会津駒ケ岳(あいづこまがたけ)
福島県の桧枝岐村にある標高2133mの山です。尾瀬国立公園の一部として指定されています。登山中からすでに尾瀬の名峰である燧ヶ岳や至仏山が間近に見えます。頂上付近とその稜線は夏期は草(湿)原で冬期は広大な雪原の斜面となります。会津駒ケ岳山頂から北北西の方向に中門岳(ちゅうもんだけ)山頂がありそこまで足をのばすのも眺めが良いコースです。むしろ絶景を眺めるには、会津駒ケ岳登頂後の中門岳までの稜線がポイントになります。会津駒ケ岳頂上にある標識の傍に立って写真撮影をして、そのまま下山する団体登山の方を良く見かけますが、山々を眺めるのが好きな筆者からするととても勿体ない感じです。燧ケ岳、至仏山などの尾瀬の名峰だけでなく、平ヶ岳、中ノ岳、越後駒ケ岳、丸山岳、谷川岳方面の山々を眺めるならば、中門岳への稜線歩きをおススメします。
登山口の階段を上ると急登が始まりますが、そこで体力を持っていかれないように後半にも体力を温存しながらひたすら登りつづける感じになります。序盤の尾根登りを過ぎればコースは広く雪原のようになっていきます。雪の状態次第ですが、雪がある場所からのアイゼン装着が無難と思います。残雪期はある程度ツボ足で登ることも可能です。残雪期は特にチェーンスパイクの人も多く見られます。なお、冬期は登山口直下の駐車場は車でアプローチできませんので、近隣の指定された駐車場(村営グランド駐車場)を利用することになります。冬期は登山口のトイレが利用不可のことがあり、近隣にある道の駅(尾瀬桧枝岐)のトイレが常時利用可能です。
会津駒ケ岳の場所
登山ルート
山行記
とある年のゴールデンウィーク最後の週末に桧枝岐・会津駒ケ岳登山口前の駐車場までやってきました。駐車場に到着したのは午前4時過ぎで、その時点で登山口に一番近い駐車場は残り2台のスペースになっていました。登山口に一番近い駐車場から少し下にも数台駐車できるスペースがあります。会津駒ケ岳は登山口の駐車スペースは少ないと言わざるを得ませんが、登山口から少し下った村営グランド駐車場にも駐車することができます。その際は登山口まで少し歩きます。4月の除雪が済めば今回駐車した場所まで車で到達することが可能ですが、冬期(~3月末や4月中旬まで)は通行止めのため、今回駐車した場所までは車で到達は不可能です。つまり冬期は村営グランド駐車場に駐車することになります。
3月中旬に会津駒ケ岳を訪れた際のレポートは以下をご覧ください。
3月中旬はこのあたりは数十センチの積雪路ですが、ゴールデンウィークともなると完全にドライです。朝日が昇り始めて辺りが明るくなってきました。
進行方向から右後ろの眼下を眺めます。筆者が駐車した、登山口に一番近い駐車スペースの様子です。ゴールデンウィークということもあり、朝の4時30分にはスペースが満車になっていました。近隣の宿泊施設からの登山者の送迎のバンなどもここまで数台来ているようです。
登山口に一番近い駐車場といっても舗装路を10分程度歩きます。東側が明るくなってきました。
駐車した場所からしばらく歩くと登山口に到着です。
滝沢登山口の標識と、登山届提出用BOX、「駒の小屋は予約制のため予め予約してから登山するように」という注意書きの看板です。
さあ、登り始めます。この階段がスタートです。
先ほどの階段を登り切ったら土と木の根っこからなる通常の森林帯の登山道が始まります。
3月中旬ならばこのあたりはすでに数十センチの積雪の雪斜面です。
3月中旬に会津駒ケ岳に訪れた際のレポートはこちらをご覧ください
森林帯の登山道は他の山々と同じくつづら折りになっています。西方向に向いて歩く際は背中側から朝日を浴びて歩きます。
比較的歩きやすい森林帯歩きが続きます。
木々の高さが低くなってきました。
と思ったら、また森林帯に突入です。
体力を使わずに比較的速く進める登りが続きます。
山頂まで4.1㎞の標識が出てきました。まだまだです。
根の張っている箇所は、急いでいても足を引っかけないように注意です。
若干傾斜が急になってきました。
大きな段差になる箇所は会津駒ケ岳には少なく、登りやすい登山道です。
まだまだ、どんどん登っていきます。
木々の密度が少し低くなってきました。少しづつですが標高が上がってきているようです。
段差の少ない登りやすい登山道の中でも時々岩の段差が出てきました。
向かいの山が見えると、標高が上がってきたことを実感します。
登山道の土が湿ってきました。先日まで雪が残っていたのでしょうか。
道の湿り気からも感じたように、ちらほら残雪が出てきました。
このあたりから登山道の土には多くの水が含まれた状態になり、泥のようになってきました。
雪解け水が上から流れてきているようです。そろそろ雪斜面が近そうです。
行く手に雪が見えてきました。先ほどから足元は泥と雪解け水でドロドロ気味です。
残雪部以外の土(泥)の部分を歩きます。
まだ、残雪部を歩く必要がなさそうです。
さすがに、ここからは雪面歩きですね。
今日はまだまだツボ足で登るつもりですので、滑らないように注意はしておきます。
ありがたいことに先行者のステップがありますので、簡単な登りが続きます。
このまま雪面歩きを続けても、この先やや左方向の土の登山道に入っても登って行けます。左方向の土の登山道を進むとベンチがある場所に行けます。
今回は土の登山道を進むことにしました。
ここも上から雪解け水がどんどん流れてきています。
しばらく土の登山道を歩いているとベンチに到着しました。ここで一旦大休憩です。
このベンチ付近で山頂まで2.9㎞とのことです。まだまだです。
水場の標識もありますがそもそも冬期は期待していません。手持ちの水を摂りながらエネルギー補給をしてしばらく休憩します。
ベンチでの休憩を終了し、また歩き始めます。この日の雪の性質から、まだツボ足で登ることにしました。
日差しが強くなってきましたので、日陰の居心地が良くなってきました。
基本、尾根を直登する感じです。しかし、先行者のステップを踏みながら登るので楽です。
木々の密度が低くなるところも出てきて、進行方向右手の景色が時々見えるようになってきました。
登山者が通る箇所は足跡だけでなく、土の付き具合でも良く分かります。
傾斜はそこまで急ではないのですが、ずっと登り続けている感じです。
ゴールデンウィークの最終の週末で気温も高い日が続いている状況でしたが、踏み抜き多発というほどでもなく歩きやすい雪面でした。
日光が当たっている箇所は体感温度で結構暑いので、さっさと歩いて木陰の部分で多少休憩をしています。
まだまだ登ります。
やはり木陰部分が快適ですね。そうこうしている内に、進行方向左手の景色が開けました。
進行方向左手にとても印象的な山が見えています。ズームしてみます。
日光白根山ですね。さすがに5月ともなると雪がないですね。
さあ、まだまだ直登です。登り続けます。
行く手に印象的な木があります。
毎回この折れた木を通過しますが、ここからまだ登り当分続くことを思い出します。
先ほどの折れた木を通過するあたりで進行方向左手に景色がパッと開けます。間近にとても印象的な山が姿を現しています。
尾瀬の名峰、燧ケ岳(ひうちがたけ)です。綺麗な双耳峰の形ですね。もう少しズームして見てみます。
向かって左が俎嵓(まないたぐら、2346m)、右が柴安嵓(しばやすぐら、2356m)です。今年の燧ケ岳は昨年より雪の量が少ないようです。燧ケ岳も本当に素敵な雪山登山ができるおススメの山です。
前年の燧ケ岳のトレッキングレポートはこちらをご覧ください。
左手に燧ケ岳が見える辺りから雪斜面の傾斜がやや急になるところが出てきました。
そして、進行方向右手の景色は大方開けていることが多くなってきました。
雪面から出ている木々の長さが短くなってきました。5月といえども、このあたりの積雪量が多くまだまだ溶けてきていない感じがします。
雪面から顔を出す木々の高さが低くなってきましたので、歩く場所の木陰部分が少なくなってきました。
先日から気温は高く推移していますが、踏み抜きはなく順調に登り続けています。
先行者のステップを利用させてもらいながら比較的楽に登らせてもらっています。
木々のてっぺんだけが雪面から顔を出すような感じになってきました。
木々も少なくなって進行方向右手の景色は開けてきました。
このあたりまで来ると木陰は期待できません。日射もなかなか強く、体力を奪われないように適宜水分補給をしながら進みます。
3月の時点ではもっと積雪量があって木々も顔を出していないところも、5月ともなれば雪が溶けて雪面から少しだけ木々が顔を出しているような感じなってきています。
このあたりは木々の上部だけが雪面から出ている状況ですので、特に右手の景色はずっと開けて見えるようになってきました。
行く先に三角形の屋根が見えてきました(写真中央やや右)。ズームして見てみます。
駒の小屋ですね。ゴールデンウィーク中は営業されているようです。
ズームから現実に戻ります。先行者のトレースがありますので特に迷うことはありません。このまま登り続けます。
3月に訪れた時よりもこのあたりの雪斜面は各段に登りやすい印象です。ここまで来たらもう焦ることもありませんので、のんびり歩いていきます。
ひたすら一直線で登り続けます。
ズームじゃなくても行く先に駒の小屋の屋根が見えてきました。
たまには振り返って景色を眺めてみます。遠く男体山や女峰山も見えていますね(山の名前特定は別の写真で行います)。
この先、駒の小屋へ向かうか、会津駒ケ岳に向かうかで分岐になります。今回は時間が十分ありますし天気も良いため、まず駒の小屋に向かうことにしました。
分岐点から会津駒ケ岳へ向かうトレースと会津駒ケ岳が綺麗に見えています。
今回はまず駒の小屋へ向かうことにしますので、ここを登っていきます。
登る前に左手にまとめて名峰が見えています。
燧ケ岳(ひうちがたけ)です。向かって左が俎嵓(まないたぐら、2346m)、右が柴安嵓(しばやすぐら、2356m)です。右奥に武尊山(ほたかやま、2158m)がうっすら見えています。
至仏山(しぶつさん、2228m)です。ちなみに至仏山の左奥の雪を被った山が小至仏山(2162m)です。
景鶴山(けいづるやま、2004m)です。これら尾瀬を取り巻く山々です。
のんびり登りながら来た道を振り返ります。遠く女峰山や男体山も見えていますね。
登りながら進行方向右手はこの景色です。
ここまできたら急ぐ必要もありませんので、のんびり登りを楽しみます。
進行方向左手の景色です。武尊山(ほたかやま、2158m)は遠くからみてもすぐ判別できる特徴がありますね。
のんびり景色を楽しみながら登っていると、あっという間に駒の小屋に到着しました。
ゴールデンウィーク期間は営業されています。駒の小屋の前にあるベンチに座って大休憩することにしました。この日は登山口からツボ足でここまで登ってきましたが、ちょうどベンチに座ることもできましたし、ここでアイゼンを装着することにしました。
次ページに続く
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