新型コロナウイルスの影響で2020年~2021年にかけての冬シーズンは海外旅行はおろか国内旅行も控えることになり、人々の旅行のプランは今までと全く変わってしまいました。そしてコロナ明けと言われる時期が来ることを願って旅のプランニングをしている方も多くおられると思います。
北欧でのオーロラ撮影情報を多く収めている本サイトでは、個人でのオーロラ撮影旅行の持ち物・カメラ・レンズ・機材についてのご質問をしばしばいただいており、その都度個別に筆者個人の出来る範囲でお答えしています。
さあ今年もやりますこの企画!いろいろ状況が変化し、2022年冬~2023年春のシーズンにおいてはそろそろオーロラ撮影旅行を実際に計画している方も出てきました。「オーロラ撮影旅行に持っていくカメラ・機材 どれがいい?に答える!今年ならこれだ!【2022年版】」と題して筆者の独断で紹介していきます。
- オーロラ撮影 カメラとレンズの組み合わせ ポイント!
- オーロラ撮影のカメラとレンズなら【Nikon編】
- 新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
- 取り回しやすさも考えるべし
- NIKONの今後:SIGMAのZマウントレンズに期待
- SIGMAのレンズを使いたいならPanasonic Lumix S1もアリ
- オーロラ撮影のカメラとレンズなら【Fujifilm編】
- 新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
- APS-Cセンサーのカメラシステムのポイント
- オーロラ撮影のカメラとレンズなら【オリンパス・OM SYSTEM編】
- 新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
- マイクロフォーサーズのカメラシステムのポイント
- その他のメーカーのカメラは?
- 最後に
オーロラ撮影 カメラとレンズの組み合わせ ポイント!
暗い場所で光を取り込む必要がある。
➤センサーサイズが大きく、画素数の少ないカメラが有利(撮影素子1個当たりの光の取り込みが多くなるため)
頭上の空一面に出現するオーロラなど、一度に広い視野を撮影することが多い。
➤超広角(35㎜換算で24㎜以下の画角)のレンズが有利。できれば20㎜以下の画角が◎
シャッター時間を短くすることでカーテン状のヒラヒラ感をあるオーロラを撮像することができることがある。
➤とにかく明るいレンズ(開放F値の小さいレンズ)が有利
-30℃~-20℃の極寒の中ではバッテリーがすぐに0になる。
➤予備バッテリーが複数個必要
オーロラ撮影のカメラとレンズなら【Nikon編】
実際のフィールドテストや落下試験等、防塵防滴や低温環境に対して信頼感があり堅実な作りのカメラを製作しつづけているのがNikonです。上記のポイントの通り、画素数の多いカメラの必要は全くありませんので、実際はZ6ⅡやZ5がコストパフォーマンスが良い機種になります。
まずカメラに関してですがNikonのミラーレス機では以下の選択肢になります。
1.せっかくのオーロラ旅行。惜しみなくお金を使いたいという方➤Z9
2. 1ほどではないが、せっかくのオーロラ旅行。奮発してもいいよという方➤Z6Ⅱ
3.1や2ほどではないが、せっかくなのでフルサイズセンサーで撮影したい方➤Z5
次にレンズに関してですがNikon純正のレンズなら以下の選択肢になります。
1.せっかくのオーロラ旅行。惜しみなくお金を使いたいという方
2. 取り扱いの簡単な単焦点で撮影して、後で必要に応じてトリミングでいいよという方
予備バッテリーも絶対に2個以上必要です。忘れずに持って行きましょう。
新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
最近カメラの値段がとても高くなりましたね。一昔前から考えると考えられないような値段になっています。その中でもNikonは良心的な価格設定を継続している方で、性能がずば抜けて良いフラッグシップのZ9でも他社のフラッグシップと比べると安く感じてしまうほどです。
またレンズもNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sはさすがにブランド名を背負う大三元レンズとして高価格ですが、超広角単焦点のNIKKOR Z 20mm f/1.8 Sは購入しやすい価格設定になっています。
しかし、それでも新品カメラと新品レンズの価格が高いことには変わりありません。そこで是非利用をお勧めするのが「中古カメラ」と「中古レンズ」です。
皆さんおなじみ、通販で中古カメラ・中古レンズを購入する際の3大ショップが以下の3つです。筆者もこの3つのショップからかなりの頻度で中古機材を購入しています。
中古カメラ・中古レンズ購入の体験とポイントについてはこちら
今、中古カメラで狙うならNikon Z6
新品より価格が安くなる中古カメラといっても、現行販売品の中古価格はそこまで安くなりません。そこで狙うべきは、中古価格が安くなる型落ちのモデルということになります。
その中でも現行販売品とセンサー能力が変わらない(もしくはほとんど変わらない)モデルが狙い目です。
今、中古カメラで狙うなら➤Nikon Z6
オーロラ撮影ではー30℃~-20℃という極寒環境に加えて、付着した雪が溶けて機材が濡れるということは必発ですので、現在使用されているカメラ機材とは別にオーロラ撮影用に中古カメラ・レンズで揃えてしまうのも十分アリだと思います。
取り回しやすさも考えるべし
オーロラ撮影旅行のカメラ機材選択には以下の点に注意が必要です。
機内持ち込み荷物にはサイズ制限がある
まず機内持ち込み制限内にサイズが収まる必要があります。高価なレンズになりますのでレンズむき出しで持って行く人はいないと思います。実際、レンズケース(レンズバッグ)を使用するか、カメラに装着した状態でホルスタータイプのカメラバッグに収納した状態で機内持ち込みバッグに入れることが多くなります。
撮影現場ではシンプルさが第一
現場はー30℃~-20℃で、非常に細かい雪の結晶が舞っていることが多いです。素手を出そうものなら手が痛くて数秒しか耐えられません。基本的に手袋をして機材を触ることになります。構図を決めるために三脚の高さ・雲台の角度を設定すること以上に、ズームレンズまで調整する余裕があるかどうかの保証は極寒の状況では実際はありません。ましてや、レンズ交換はしない方が絶対に良いと思います。そこで筆者のおススメは「明るい広角単焦点レンズ」です。
➤ニコン純正の明るい広角単焦点レンズ➤NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
NIKONの今後:SIGMAのZマウントレンズに期待
筆者が北欧在住時、オーロラ撮影で現地のガイドの多くがSIGMAの明るい超広角単焦点14㎜と20㎜を使用しているのを見ました。現在はまだZマウントでは製作されていませんが、今後Zマウントでこの2つが登場したらオーロラ撮影に使用するレンズとしては最有力になることは間違いないと思います。
なお、ニコンFマウント用のレンズを使用するのも手ですが、極寒で濡れる可能性が出てくる状況でFTZを介して使用するのはあまりお勧めではありません。
SIGMAのレンズを使いたいならPanasonic Lumix S1もアリ
現在、マウントアダプターを介さずにSIGMAの14㎜、20㎜、14-24㎜を使用したい場合はカメラをPanasonic Lumix S1にして使用するのが一押しです。14-24㎜はF2.8通しにも関わらずコンパクトで比較的購入しやすい価格の素晴らしいレンズです。
Panasonic Lumix S1も頑丈でかつ使いやすいユーザーインターフェースで素晴らしいカメラですが、Z6やZ6Ⅱと比べるとサイズが大きく、やや重くなります。
➤SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art / L-mount
➤SIGMA 20mm F1.4 DG DN Art / L-mount
➤SIGMA Sigma 14-24mm F2.8 DG DN Art / L-mount
オーロラ撮影のカメラとレンズなら【Fujifilm編】
フジフイルムもフラッグシップは防塵防滴・耐低温に対応したモデルを作り続けています。最初に挙げたポイントの通り、APS-Cセンサーならば2000万台の画素で十分(それより低くくても十分良い)です。しかも今年発売された第5世代センサーの4000万画素も評判では暗所撮影に耐えられるようで、最近の技術革新を感じます。今なら実際はX-T3が一番コストパフォーマンスが良いと思います。
まずカメラに関してですがフジフイルムでは以下の選択肢になります。
・最新にこだわりたい、そして最新高画素機を試したいという方には➤X-H2
・最新にこだわりたい、そして安定の2600万画素でという方には➤X-H2S
・最新にこだわりたい、最新高画素+コンパクトにもこだわり➤X-T5
・安定の2600万画素、評価の確立しているセンサーでという方には➤X-T4
・X-T4と同じセンサーで手振れ補正なしで十分という方には➤X-T3
・さらにコストパフォーマンスをねらいたいという方には➤X-T2
次にレンズに関してですが以下の選択肢になります。
・フジフイルム純正なら3択
・現地でよく見るレンズ
・現地で使っているのを見たことがないが、とても興味深いレンズ
予備バッテリーも絶対に2個以上必要です。忘れずに持って行きましょう。
新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
2度目ですが、最近カメラの値段がとても高くなりましたね。一昔前から考えると考えられないような値段になっています。その中でもフジフイルムは良心的な価格設定を継続している方で、フラッグシップのX-H2やX-H2Sでも市場価格は他社のフルサイズ機に比べるとまだかろうじて購入を考えることができる価格帯にとどまっています。
またレンズもXF8-16mmF2.8 R LM WRはさすがにブランド名を背負う大三元レンズとして高価格ですが、広角単焦点のXF16mm F1.4 R WRやXF16mm F2.8 R WRは購入しやすい価格設定になっています。(しかし2022年後半に施行された値上げでレンズも結構価格が高くなりました)
新品カメラと新品レンズの価格が高いことには変わりありません。そこで是非利用をお勧めするのが「中古カメラ」と「中古レンズ」です。
皆さんおなじみ、通販で中古カメラ・中古レンズを購入する際の3大ショップが以下の3つです。筆者もこの3つのショップからかなりの頻度で中古機材を購入しています。
中古カメラ・中古レンズ購入の体験とポイントについてはこちら
今、中古カメラで狙うならフジフイルム X-T3、X-T4
新品より価格が安くなる中古カメラといっても、現行販売品の中古価格はそこまで安くなりません。そこで狙うべきは、中古価格が安くなる型落ちのモデルということになります。
X-T5、X-H2が発売されたことで、良質なX-T4の中古品数がとても充実していること、さらには新製品であったX-H2Sでさえ市場価格が下がっています。その中で今、中古カメラで狙うならX-T4、X-T3です。特にX-T3は最終のファームウェアに更新することでオートフォーカスも早く何か新しいカメラになったような感じになりました。手振れ補正が不要ならば最もおススメできる機種になります。
今、中古カメラで狙うなら
オーロラ撮影ではー30℃~-20℃という極寒環境に加えて、付着した雪が溶けて機材が濡れるということは必発ですので、現在使用されているカメラ機材とは別にオーロラ撮影用に中古カメラ・レンズで揃えてしまうのも十分アリだと思います。
APS-Cセンサーのカメラシステムのポイント
・フルサイズセンサーでシステムを組むよりも、カメラ+レンズのサイズがコンパクトになる。
・APS-C規格レンズの16㎜は、35㎜換算で24㎜になることに注意。(画角が約1.4~1.5倍計算になることに注意)
・特にフジフイルムの場合、現行品でも発売開始から年数が経過しているレンズは中古で買うとかなりお得になることがある。(新品と中古品の値段差が比較的大きい)
オーロラ撮影のカメラとレンズなら【オリンパス・OM SYSTEM編】
登山御用達のオリンパス、OM SYSTEMも従来からフラッグシップには防塵防滴・耐低温を貫いています。そして他社よりも防塵防滴・耐低温に対して頑強であることがウリです。センサーサイズがマイクロフォーサーズになり、フルサイズセンサーの約1/4の面積になります。その分コンパクトで軽量なカメラになることが特徴です。センサーサイズが小さくなるため、オーロラ撮影に関しては高画素であることは全く必要ありません。
まずカメラに関してですがオリンパス・OM SYSTEMのミラーレス機では以下の選択肢になります。
1.現行のフラッグシップにこだわりたいなら➤OM-1
2.最新のモデルでコンパクトにこだわりたいなら➤OM-5
3.2.と同じセンサーで従来のフラッグシップでコスパ良し➤OM-D E‐M1 MarkⅢ
4. 防塵防滴・耐低温、これでも十分使える➤OM-D E‐M5 MarkⅢ
次にレンズに関してですが以下の選択肢になります。
オリンパス・OM SYSTEM・Panasonic純正なら3択
➤M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
➤M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
➤LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
超コンパクトサイズかつ描写能力で評判がすでに確立している超広角単焦点レンズ
予備バッテリーも絶対に2個以上必要です。忘れずに持って行きましょう。
新品の価格が高い!➤実はカメラもレンズも中古で十分!
3度目ですが、最近カメラの値段がとても高くなりましたね。一昔前から考えると考えられないような値段になっています。その中でもOM SYSTEMは良心的な価格設定を継続している方で、フラッグシップのOM-1でも市場価格はかろうじて購入を考えることができる価格帯にとどまっています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROはブランド名を背負う大三元レンズですが他のセンサーサイズの大三元レンズに比べると約1/2の価格で、しかもアダプターなしで装着できる純正で素晴らしいフィッシュアイレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROがあるのもメリットです。
しかし新品カメラと新品レンズの価格が高いことには変わりありません。そこで是非利用をお勧めするのが「中古カメラ」と「中古レンズ」です。
皆さんおなじみ、通販で中古カメラ・中古レンズを購入する際の3大ショップが以下の3つです。筆者もこの3つのショップからかなりの頻度で中古機材を購入しています。
中古カメラ・中古レンズ購入の体験とポイントについてはこちら
今、中古カメラで狙うならフジフイルム OM-D E-M1 MarkⅢ
新品より価格が安くなる中古カメラといっても、現行販売品の中古価格はそこまで安くなりません。そこで狙うべきは、中古価格が安くなる型落ちのモデルということになります。
OM-1そしてOM-5が発売されたことで、OM-D EM1 MarkⅢが生産終了になりました。ということで今、中古カメラで狙うならOM-D EM1 MarkⅢです。オリンパス・OM SYSTEMのミラーレス機はセンサークリーニングが非常に強力で、筆者も代々つかっていますがいまだにセンサーにゴミがついたことがありません。これは出先で非常に有利な点になります。
今、中古カメラで狙うなら➤OM-D E-M1 MarkⅢ
オーロラ撮影ではー30℃~-20℃という極寒環境に加えて、付着した雪が溶けて機材が濡れるということは必発ですので、現在使用されているカメラ機材とは別にオーロラ撮影用に中古カメラ・レンズで揃えてしまうのも十分アリだと思います。
マイクロフォーサーズのカメラシステムのポイント
・センサーサイズが小さいことがカメラ+レンズ全体のシステムサイズのコンパクト化につながっている。機内持ち込みから現地での持ち歩きまでコンパクトさは取り回しやすさに直結する。
・マイクロフォーサーズ規格レンズの7㎜は、35㎜換算で14㎜になることに注意。(画角が約2倍計算になることに注意)
・最近のフルサイズではISO4000~6000でも十分綺麗だが、マイクロフォーサーズはISO1500~2000が繊細の描写は限界か。
・中古価格が比較的購入しやすい価格帯になっていることが多い。
その他のメーカーのカメラは?
〇〇〇や〇〇〇〇のカメラは?と思ったあなた。そうです。前回もそうでしたが今回も筆者が取り上げるのはニコン、フジフイルム、OM SYSTEMです。
次々に新型のカメラ・レンズが出てきてモデルが入れ替わるサイクルが早いことと、そのたびに価格がどんどん上がり続けることで、〇〇〇のカメラはもうアマチュアが追いかけていく領域から超えたと感じ最近辟易しています。また、明るい広角レンズの値段が高く(今のところ選択肢としては広角ズームレンズのみ)、サードパーティレンズの選択肢もない状況で純正レンズの値上げの繰り返しと、新型カメラもさらに値段が上昇するというサイクルに入り始めた〇〇〇〇のカメラも同様です。もちろん両社にはそれぞれ高感度撮影を得意とする約1200万画素や2000万画素のカメララインナップもあり非常に魅力的なモデルがあるのですが、その値段と使用現場の環境を考えるとアマチュアのオーロラ撮影に向いているかというと疑問が残ります。しかし〇〇〇のシステムはユーザーが非常に多いためサードパーティのレンズの選択肢が充実していることと、中古市場が充実していることが他にはない魅力です。そして来年になるとまた状況が変わっているかもしれませんのでどのメーカーも今後に期待です。
両メーカーのカメラで本当に素晴らしいオーロラの撮影を行っているプロやアマチュアはたくさんいますので、あくまでも本レポートは筆者の独断であることをお断りしておきます。またそれらのメーカーのカメラでのオーロラ撮影に関してはインターネット上でも多く見ることができますので検索されることをおススメします。
最後に
2022年冬~2023年春のシーズンにおいてはそろそろオーロラ撮影旅行を実際に計画している方も出てきました。「オーロラ撮影旅行に持っていくカメラ・機材 どれがいい?に答える!今年ならこれだ!【2022年版】」と題して筆者の独断で紹介しました。今回の内容が皆さんのオーロラ撮影旅行の一助となれば幸いです。
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