏季シーズン中なら中央部の海岸に行っていたかもしれません。
しかし今回は夏季シーズンが終了した9月中旬、しかも1泊2日の旅を予定していました。
ゴットランド到着初日は「雨の(残念な)」Visby観光を行いました。
さて2日目、本日夕方にはVisbyフェリーターミナルに帰って来ておく必要があります。
そこで私たちが考えたのが、「レンタカーで北部に行って奇岩群(Rauk、ラウク)を見る」というプランでした。
まずレンタカーを借りよう
初日の失意のVisby観光の後、スマホで翌日のレンタカーの空きがどこもないことを確認し、打開策がないまま途方に暮れて翌朝を迎えてしまいました。
翌朝ホテル受付にレンタカーを借りたい旨相談してみると、なんと近くのガソリンスタンドでレンタカーを借りることができると判明!。
st1自体はスウェーデン全土で展開しているチェーン店のガソリンスタンドですが、このガソリンスタンドに併設された建物内にレンタカーの営業所がありました。
このレンタカー会社の営業所があるガソリンスタンドの場所はこちらから確認できます
借りた車は Skoda の FABIA COMBI
日本ではあまり知られていないメーカーのSkodaですが、北欧をはじめヨーロッパではよく見るメーカーの一つです。チェコの自動車メーカーで現在はフォルクスワーゲン傘下です。車自体は日本車と同じで左ハンドル以外特別なことはなく、燃費も良かったです。
Fårö島へ
ゴットランド北部はつながっているように見えてますが、最北端はFårö島といって少し海を隔てています。
Visbyの街から車で50分でゴットランド本島の北東端に到着します。
ここから15分間カーフェリーに乗ってFårö島にわたります。
時間帯によって「30分に1本」または「1時間に1本」という風にカーフェリーの運航本数が決められています。
カーフェリーは無料で利用することができます。
我々の車は2番手、次のカーフェリーの出発時刻まで時間があります。他の車の乗客も車内にはいません。みんな隣接するカフェや港の写真撮影を楽しんでいました。
Fårö島に向かって、ただいま海の上です。私たちが港到着時には数台しかいなかった車ですが、出発時刻前には30台程度の列になっていました。1本乗り過ごすと30分から1時間待たないといけなくなるので注意が必要です。
Rauk(ラウク)巡り開始
ゴットランド島の海岸沿いにある奇岩群のことを現地では「Rauk、ラウク」と呼びます。数千年かけて海水が岩の石灰層を侵食して、時には人の顔や動物に見えるような奇妙な形を形成しています。
Langhammars “rauk” field
まず最初に訪れたのが、Langhammars。そのいくつかに関しては高さが8m以上に及びます。どうしてこんな形になった?と思わないではいられない自然の驚異を感じます。
人間との比較で大きさがわかりますか?それにしてもなかなか不思議な形です。
(なお、併設された駐車場の近くにはトイレとベンチ・テーブルがあります。)
The old harbour
Langhammarsから少し南下して、次はこの「the old harbor」です。これもどうしてこうなった?と思わんばかりの形状です。現地でも「the coffee pot」や「the dog」と呼ばれているラウクです。地名はharborですが、気候条件が悪いことと陸地の上昇があり現代ではharborとして機能はしていないということです。
Jungfrun – the Maiden “rauk”
Fårö島から本土に戻ってきてゴットランド島西海岸線を南下するとJungfrunに到着します。Jungfrunは高さ12mでゴットランド島の中で一番大きいラウクです。このラウクは崖の淵に立っていて海上からみると26mの高さになります。
そしてこのラウクにはstoryがあります。
11世紀、Lickershamn(地名、このラウクの近所)にLikajr(ニックネーム:the wise)という権力者が住んでおり、彼にはÖllegårdという娘がいました。ある日、彼がバルト海上のとある戦いの後に捕虜の若い男を連れてゴットランド島に帰ってきました。この若い男は戦争に負けた軍のチーフの息子でHelgiという名前でした。
間もなくÖllegårdとHelgiは恋に落ちますが、父親のLikajrはそれを気に入りませんでした。とある海辺のパーティの際に、Likajrは部下に命令して娘のÖllegårdをこのラウクの頂上に配置させました。そしてHelgiが無事彼女をラウクの頂上から連れて戻したら結婚ができるということにしました。
Helgiは勇敢にもその挑戦を受け入れ、頂上のÖllegårdにたどりつきました。
しかし彼女を背負って地上に帰ってくる際に、突然矢が放たれ彼の頭を打ち抜いたのです。
HelgiとÖllegårdはそのまま海に落ちて、波に飲み込まれて二人とも亡くなってしまいました。
本日のラウク巡りはこれにて終了、Visbyに帰る前にJungfrunの駐車場近くに雰囲気の良いカフェがあったので立ち寄りました。
きっと夏季シーズン中は繁盛しているんだと思います。室内もテラス席も素敵なカフェでした。
16時過ぎという微妙な時間帯もあり、シーズンOFFの9月中旬は店員と私たち以外誰もいませんでした。アップルパイにホイップクリームというこれぞスウェーデンの王道のセット!でコーヒーを楽しみました。今回は時間がなくて食べてすぐ店を出ましたが、もし夏に来れたらランチ・ディナーもゆっくりと楽しみたいと思った場所でした。
帰宅の途につく
レンタカーを返却し(結局借りた時間は11時から17時の6時間でした)、近くのICAスーパーでお土産・食料等を買ってVisbyフェリーターミナルに帰ってきました。Visby19時発でNynäshamn着は22時過ぎです。
最後に
いかがでしたか?。スウェーデンの中でも夏のリゾート地として有名なゴットランド島。中世のハンザ都市の街並みを残しているVisbyをはじめとして、その他にも観光場所が豊富にある自然の美しい島です。今回私たちはOFFシーズンの9月中旬に訪れ、天候にはあまり恵まれませんでした(残念!)。観光客で混んでいるとは思いますが、天候やお店の充実ぶりを考えると、やはり夏季の6月~8月に訪れるのがベストと思います。Visbyは勿論一押しの観光スポットなのですが、さらに1泊2日以上で訪れる際は、北部のFårö島とラウクと呼ばれる奇岩群を見て自然の驚異を体感する行程を是非検討してみてくださいね。
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