日本の山雪山登山

【雪山山行記】蔵王連峰、日本屈指の樹氷もお釜も眺め抜群で簡単雪山登山

蔵王連峰(ざおうれんぽう)(地蔵山~熊野岳~刈田岳)

宮城県と山形県の両県南部の県境に位置する連峰で、最高峰は標高1841mの熊野岳です。蔵王ロープウェイの蔵王山麓駅からロープウェイで山頂駅に降り立てばそこがすでに樹氷高原です。まさに「スノーモンスター」を間近で眺めることができます。そこから簡単なハイクアップで地蔵山山頂を通過し蔵王連峰の最高峰である熊野岳山頂~お釜を左手に眺めながら刈田岳山頂までのコースで、帰りは行きの行程を往復です。このオーソドックスなコースの他に、蔵王ライザワールドのリフト終点から刈田岳に登るコースもありそこでも多くの樹氷を眺めることが可能です。ただ蔵王ライザワールドのリフトは上り専用使用で下りは使用できない点に注意が必要です。蔵王ロープウェイ蔵王山麓駅の駐車場や建物はよく整備されていてトイレの使用も可能です。蔵王地蔵山山頂駅にはレストランや展望台、トイレがあります。雪原が多くを占め、傾斜が緩いこと、コースが広いことと稜線がないことから、他の登山者とのすれ違いに気をつかうことなく全行程を通してスノーシューで歩くことができます。しかし、お釜を見たいがために淵に近づきすぎるということがないように注意が必要です。また樹氷の根元のツリーホールにも注意しましょう。

蔵王連峰の場所

登山ルート

登山口・ベースの施設

蔵王ロープウェイの蔵王山麓駅です。天気予報で天気が良いと分かっている週末は朝7時台に満車になります。そのような日はかなり早く到着しておくことが必要になります。筆者は朝の6時過ぎに到着しましたが、この日も天気が良いということが予報で分かっていたため瞬く間に満車になりました。

山行記

とある年の3月初めの週末に天気予報で1日中好天であることを確認して蔵王にやってきました。スタートは蔵王ロープウェイの蔵王山麓駅です。途中樹氷高原駅でロープウェイの乗り換えを行い、地蔵山頂駅に向かうロープウェイからの眺めがまず絶景です。ロープウェイが満員で写真を撮ることができなくても心配無用です。地蔵山頂駅に広い展望台がありますのでそこで写真を思う存分撮影することができます。

地蔵山頂駅の展望台から西方向の眺めです。お馴染みの朝日連峰です。向かって左に祝瓶山(いわいがめやま、1417m)、中央には大朝日岳(おおあさひだけ、1871m)、西朝日岳(1814m)、その右方向には以東岳(いとうだけ、1772m)あたりが見えています。それぞれの山については後の写真で説明します。

地蔵山頂駅の展望台から南西方向の眺めです。こちらもお馴染みの飯豊連峰です。中央に大日岳(だいにちだけ、2128m)、烏帽子岳(2017m)、梅花皮岳(かいらぎだけ、1988m)、北股岳(きたまただけ、2025m)、門内岳(1867m)、朳差岳(えぶりさしだけ、1636m)あたりが見えています。それぞれの山については後の写真で説明します。

地蔵山頂駅の展望台から南方向の眺めです。登山用具を装備していなくてもこの絶景が撮れてしまいます。

ズームすると確かにスノーモンスターと言われる所以がわかります。

南西の飯豊連峰方向を見ていると、手前のロープウェイ用の柱のメンテをしているスタッフがいることに気づきました。ご苦労様です。

西方向~北西方向を眺めてみても樹氷は一帯に広がっています。このような中でのスキー・スノーボードは本当に楽しいでしょうね。

地蔵山頂駅の展望台から北西方向を眺めていると、一際目立つ真っ白の山があります。月山(がっさん、1984m)です。筆者のお気に入りの雪山です。

南西方面を眺めなおすと、写真左に西吾妻山(にしあずまやま、2035m)が見えていることに気づきました。さて、地蔵山頂駅展望台を降りて、雪上トレッキングを開始してみます。建物を出たところからスノーシューを装着しました。

雪上トレッキング開始早々、先程まで居た展望台を振り返ります。大朝日岳(1871m)をはじめとする朝日連峰が素敵すぎて見とれてしまいます。

3月の初旬でしたが、もうスノーモンスターは溶け始めてピークを過ぎていました。それでも十分満足です。

地蔵山頂を目指して歩いている時に左手方向(東方向)の樹氷を見てみると、あちらの樹氷はまだまだたっぷり雪が付いているようです。

自由にコース取りをして登山者は雪面を歩いています。樹氷の根本はホールになっていることが多いので注意です。

展望台を見下ろせる場所まで登ってきました。月山(がっさん)は相変わらず素晴らしく美しいですね。

そして北西方向には遠く鳥海山(ちょうかいざん、2236m)が見えていました。これもまた素晴らしく美しい山容です。

そして、暇があれば朝日連峰の眺めが素晴らしいので何度も見てしまいます。

いろんな形状のスノーモンスターがいます。エビのしっぽに覆われたずんぐりむっくりしたモンスターもいました。

朝日連峰から右方向を見渡してみると月山、鳥海山までの位置関係がわかります。では朝日連峰から始めてみましょう。

右に視線を移していくと月山が見えてきます。さらに右に視線を移していきます。

そうすると月山のさらに右奥に鳥海山が見えてきます。

さらに右に視線を移していくとこれが北方向の眺めになります。眼下に登山客やスキー・スノーボード客が多く見えますね。

見渡した景色を一通り楽しみましたので、まずは地蔵山頂まで登りを楽しむこととしました。緩やかな登りを歩き続けます。

地蔵山山頂までは緩やかな登りのところどころに目印の棒が立っていて迷うことはありません。

地蔵岳山頂からの西方向の眺めです。朝日連峰をおさらいしておきます。向かって左に祝瓶山(いわいがめやま、1417m)、中央には大朝日岳(おおあさひだけ、1871m)、西朝日岳(1814m)、その右方向には以東岳(いとうだけ、1772m)あたりが見えています。

北西方向の眺め、湯殿山(ゆどのさん、1500m)、姥ヶ岳(うばがたけ、1662m)、月山(1984m)です。

ほぼ北方向に鳥海山(ちょうかいざん、2236m)です。

北北東方向に栗駒山(くりこまやま、1627m)です。山体が宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがる山で、山頂部は宮城県と岩手県の県境になっています。

北東方向の眺めでは、まず船形山(ふながたやま、1500m)です。宮城県側は船形山、山形県側では御所山(ごしょざん)と言われます。その右方向に見えるのが後白髭山(うしろしらひげやま、1422m)です。

地蔵岳山頂(1736m)に着いたら、次に目指すは熊野岳(1841m)です。先が見えていますし、緩やかな登りなのでのんびり楽に歩いていけます。

地蔵岳山頂から熊野岳に向かう際、右方向(南方向)には左から安達太良山(あだたらやま、1710m)、高山(1805m)、一切経山(いっさいきょうざん、1949m)、西吾妻山(にしあずまやま、2035m)です。次にズームした写真で説明します。

西吾妻山も樹氷を見る雪山で人気ですね。西吾妻山の樹氷は蔵王の樹氷に比べると小柄でリトルモンスターと呼ばれています。

安達太良山(1710m)、一切経山(1949m)方面を見渡しています。

南西方向~西方向には飯豊連峰の眺めです。しっかり見えるのが素晴らしいですね。

朝日連峰をバックに地蔵山頂の標識を記念に撮っておきます。それにしても今日は天気が良いです。

地蔵岳山頂からの見渡しの眺めを一通り楽しみましたので熊野岳に向かって歩くこととします。

エビの尻尾が見事です。天気が良いのでバックの青とのコントラストが良いです。

地蔵岳から以降はこのエビの尻尾付き棒がたくさんあります。

立ててある棒だけでなく、歩く足元もたくさんエビの尻尾があります。

なにかもう言葉にならないエビだらけの風景です。

熊野岳までの緩やかな登りをのんびり歩き続けます。

等間隔に立ててある棒が、もう棒ではなく樹氷+エビの尻尾の塊になっています。

今日は終日天気が良いという予報です。3月以降にこのエリアの天気が落ち着いてきますが、3月に入れば今度は樹氷が減ってきます。そこが悩みどころです。

熊野岳への登りはこの写真の中央に見えているコースや、その他写真左側を巻いて登るコースなどがあります。

筆者は左に巻きながら登るコースを選んでみました。

次のページに続く。

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