スウェーデンラップランド 冬のアクティビティ北欧

冬のラップランドを楽しむ! 犬ゾリ編

北極圏以北に位置するラップランド。フィヨルドや深いU字谷、クングスレーデンに代表される壮大な大自然が広がる地域です。冬のラップランドもアクティビティがいっぱい。その中でも人気の一つが犬ぞりです。

今回は「犬ぞり」で1泊2日かけて雪原を駆け抜けてきましたので、実際の写真とともに紹介します。

どこで犬ぞりを体験する?

冬のラップランド地域では「犬ぞり」は人気アクティビティの一つです。ラップランド地域では基本的にどこでも冬に犬ぞりを体験することができますが、以下のメジャーな観光地では観光客用のツアーが用意されています。日本の窓口で申し込めるプランも多くあります。

  • フィンランドロヴァニエミサーリセルカなど
  • スウェーデンキルナアビスコアイスホテル(ユッカスヤルヴィ)など
  • ノルウェートロムソなど

すべての地域でオーロラも見れますので、併せて日本からの人気ツアーも数多くあります。また現地での「犬ぞり」ツアー受付もできます。例えばアビスコSTFでは冬の間ほぼ毎日アクティビティの受付をしています。

そしてあえてメジャー所を外す!

ラップランド自体どこでも大自然そのものです。しかし、あえてメジャーな観光地を外して大自然を堪能する、それも最高な体験ができます。「Dog sled」等でweb検索してみてください。きっと色んな個人ツアーガイドのwebサイトが見つかると思います。それぞれ特徴あるガイドが個人ツアーを紹介しています。

そこで、今回はスウェーデン北部「Årrenjarka (アレンヤルカ)」というマイナーな場所を選び、「Sarek National Park」を1泊2日かけて犬ぞりで雪原を駆け巡る体験をしてきました。

Årrenjarka (アレンヤルカ)までのアクセス

アーランダ空港からLuleå(ルレオ)空港まで飛行機で1時間、その後レンタカーで約4時間でÅrrenjarka(アレンヤルカ)に到着です。

ルレオ空港付近の道路は融雪されていますが、街を出ると道路は凍結、湖・河川も凍結しています。冬の北極圏は明るくならないことにも注意が必要です。

そしてレンタカーで4時間は結構な距離です。本当に人里離れた森林の中にアレンヤルカの宿泊施設(Årrenjarka Fjällby AB)があります。(アクセスの良いキルナやアビスコの観光ツアーが人気なのもわかります)

Årrenjarka Fjällby AB

Årrenjarka(アレンヤルカ)にある宿泊施設です。これがまた素晴らしく綺麗で居心地の良いログハウス調の施設でした。メインの建物にはレストラン・ロビー・売店、離れにログハウス調のコテージがあります。コテージには共用キッチン・ダイニングスペースがありすべてが綺麗に維持されていました。是非夏に訪れて再度泊まりたいと思える施設でした。

Årrenjarka Fjällby ABのウェブサイトはこちら

まずは犬達とご対面!

ストックホルムからアレンヤルカまでのアクセスで半日かかり、到着日の晩はÅrrenjarka Fjällby ABのコテージに泊まりました。

翌朝、ウェブサイトで申し込んでいた個人ガイドのTor-Henrikさんに犬ぞりについての簡単なインストラクションを受けて、今回担当のハスキー犬達とのご対面です。

我々がやってくることを察知した犬達が柵の中で激しく吠えまくっています。Tor-Henrikさん曰く「犬達は外に出かけたくて仕方がなくて興奮している」とのことでした。

自分のソリを担当する犬を紹介してもらった後は、ハーネス(首輪と前足にかける輪)を各自自分で犬達に取り付けて出発です。

(犬達が興奮しているのと、犬達の力が非常に強いのでハーネス装着は一苦労でした。)

犬ぞりの仕組み

今回使用した犬ぞりは上の写真のタイプのもので、

各犬達のハーネスにつながっているロープで犬ぞりを引っ張ります。

人間が乗る部分は幅10㎝もない板です。両サイドの板の間は空いています。

ブレーキは2種類装備されています。1つはピッケルの先のような鋭利な金属でできていて雪面に刺さるタイプのブレーキです。もう1つは、洗濯板みたいな形状の金属板でできたブレーキです。前者が点で鋭くブレーキをかけるのに対して、後者は面で緩やかにブレーキをかけることができます。

人が乗る部分の前側に荷物をいれる部分があります(赤い部分)。これが結構くせ者で、バランスよく収納しないとカーブで振られてコントロールが困難になります。

思ったより、ぐんぐん進みます

感覚をつかめるまで、やっぱり何回かこけました。

特にカーブ。「ブレーキをかけすぎると犬達に悪いかな」と思って速いスピードでカーブを曲がったら本当にきれいに体だけ吹っ飛ばされました。横Gおそるべし、です。

自分の体が痛いのも勿論、問題は自分が乗っていない犬ぞりが犬達の気分次第でどこまでも走り続けることなんですね。ガイドのTor-Henrikさんに何度ソリを捕まえに行ってもらったことか…。

以降、犬達には悪いのですがしっかり面ブレーキをかけるようにしてカーブ・起伏を走るようにしたら転倒しなくなりました。

大雪原の中を走り抜けます

犬達にも時々休憩してもらいますが、彼ら(彼女ら)はいつも走りたくてたまらない様子です。

今晩の山小屋に到着

アレンヤルカを出発して約6時間、とある山の頂上付近にある山小屋に到着しました。犬達をねぎらいながら、近くの木々に犬ぞりを固定します。

ガイドもツアー参加者も一緒に本日の晩御飯を作ります。この山小屋はベッドが3つで小さいものでしたが、北部スカンジナビアの他の山小屋と同様暖炉とガス付きのキッチンを備えていました。(写真はフラッシュ付きで撮っています。)

山小屋には電気はありません。ロウソクをともすと何ともムードのある空間ができあがります。残念なことに今回のツアーは厳つい男3人です・・。

ディナーの準備をしている間に辺りは暗くなってきました。飲料水を確保するためにガイドのTor-Henrikさんが雪面を堀り始めます。

「ここの下に川が流れているんだ」と言って雪面を掘り始めること約2m、見事に川を掘り当てました。夏の間に川の近くの木にマーキングをしているようです。

本日のディナーはマッシュポテトとサーモンのバターソテーです。これらはシンプルなスウェーデン料理で普段食べ飽きているのですが、この時の料理は特別美味しく感じました。暖炉のおかげで小屋内は暖かく、薄着でくつろいでます。

ディナーの後はアルコールと疲れのせいかすぐ寝てしまいました。途中トイレに行くときにオーロラが見えたのですが、寝ぼけたまま寒すぎて(-20℃でした)すぐ小屋に入って再び寝てしまいました。

犬達も疲れてきたかな?

人間は小屋に入って一晩を過ごしますが、その間犬達はどうしているとおもいますか?

彼らは外で雪の上で素のままで寝ています。

ガイドのTor-Henrikさん曰く、毛皮と脂肪のおかげで人間が感じるほどの寒さを感じていないんだとか。

2日目は、来た道とほぼ同じ道を通りアレンヤルカまで帰ります。

初日ははしゃぎまわっていた犬達も2日目は少しおとなしくなりました。

この後まもまくスタート地点のアレンヤルカに到着し、担当してくれた犬達とハグしてお別れしました。

犬ぞりのTIPS

冬のラップランドでの犬ぞりは素晴らしい体験です!が、少し気になる点もあります。前もって心構えしておけばもっと楽しめますのでお教えします。

レンタルできるものはレンタルする。

自前のグローブで犬の世話・ソリの運転・その他雪原上のすべてをこなすと・・・。わかりますよね。

そうです、臭くなります。特にグローブはレンタルできるならレンタル。レンタルできないことも踏まえて、捨てても構わないグローブを持って行く、などがおススメです。

犬は走りながら、ウ〇コとオシッコをする。

後ろの人間めがけて、しぶきや破片らしきものが飛んできます。サングラスや伊達メガネ、やっぱりレンタルグローブが重宝します。気になるひとはウェットティッシュも常時携帯どうぞ。

ウールの分厚い靴下を着用する。

スノーブーツをレンタルしてもなお、指先が冷えてきます。

コットン製品は汗を吸ったあと乾きにくいので、汗を吸わないウール製品がおススメです。寒い地域では服装の最外層と身体の間に空気の層を設けることが一番保温に効果があると言われています。(例、ダウンや分厚いウールの靴下など)

最後に

いかがでしたか。冬のラップランドの人気アクティビティーの1つ「犬ぞり」。今回はあえて観光客にはあまり知られていないマイナーな地域での個人ガイドツアーを利用しました。もちろん上記で挙げた観光地の中では現地で申し込みできるツアーもありますし、日本発のツアーや日本に窓口があるツアーもあります。スカンジナビアの冬の大自然を楽しみたい方は、是非機会があれば体験してみてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました