北極点からわずか1300㎞。1000人以上の人が定住する地としては世界最北の町、ノルウェー スヴァ―ルバル諸島のロングイェールビーン。冬の間に出現する氷の洞窟に現地発のアクティビティで行くことができます。極地の自然の神秘と驚異を感じることができる体験を実際の写真をもとに解説します。
スヴァールバル諸島・ロングイェールビーンの位置
上のマップ上、オレンジのピンがロングイェールビーンです。
比較として、ブルーのピンを打ってみました。ブルーのピンは北欧4国各国の首都の空港です。
グリーンのピンはトロムソ空港(TOS)です。ロングイェールビーンにはオスロ空港からのダイレクト便か、トロムソ空港からのフライトを利用することになります。
ロングイェールビーンへのアクセスについて以下にまとめていますのでどうぞご覧ください。
ロングイェールビーンの町の地図
ロングイェールビーンの街中心部の地図に色分けしたピンを打ってみました。両側を山に囲まれているため縦に長い町になります。
紫色のピン:ホテル
グリーンのピン:スーパーマーケット
ブルーのピン:教会、博物館、観光案内所等
オレンジのピン:レストラン
上のマップの最上部グレーのバー左端のアイコンをクリックすると、それぞれのピンの詳細表示をご覧になることができます。
ロングイェールビーンの町の様子に関しては以下にまとめていますので是非ごらんください。
今回参加したのはこちら
数あるアクティビティ催行会社の中の一つ、Svalbard Wildlife Expeditions ASが催行するIce Cave (氷の洞窟)探検アクティビティに参加しました。
Svalbard Wildlife Expeditions ASの公式ウェブサイトはこちら
スヴァールバルのアクティビティを催行会社問わずほとんどすべて網羅しているのが、Visit Svalbardのウェブサイトです。このサイトはIce Cave、犬ぞりツアー、スノーモービルツアーなどすべてのアクティビティをジャンル分けして紹介・予約サイトまでリンクしていますので非常に便利です。
各ホテルでもアクティビティの受付を行っていますが、注意点としては、ホテルによっては特定の催行会社しか紹介していないことです。(ホテルによっては催行会社と経営母体が共通のため、特定の催行会社しか紹介していません)。現地ですべてのアクティビティをチェックしたい場合は、上記のVisit Svalbardのウェブサイトにアクセスするか、Turist infomation(ロングイェールビーンの街の様子の投稿参照)に行きましょう。
いざ出発、の前に
まず装備の確認です。各ホテルで参加者はピックアップされ、催行会社のバンでロングイェールビーン一番奥にあるNybyenまで行きます。バンから降りて簡易クランポン(ゴム製アタッチメントでどんなサイズにも適応する便利なクランポンです)、ヘルメット、ヘッドライトを借りることができ、皆自分で装備します。クランポンを皆装着したら雪山登山開始です。
登山開始場所からみたNybyen地区の風景です。ホテルのCoal Miner’s CavinsとGuesthouse 102が見えています。
バンから降りて、ガイドを先頭に参加者みんなで歩き始めます。行程は登り2時間の予定です。今回の参加者は全員男性です。
正面に見えている山の左側をトラバース気味に登っていきます。
トラバースと言えども、結構急な斜面に張り付くように横切っていきます。滑落は死亡事故につながります。クランポンなしでは歩行不可能な場所です。
振り返るとだいぶ登ってきたことがわかります。Nybyen地区が小さく見えます。ロングイェールビーンの中心は隠れて見えなくなりました。
Nybyenからずっと登りのため、時々休憩をはさみます。なかなかの絶景です。
頂上部分までの最後の20分はかなりの登りがつづきます。時々深雪でずっぽりハマってしまい体力を奪われます。
氷の洞窟の入り口がある山の頂上付近に到着しました。もうNybyen地区もロングイェールビーンの町も見ることはできません。
ガイドが新雪で覆われた氷の洞窟の入り口を大きなスコップで掘り進んでいきます。アクティビティ参加者はここでヘルメットとヘッドランプ着用の最終確認を行います。バックパックを背負って入ることはできませんので、入口部分でバックパックをデポします。山頂は風が強いのでみんなでバックパックをポールに括り付けます。
洞窟の中には滑り台の要領で一人ひとり入っていきます。
Ice Cave (氷の洞窟)へ
氷の洞窟の入り口から皆滑り台の要領で洞窟まで下ってきました。雪原の下に想像を超える世界が広がっています。ガイドを先頭にどんどん進んでいきます。
洞窟を形成している氷河の壁はマーブル模様になっています。その時その時の砂の層を挟んでいるのが理由です。
何か他の惑星を思わせるような、綺麗なマーブル模様です。そして意外なことに洞窟の中はそこまで寒くありません。
そしてこのマーブル模様の壁はついずっと触りたくなるほどツルツルです。洞窟内だけでも歩いて10分ほどの距離があり、ある程度歩いたところで皆で座ってコーヒーとビスケットを食べてエネルギー補給をしました。
ガイドのアイデアで、この洞窟を出て、さらにもう一つの氷の洞窟に行ってみることにしました。
この氷の洞窟は高低差のある縦に長い洞窟で、入口からも長い滑り台のようにして洞窟内に下っていきました。
まだまだ下に先が続いている氷の洞窟の様ですが、観光用途には耐えることができない(狭い、安全が確保できない)ということで今回はここから眺めるに留まりました。
ここでも綺麗なマーブル模様の氷の壁を堪能しました。光の反射具合から質感をわかっていただけるでしょうか。
2つの氷の洞窟を楽しんだら今度は来た道を下って帰ります。
皆さんお気づきのようにガイドはライフル銃を持っています。ここスヴァールバルでは住居ゾーンを除いて町中心から出る場合は、北極グマに遭遇した場合に備えて護身用に銃を持つことが許可(持つように考えられています)されています。
ガイドのアイデアで少し寄り道です。多くの岩が氷によって結合して洞窟になっています。
純粋な氷の洞窟とはまた異なった世界を作り出しています。
まさに自然が作り出した自然のトンネルです。
3つの洞窟を楽しんだ後、Nybyen地区に向けてみんなで下っていきます。
Nybyen地区に帰ってきました。今回の行程は朝9時に出発14時に帰ってくるという計5時間のアクティビティでした。2時間の雪山の登り、狭い洞窟で屈まないといけないことを考えると万人向けのアクティビティではありませんが、夏山登山経験者で体調に問題がなければ何も問題ないレべルです。
最後に
いかがでしたか?スヴァールバルのIce Cave(氷の洞窟)。ここスヴァールバルではIce Caveアクティビティを催行するアクティビティ催行会社が複数あり、気軽に楽しむことができます。スヴァールバルにお越しの際は、もちろん冬の気温は-15℃~-20℃ですのでそれなりの服装・装備は必要ですが、それらを踏まえた上でこれらの自然の神秘と驚異を体感できるアクティビティを是非楽しんでみてくださいね。
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