メガネハイカーなら一度は悩む登山時のサングラス。オーバーグラス、コンタクトレンズ+サングラス、度付きのサングラスを装着するなどの方法がありますが、筆者のおススメはクリップオンサングラスです。
クリップオンサングラスは便利なのですが、従来から「バランスがいまいち」、「スタイルがいまいち」、「すこし古臭い印象あり」等、思われてきた感があります。
そこで、外観面でも機能面でも最近随分と改良されてクオリティの高いクリップオンサングラスが登場したので、筆者は夏にも冬にも登山にもっぱら使用しているモデルがあります。
それが、ハグオザワ(←メーカ名)の「green glass」です。
では今回のレポート行きましょう。
登山にサングラスが必要な理由
それは「紫外線から眼を守る」ということに尽きます。
紫外線は皮膚だけでなく眼にも大きなダメージを与えます。登山・トレッキング・フィッシングなど長時間、強い日差しの下で眼を紫外線に曝すと痛みを伴う炎症を引き起こすだけでなく、眼の障害の原因にもなると考えられています。そこで有害な紫外線を大幅にカットしてくれるレンズが非常に有用になってくるわけです。
筆者は、TMB、Hauterouteを続けて踏破した2018年の夏、ずっとサングラスなしでメガネだけでした。その間の約3週間の照り返しと直射日光の影響で直後より眼が赤く痛くなり、日本に帰国後も年末までずっと眼が不調でした。
急性的な障害で済めばまだマシなのですが、永続的な障害として残ることはできる限り避けなければなりません。
今まで使用していたクリップオンサングラス
「SWANS クリップオン SCP2」を今まで使用していました(今もサブで使用しています)。
SWANS クリップオン はね上げタイプ(SCP2)」のレポートはこちら
そして以下の点が気に入っている点でした。
- 非常に軽いこと
- 外しても専用の薄いケースにいれて上着のポケットに入れておけること
- レンズ以外の部品が目立たず、レンズスタイルがいいこと
しかし以下のような弱点もありました。
- 登山中に強風(かなり強い突風)にあおられた際に吹き飛ぶ
- 屋外で一回外れたらグローブをつけたままで再装着は困難
- 素手で再装着するにしても屋外で立ったままでは若干てこずる
そのため代わりとなるような方法を探りつづけていました。
度付きサングラス、オーバーグラス、クリップオンサングラス?
サングラス単体を裸眼に装着するだけでは視力的に問題のある場合、度付きサングラス、オーバーグラスタイプのサングラス、クリップオンサングラスという選択肢になると思います。またコンタクトレンズを装着してスタイルのいい人気のサングラス(下のリンク参照)をかけるという方法もありますが、コンタクトレンズの扱いという煩わしさがプラスされてしまいます。
度付きサングラス、もしくはメガネレンズに色を付けるという方法は、例えばJINSのようなメガネショップでレンズの色を設定することで簡単に作成することができます。度付きのものを新たに作成するということは、メガネを作成するときの検査もしくは処方箋が必要ということになります。また裏技的にレイバンのウェイファーラーなどのサングラスブランドのフレームに対して度付きレンズを作成して付けてもらうことも可能ですが、見え方や破損に対しては保証外になります。
↑のJINSのウェブサイトでフレームはもちろん、レンズも詳しい説明がありますのでレンズ選びが簡単に行いやすくとても便利なサイトになっています。
また、オーバーグラスタイプのサングラスはTALEXなどがあります。オーバーグラスは一般的にやはりその性格上、見た目が一回りほど大きくなります。
で、結局クリップオンサングラスに戻った理由
最近のアクティブ用のサングラスレンズの多くが「偏光レンズ」を標準仕様としています。
この「偏光レンズ」で起こる問題に注意が必要です。
登山中にとあるミラーレス一眼のファインダーをのぞいた時に、それは起こりました。
次の写真を見てください。
上の写真が偏光レンズなし、下の写真が偏光レンズありの際のファインダー様子です。
筆者が登山・トレッキングに重用するOM-D EM-1 Mark3ですが、そのファインダーと偏光レンズの相性が悪いようです。
偏光レンズを通してファインダーを覗くと、黒い十字模様によって視界が遮られてしまう現象が起きます。
上の写真は「SWANS クリップオン SCP2」でのものですが、他の偏光レンズ(「ハグオザワ green glass」等)でも同様の現象が起きることを後に確認しました。
なお、NIKONのZ6Ⅱではこのような偏光レンズによるファインダーの黒つぶれ現象は起きませんでした。液晶の質が違うことが一番の理由のようです。
この現象の際に、クリップオンサングラスのメリットが活きてきます。
このような現象の際にもクリップオンサングラスならば、跳ね上げてメガネ越しにファインダーを覗くことができるので便利です。撮影が終われば、跳ね上げたサングラスを元に戻してすぐトレッキング再開です。
クリップオンサングラスのメリット・デメリット
クリップオンサングラスのメリット
- 普段のメガネに装着するだけという簡便性
- 跳ね上げるタイプは特に、それが活きる場面がある
- 最近スタイルの良い、レンズ外パーツの目立たない製品が出てきた
- サングラス単体を購入するより安いことが多い
クリップオンサングラスのデメリット
使用しない時のレンズのみの保管が必要
➤最近はレンズケースもかなり工夫されてきている
装着時のスタイルやバランスが人気サングラスのようなベストなプロポーションではない
➤機能面と壊れにくさも大事なので、多少のバランス崩れは致し方ない
「ハグオザワ」の「green glass」➤外観・機能面で良い!
登山・トレッキング時のサングラス探しの旅を続けていた筆者でしたが、最近は今まで記載した内容の通り、クリップオンサングラス、特に「ハグオザワ」の「green glass」を使用しています。
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GR-010C BKMを例に紹介
GR-010Cはウェリントン型のモデルです。同じ型でレンズがグリーンのものとグレーのものがありますが、筆者は色味が変わらないグレーを好んで使用しています。
紫外線透過率は1%以下で、偏光機能のあるレンズです。展開使用時、両サイドの端から端までで143mm、縦には46mmの幅があります。
本体は折りたたむことができるコンパクト設計で、専用ケース付きで持ち運びに便利です。
専用ケースは本体を折りたたんだ状態でジャストフィットになるように設計されています。
使用するには、折りたたまれた状態から上の写真のように展開します。
180度展開するとカチッという触感で固定されたことがわかります。
次に、展開した状態で裏返すと上の写真のような状態です。
ここからクリップ部分をレンズ側に倒します。
クリップ部分をレンズ側に目いっぱい倒したら、次はメガネに装着です。
上の写真のように、鼻当ての脇に差し込むように、クリップでメガネを挟み込みます。
クリップでメガネを挟み込んだら上の写真のようになります。
メガネフレームが分厚いと、クリップによる挟み込みが困難になりますので注意が必要です。
上の写真で使用しているメガネは端から端まで横幅140㎜ですが、レンズもフレームも完全にクリップオンサングラスで隠れます。
斜めからみた様子です。クリップオンサングラスがメガネに結構密着していていい感じです。
クリップオンサングラスは装着したままの状態で、4段階で跳ね上げが可能です。小気味よい触感でカチカチっと角度が決まります。
目いっぱい跳ね上げた状態です。ここまで跳ね上がってくれると、ファインダーを覗くときも邪魔になりません。
実際使用においてもクリップ部分は鼻付近の視界の妨げにはならず、外観上も目立たない形状になっています。
「ハグオザワ」の「green glass」➤スタイルの選択肢が多くて良い!
眼鏡好きなメガネハイカーなら、ウェリントンやボストン(ボスリントン)、スクエア型と言えばその形が大体お分かりになると思います。ハグオザワのグリーングラスでは上記3種以外にもいろんなスタイルの販売が展開されています。なお、品揃えとしてはamazonかビックカメラ、楽天市場(特に楽天ビック)が豊富にそろえてある印象です。
GR-010C BKM
GR-008C BKM
GR-016C BKM
上の写真はGR-008Cを装着したものになります。ボストン(丸みをもたせた形状)にウェリントンのテイストが混ざった、ボスリントン型ともいえる形状でおしゃれなスタイルになります。
次にGR‐016Cを装着した写真です。基本はスクエア型ですが、やや縦幅もある大き目のスクエアと言ったスタイルになります。このモデルは横幅もやや大き目でメガネが余裕を持って隠れています。
「ハグオザワ」の「green glass」➤手に入れやすい価格!
ジャストフィットのコンパクトな収納ケースが付属していて、かつ手に入れやすい価格もハグオザワのグリーングラスの魅力の一つです。市場価格としては各モデル目安3500円~4000円で販売されています。なお、品揃えとしてはamazonかビックカメラ、楽天ビックが豊富で、筆者も後2社から購入しています。
GR-010C BKM
GR-008C BKM
GR-016C BKM
ハグオザワのgreen glassは上で挙げた3モデル以外にもいろいろラインナップされています。下のリンク先をご参照下さい。
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最後に
メガネハイカーが必ず一度は悩む登山中のサングラス。今回は最近筆者が使用しているクリップオンサングラス「ハグオザワ green glass」をレポートしました。シンプルさや丈夫さで選べば度付きのサングラスを作成して普段のメガネとは別に登山に携行するのが一番かもしれません。しかし、本レポートに挙げたような、カメラのファインダー液晶との相性が悪いなど偏光レンズの特性上、クリップオンサングラスの跳ね上げ特性が活きてくる場面もあります。いろいろ寄り道をした結果、筆者はクリップオンサングラスに戻ってきました。一昔前に比べてクリップオンサングラスがスタイリッシュになり、クリップ部分が目立たないようになってきました。冬山登山はもちろん残雪期登山や夏山登山でも目を紫外線から守るためにクリップオンサングラスはいかがでしょうか?
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