ヨーロッパアルプスの中でも名峰がひしめくスイス ヴァレー州。その中でも一気に4000m超の18座を見渡せるとても貴重なそして絶景の場所があります。それがHohsaas (ホーサース)です。今回はそんなHohsaas(ホーサース)の徹底解説その④を行います。
スイスでの近・中距離移動の際の電車の乗車券購入方法について以下にまとめましたので是非ご覧ください。
Hohsaas(ホーサース)の場所
・ブルーのピン:Saas-Grund→Kreuzboden(クロイツボーデン)→Hohsaas(ホーサース)
・パープルのピン:Saas-Fee(サースフェー)
・オレンジのピン:Visp駅(中央、上の端)
Hohsaas(ホーサース)へのアクセス
Visp駅からポストバスでのアクセスになります。
(なお、Brig駅からVisp駅経由のポストバスもあります。)
Visp駅からSaas-Fee行きのポストバスに乗車、Saas-Grundエリア内のバス停(例、Saas-Grund等)からならクロイツボーデンやHohsaas(ホーサース)に向かうSaas-grundロープウェイ乗り場に 容易に到達することができます。
名峰18座が見渡せるホーサース(Hohsaas) 徹底解説!
今回はBrigを出発点にして話を進めていきます。本レポートはレポート②になります。
- Brig → Saas-Grund : ポストバス(レポート①)
- Saas-Grund → Kruezboden → Hohsaas :ロープウェイ(レポート①)
- Hohsaas :名峰18座を眺めるトレッキング(レポート②)
- Hohsaas :名峰18座を眺めるトレッキング(レポート③)
- Hohsaas :名峰18座を眺めるトレッキング(本レポート)
- Hohsaas :名峰18座を眺めるトレッキング(レポート⑤)
- Hohsaas → Kruezboden:トレッキング(下り)(レポート⑥)
- Kruezboden → Saas-grund:トレッキング+ロープウェイ(レポート⑦)
本レポート(レポート④)以前のレポートは以下をご覧ください。
では実際の写真を示しながら解説を始めていきましょう。
本レポートでは、10番目「Dom(4545m)」のところから話を再開します。スイスの山を語るにこの山は外せませんね。
スイス国内に山全体がある山としては最も標高の高い山、それが「Dom(ドーム)」です。
4545mというピークの標高はヨーロッパアルプスのなかでは3番目に高く、 スイスの中ではモンテローザについで2番目に高い標高となります。ドームはミシャベルアルプス群におけるメインの山になります。
ドームという名は大聖堂の意味もあり、Canon Berchtold of Sitten cathedralにちなんで名づけられたといわれています。
高さもさながらその構えも雄大な山です。
北西ridgeからの登頂が Reverend John Llewelyn-Davies、Johann Zumtaugwald, Johann Krönig、Hieronymous Brantschen によって1858年9月11日になされました。その後、途中トラバースを利用した西ridgeの初登頂は1878年にMrs E. P. Jackson、Percy W. Thomas、Aois Pollinger, Josef Truffer, Josef Marie Biner, Josef Imboden and Josef Lengen によって、その後完全な西ridgeの登頂は1882年にPaul Güssfeldt、Alexander Burgener、B. Venetzによってなされました。なお、西壁の直接的ルートはさらにあとの1962年に開拓されました。またSaas-Feeからの東壁ルートや南壁ルートなどが開拓されてきた歴史があります。
さて、Domを見ながらトレッキングコースをさらに進んでいきます。
11番目の案内モニュメントに到着しました。
11番目は「Lenzspitze(4294m)」です。
1870年8月にClinton Thomas Dent、Alexander Burgener、Franz Burgenerが初めて登頂しました。ミシャベル小屋からスタートする東北東ridgeのルートは1882年8月3日にWilliam Woodman Goodman、Ambros Supersaxo、Theodor Andenmattenにより初めて登頂されました。北東壁は500m以上のアイスクライミングの形になり、Dietrich von Bethmann-Hollweg、Oskar and Othmar Supersaxoが1911年7月にそのルートを初登頂しました。そしてその北東壁を1972年7月にHeini Holzerがスキーで滑降して下りました。
レンシュピッツはドームから視線を右に少しずらすとある、こちらにせり出してきている尖った峰です。これでもかというぐらいの尖り具合が特徴です。すさまじい角度の傾斜です。
トレッキングコースはまだまだ登りがつづきます。
行く先の方向、視線を上げるとWeissmies(ヴァイスミース)と迫力あるトリフト氷河が構えています。
しばらく歩くと12番目の案内モニュメントに到着しました。
12番目は「Nadelhorn(4327m)」です。
3つのridgeがそのシャープポイントな頂点を形作っており、それが北側から見た際に針のような見た目のため、針:Needle→ドイツ語でNadelでナーデルホルンといわれています。Franz Andenmatten, Baptiste Epiney, Aloys Supersaxo、J. Zimmermann が1858年9月16日に初登頂しました。
先ほどのレンシュピッツから右に視線をずらすとある、これまた尖った峰が「ナーデルホルン」です。
氷河といい、その形といい隠れた名峰です。ツェルマットの谷とサースフェーの谷の間にはさまれるミシャベル山群ですが、ミシャベル山群の4000m超峰の中で技術的に登りやすいのがドムとこのナーデルホルンともいわれています。
さらにトレッキングコースを進んでいきます。
13番目の案内モニュメントに到着しました。
13番目は「Stecknadelhorn(4242m)」です。
Oscar Eckenstein、Matthias Zurbriggenが1887年8月8日に初登頂しました。
ナーデルホルンから右で視線をずらしていくとあるチョコンと尖ったピークです。
さらにトレッキングコースを進んでいきます。
14番目の案内モニュメントは「Hohberghorn(4219m)」です。
R. B. Heathcote, Franz Biner, Peter Perren, Peter Taugwalder が1869年8月に初登頂を成し遂げました。その北東壁はレンシュピッツほど急峻ではないものの平均50度の傾斜で320mの長さがあり、レンシュピッツを登る人間にとってのトレーニングに適しているともいわれているようです。
ホーベルクホルンはシュテックナーデルホルンの右にあるピークです。
ここで一旦おさらいです。Hohberghorn(4219m)からさらに右に視線を移す前に、トレッキングコースを進むことにします。
さらにトレッキングコースを進んでいきます。
途中小さな湖のような場所を通過します。
18座を眺めるホーサースのトレッキングコースの行程としてはこのあたりで半分が過ぎたあたりになります。
15番目の案内モニュメント「Dürrenhorn(4034m)」に到着です。
1879年9月7日にAlbert Mummery、William Penhall、Alexander Burgener、Ferdinand Imsengが初登頂しました。
先ほどのホーベルクホルンからさらに右に視線をずらすとある山です。
もう少し拡大してみてみましょう。
このピークです。
Nadelgrat(ナーデルグラート)は 4 (or 5) つの4000m超峰のピークからなるRidgeです。その構成峰は Dürrenhorn (4034 m), Hohberghorn (4219m), Stecknadelhorn (4241 m), Nadelhorn (4327 m)で、時々Lenzspitze (4294m)がNadelgratにカウントされます。
まだまだ4000m超の名峰がつづきます!
続きは次のレポートで!
最後に
いかがでしたか?スイス 一気に4000m超の18座を見渡せる絶景!Hohsaas (ホーサース)!④。ツェルマットが絶景トレッキングコースの雄大さは一番ですが、このHohsaas、Saas-Feeエリアは晴れていたらモンテローザ・アラリン・アルプフーベル・テーシュホルン・ドーム・レンシュピッツ、その4000m越えのヨーロッパアルプスを代表する名峰がバッチリ見えて、かつ、人の数はツェルマットより確実に少なくのんびり楽しむことができます。ツェルマット観光に余裕があれば、Vispからもアクセスがシンプルで簡単なこのHohsaas、Saas-Feeエリアに足をのばしてみてはいかかがでしょうか?ツェルマットも絶景に事欠きませんが、こちらのエリアも負けてませんよ!
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