日本の山雪山登山

【雪山山行記】北横岳、まさに手はじめにもってこいの雪山

北横岳(きたよこだけ)

本来の名称は横岳(よこだけ)ですが、南八ヶ岳連峰の中に同名の「横岳」があるために、この北八ヶ岳の横岳は「北横岳」と言われます。山頂は標高が2471.6mの南峰と2480mの北峰で、北八ヶ岳ロープウェイで標高約2200mの坪庭まで行けるため、坪庭から山頂までが実質の登山になります。山頂付近で森林限界を超えるまでほとんどが樹林帯の中を登っていくコースで、コース幅はやや狭いためスノーシューよりは坪庭からアイゼン装着で登山開始することが無難です。山頂直下の傾斜は上り下りにアイゼンの効果が十分に発揮されるレベルですが、残りの部分は全体的に傾斜が緩く整備されていて歩きやすい初心者向きのルートです。北八ヶ岳ロープウェイ駐車場、乗り場建物ともに整備されておりトイレや更衣室、レストランに売店と素晴らしいリゾート設備が整っています。

北横岳の場所

登山ルート

登山口・ベースの施設

とある年の1月、北横岳を登りに北八ヶ岳ロープウェイ乗り場にやってきました。朝9時の到着でしたが駐車場はほぼ満車の状態でした。

ロープウェイ乗り場の建物1階はトイレや更衣室、レンタルスノーシューの貸し出し場所があります。

男子更衣室に入ってみました。そこまで広くはないですがちゃんと土足を脱いで絨毯の部分に上がって着替えができるように整備されています。

スキー場でもあり、さすがスノーリゾートという感じです。売店も充実しています。

ゴーグルやネックウォーマー、グローブなどをもし忘れてもここで購入することができ便利です。

山行記

北八ヶ岳ロープウェイで標高2240mまで一気に上がれるため、北横岳登山はロープウェイを使用した場合、標高差約240mの登りという気楽な雪山登山のコースになります。ロープウェイ終点駅を降りるとこのキツツキのモニュメントがあります。

キツツキモニュメントの傍に北八ヶ岳の案内板があります。北横岳までのルートは中央に描かれていますが、短い距離のため目立ちません。

ロープウェイ終点駅の建物から出てキツツキモニュメントまでの間が広場になっていますので、そこでアイゼンを装着します。装着が終われば雪上トレッキング開始です。シンプルに北横岳の印の方向に進みます。

この日は午前中の天気が良いと言われていました。車での到着が予想より遅くなってしまい、10時30分頃のスタートになってしまいましたが、行程の距離が短いのでのんびり行きます。

最初は特に登り下りの少ないコースです。

振り返って見てみました。ガイドする棒も規則的に設置されていて、雪面も歩きやすく整備されています。

ある程度歩いたところで、ロープウェイ終点駅を眺めます。

南方向には左から北岳(3193m)、甲斐駒ケ岳(2967m)、仙丈ケ岳(3033m)が見えています。

進んできた方向から振り返るとこのような眺めです。

緩やかな登りをのんびり歩いていきます。

このあたりは散策路的なコースです。眺めを楽しみます。

これも樹氷と言えるのか?と思いながら写真を撮ります。

散策路的なコースをのんびり歩いていると、この分岐にたどり着きました。ここで左を選択します。

色々な注意事項が記載された看板です。この方向で進み続けます。

今まで散策路的なコースでしたが、今から山中に入っていく感じです。

木々の中に入っていきます。

木々の中のコースは大体がこのような感じです。幅はそこまで広くないのですれ違いや休憩に注意が必要ですが、傾斜は緩いので歩きやすいコースです。

しばらくのんびり登っているとこのような看板が出てきました。北横岳の方向に進み続けます。

まだまだ木々の背が高いです。見晴らしはありませんが木々の自然の中を登り続ける気持ちいいコースです。

緩い登りをしばらく歩いていると北横岳ヒュッテに到着しました。ここで多くの登山者が休憩をしています。

トイレもあります。マナーを守って使用するようにしましょう。

北横岳ヒュッテの傍に周辺案内図の看板があります。現在地のマークがちょうど看板の中央に記されています。今歩いているのはロープウェイ山頂駅から北横岳までの短いコースです。

北横岳ヒュッテを過ぎるとこのような眺めです。本コースは幅が狭いため、看板通り注意しましょう。

木々にかかる雪の量が多くなってきました。標高が上がってきたことを感じます。

そのままのんびり歩いていると山頂(南峰、2472m)に到着しました。この山頂に至る最後の斜面がやや急になっており、アイゼンのありがたみを感じる瞬間です。奥に見えているのは蓼科山(たてしなやま、2531m)です。

山頂(特に南峰)からは南八ヶ岳連峰が目の前に広がっています。向かって左端の方に硫黄岳(2760m)、横岳(2829m)がちょうど雲に隠れているようです。それらの手前に天狗岳(2646m)が位置します。赤岳、阿弥陀岳あたりはかろうじて雲がかかっておらず見ることができました。

そうこうしている間に赤岳や阿弥陀岳にも雲がかかり始めてしまいました。

南八ヶ岳連峰の眺めが悪くなったので、すぐそこにある蓼科山(たてしなやま、2531m)を眺めます。

北横岳山頂の南峰(2472m)から北峰(2480m)に向かって歩いてみます。

山頂付近は強風になることも多く、木々も写真のような形状になっています。山頂の南峰に到着してから強風のため筆者もアウターのフードをかぶっています。

南峰から北峰(2480m)も歩いてすぐの距離になります。周囲の眺めは南峰の時と大きく変わりはありません。

ほんとにすぐそこに蓼科山があります。蓼科山も雪山登山で人気の山です。

北峰から南峰を眺めます。距離はこんな感じです。

登り始めには雲が少なった今日の天気ですが、雲の量が段々増えてきました。今日は南八ヶ岳連峰の眺めを楽しみに来たので、まあ良しとしましょう。

下り始めます。木々の中は静かで無風で快適です。山頂で見舞われた強風とは別世界です。

木々の中のコースをのんびり下り続けます。コース幅は広くはないのですれ違い時に注意です。

最初の散策路のようなコースに戻ってきました。

このあたりはどれを選んでもロープウェイ山頂駅に向かうコースが存在します。帰りは行きとは少し違う散策路のようなコースを選択してみました。

こちらも上り下りのほとんどないコースでした。雲が多くなってきました。今日はこの後天気があまり良くないようです。

のんびり歩いているとロープウェイ山頂駅に到着しました。今日は天気がそこまで良くないものの最低限の眺めの楽しみは満喫できたので良しとしましょう。

最後に

いかがでしたか?北横岳の雪山トレッキングの様子をレポートしました。北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅からの登りになりますので実質標高差240mの登りで、雪山初心者はもちろんアイゼンなどの道具の年度初めの使用テスト等にも適していると思います。スキー場があることと、気軽な雪山登山でも非常に人気のため晴れた冬の週末はロープウェイの運行開始時にすでに長蛇の列になっていることが多いようです。現地(駐車場)に早めの到着がおススメですが、周囲の道路は真っ白に雪に覆われた状況かつ凍結していることが多いので早朝の雪道の運転にご注意ください。南八ヶ岳連峰を間近に眺めたいという方にお勧めの場所それが、北横岳になります、非常に整備された施設・コースで人気なのが理解できます。雪山登山の山選びに本レポートが一助になれば幸いです。

宿泊案内

北八ヶ岳・美ヶ原・霧ヶ峰エリアの雪山登山の際の宿泊地として筆者のおススメは佐久エリアです。佐久エリアからは浅間山の雲の様子が一目でわかること、また、佐久エリアからは浅間山・四阿山エリア、八ヶ岳エリア、美ヶ原や霧ヶ峰エリアなどにも簡単にアプローチでき便利です。天気予報次第で予定変更がしやすいメリットがあり冬山時期には筆者自身はしばしば佐久エリアに滞在しています。

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