オーロラカメラ関係道具・持ち物

今からでも間に合う!オーロラ写真の撮影方法とコツを超シンプルに解説!

北欧をはじめ、カナダ北部、アイスランド、グリーンランド、アラスカ、ロシア北部、北極圏に位置する土地では特に10月~4月の間夜空にはオーロラが舞っています。まさに冬の今、シーズンの真っ最中です。「今度北欧に行くんだけど、初めてのオーロラの撮影できるかな?」や「オーロラツアーに申し込んだけど撮影の仕方をまだ知らないよ」という人にとっての必見情報、今回は「今からでも間に合う!オーロラ写真の撮影方法とコツを超シンプルに解説!」を北欧で5000枚超のオーロラ写真を撮影した筆者が解説します。

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まず「カメラ」・「レンズ」・「三脚」を揃えよう

カメラ

極論を言えば、「フルサイズ一眼レフ」「フルサイズミラーレス一眼」、「APS-Cサイズ」、「ミラーレス一眼(マイクロフォーサーズ)」どれでもいいです。

スマートフォンで撮るのは不可能ではないですが、せっかくオーロラ撮影のために遠い地に行くならば下記のどれかのカメラを持っていきましょう。

フルサイズ一眼レフ:Nikon D800台、D700台、Canon EOS 5D、6Dシリーズ、Pentax K1等

フルサイズミラーレス一眼:Nikon Z5、Z6、Z7、Z9、Canon EOS R、EOS RP、EOS R5、EOS R6、EOS Ra、Sony αシリーズ、Panasonic LumixS1、S1R、S5等

APS-Cサイズ:Nikon D500、D4桁シリーズ、Nikon Zfc、Z50、Z30、Canon EOS 二桁Dシリーズ、FUJIFILM Xシリーズ等

ミラーレス一眼(マイクロフォーサーズ):Olympus OMD EMシリーズ、OM-1、OM-5、Panasonic Lumix Gシリーズ等

以下の筆者が良く利用するショップでカメラを見てみる

光を取り込むセンサーサイズの大きさは

フルサイズ > APS-Cサイズ > マイクロフォーサーズ

ですので、暗い場所での光を取り込むとなればセンサーサイズが大きく画素数が少ないカメラが有利になってきます(撮影素子1個あたりが大きくなり光をとりこみやすくなるためです)。そして値段もフルサイズはカメラ単体も相当のお値段ですが、フルサイズ用レンズも相当なお値段になり、オーロラ用でカメラ・レンズを揃えると30万円超を覚悟する必要がでてきます。

センサーサイズが大きいカメラが有利なのはもちろんですが、現在販売されているマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼でも十分綺麗なオーロラを撮影することができます。かつタイムラプスも簡単に作れる機種もあり、何よりカメラ単体が比較的安価でコンパクトで持ち運びしやすく旅行にピッタリで筆者のオススメです。マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼でオーロラを綺麗に撮影できるセットを組むと防滴にこだわれば20万円は超えますが、防滴じゃなくても(筆者の場合は過去にOMD EM10 Mark2でもワンシーズン無事に終えることができました)不可能ではありませんので、その場合は15万円以下でカメラ・レンズをそろえることは可能です。

オーロラ撮影旅行のカメラ・レンズ・機材についてこちらにまとめていますので是非ご覧ください。

レンズ

フルサイズ一眼レフ、フルサイズミラーレス一眼、APS-Cサイズ、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼どのカメラにも共通してオーロラ撮影にとって必要なレンズの条件は、

・最低でもF4以下(F1.4、F1.8、F2、F2.8ぐらいまでがベスト)

・なるべく広角レンズ(35㎜換算で14mm~28mmの画角がベスト)

になります。

オーロラ撮影旅行のカメラ・レンズ・機材についてこちらにまとめていますので是非ご覧ください。

三脚

三脚ってマニアみたいで購入に抵抗あるなぁと思ってしまうそこのあなた!三脚がオーロラ撮影には一番肝となる最重要ツールです!

三脚を選ぶポイントとしては

伸ばした時の高さはそんなに必要ない

ある程度の丈夫さ、耐荷重4kgは欲しい

カーボンなら冷たくなりにくいが、アルミでも何ら問題ない

旅行用三脚なら折りたたんでコンパクト、軽量ならそれに越したことはない

三脚は奥が深く、素材やブランドにこだわると値段がどんどん上がっていきます。下手するとカメラ単体より値段が高くなったりしますので、どこかで見切りをつけてある程度の性能のものをまず購入してみるのが筆者のオススメ方法です。

オーロラ撮影旅行のカメラ・レンズ・機材についてこちらにまとめていますので是非ご覧ください。

必要物品を揃えたら、次は撮影準備

まず自分で許容できるISO値を知っておく

「ISO値」とは「感度」のことです。つまりカメラの感度を上げて(光に敏感にして)撮影すると暗闇の中の光も鮮明に捉えやすくなりますが、ノイズも多くなりますので簡単に言うと暗い部分がザラザラと荒い絵になります。

ちなみに筆者の感覚ではオーロラ撮影において画質的に

フルサイズ機ならISO値3000までは許容できて

マイクロフォーサーズ規格のミラーレスならISO値1500までは許容できるかな、

といった感じです。(これは人によって違いますので皆さんも夜空を撮って色々見てみてください。)

もちろんISOは低い方が画質の良い絵になりますので、オーロラの光が強い場合などはISO値を低くしても(ISO400程度でも)十分撮影が可能になってきます。

F値(絞り値)

暗闇での薄い光を取り入れるわけですので、理論的にはF値は低いほうが(絞りが開いているほうが)多くの光を取り入れることができて有利なのは間違いないです。

例えば筆者が頻用しているLAOWAの広角単焦点レンズ(LAOWA 7.5mm f/2 MFT)ならばF2が最小値ですが、F2.8まで絞ったほうが周辺部の描写がシャープなため、筆者はF2.8で撮影しています。

なお、M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROならばレンズにとっての最小F値であるF2.8で撮影して何も問題ないと思います。

いずれにせよ、暗闇の中の動く薄い光を取り入れるにあたって遅いシャッタースピードが必要になってきますので、F4より大きくすることは(F4より絞りを絞ることは)オーロラ撮影では使用することがほとんどありません。

無限遠フォーカス

まさにオーロラ撮影での最重要項目のうちの一つです。筆者はこれに失敗してボケボケの写真を大量生産してしまったことがあります。

上記のLAOWAの広角単焦点レンズならば∞マーク(実際は∞マークより少し手前)に焦点マークを合わせておけば無限遠フォーカスになっていることがわかります。オーロラ撮影に当たってこのレンズが便利なのは、マニュアルフォーカスである点です。昼間に無限遠フォーカスに調整しておけばそのままつけっぱなしにしておいてすぐオーロラ撮影に入れます。

レンズによっては∞マークがあるものや、AFである程度の距離をフォーカスすることで無限遠フォーカスできるものもありますので、各レンズの使用方法をご参照ください。

カメラ側の設定

・三脚を使用するので「手振れ補正OFF」

・シャッターが開いている時間が延びることにより増えるノイズがありますが、「ノイズリダクションなし」としておきます。これはノイズリダクションの工程がシャッター時間と同じ分かかり、現地でその工程が終わるのを待つのが時間がもったいないからです。

なお、ノイズリダクション処理は現像の段階で行うことができます。

・写真はJPEG形式ではなくRAW形式で残すようにしましょう。

いざ撮影!

シャッタースピード

「ISO値」、「F値」、「無限遠フォーカス」が決まったら、最後に最も重要な「シャッタースピード」です。

筆者の場合の、現地での具体的な流れを以下に説明します。

①筆者はマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼を使用しており、まずISO値1500にしておきます。そしてF値は上で述べたようにF2.8にしておきます。

②カメラと三脚を合体させておいてオーロラが出るのを待機します。

③オーロラが出てきたら、さあ撮影開始です。

シャッタースピードは、

ヒラヒラと早く動くオーロラで、カーテンがたなびくような絵を撮影したい ⇒シャッタースピードを3~6秒でトライ

あまり動かない薄いオーロラ ⇒シャッタースピードを8~10秒でトライ

・1視野に色んな場所に現れては消えるオーロラ ⇒シャッタースピードを8~10秒でトライ

ここからが試行錯誤!

オーロラ撮影が一発で決まることはほとんどありません。サッと撮影してその結果をみて条件を変えて取り直すのが吉です。

先ほどのシャッタースピードで出来た写真が

明るすぎる

⇒ ISOを下げてみる:ISO1500→800→400 など

暗すぎる

⇒ ISO1500まで上げて暗いなら:

  ①シャッタースピードを長くしてみる 8秒、10秒、12秒など

  ②F2.8⇒F2.0など、F値を下げてみる(絞りを開けてみる)

オーロラが濃すぎる、またはぼってりしている。

⇒ シャッタースピードを短くしてみる。3~5秒など

オーロラが薄すぎる

⇒シャッタースピードを長くしてみる。 ~12秒など

撮り終えた後にひと仕事、それが「現像」

①Adobe Lightroom Classicを購入・ダウンロードして立ち上げる

②Adobe Lightroom Classicで現像したいオーロラの写真RAWファイルをimportする。

③現像(Develop)のタブで露出(Exposure)、Clarity(明瞭度)などを調整してみる

④自分の好みの色合いに調整したら、File⇒ExportでJPEG形式の写真ファイルで書き出す

⑤お気に入りのオーロラ写真の出来上がり! です。

おススメはLightroomとPhotoshopが使用できるお得な以下のプランです

Lightroomのみのプランは以下になります。

実例写真紹介

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、F2.8、無限遠フォーカス、SS10秒、ISO400)

イナリに到着したのが夜9時、すでに空にはオーロラが舞っていました。ホテルに荷物をおいてすぐに撮影に飛び出しました。道路E75からイナリ湖畔に入って急いで三脚を立て慌てて撮影した写真です。 こんなことならもっと早く到着したかった、と少し後悔。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS10秒、ISO400、場所:フィンランド、イナリ)

雪原が明るいのは後ろからスノーモービルが来ているためです。この日は活発なオーロラで多くのスノーモービルがオーロラハントのために通過して行きました。空の端から端まで広がるオーロラで1ショットで収まり切りませんでした。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS10秒、ISO400、場所:フィンランド、イナリ)

カーテンのようなたなびき方をするオーロラでした。10秒シャッターを開けていたらいろんなオーロラが写ってしまいましたが、もう少し短いシャッター時間ならカーテン状のオーロラの絵になったと思われます。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS5秒、ISO1600、半月、場所:ノルウェー、トロムソ)

動きの活発なオーロラでしたのでカーテンの筋状を表現したかったのでシャッター時間を5秒とし、自分の許容範囲内でISOを目一杯上げて1600としました。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS4秒、ISO1600、半月、場所:ノルウェー、トロムソ)

かなり動きの激しいオーロラでしたのでシャッター時間を4秒まで短くして、ISOを自分の許容目一杯の1600として撮影。それでもまだのっぺりとしたオーロラになってしまいました。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS10秒、ISO400、半月、場所:ノルウェー、ノールカップ(ヨーロッパ大陸最北端))

半袖半ズボンの彼は陽気にポーズを決めていました。ちなみに気温は-18℃でした。同じ場所で光り続けるオーロラでしたのでシャッター時間10秒もあけるとのっぺりとしたオーロラの絵になります。ライトルームを現像に使用すると、そのままの写真ではモニュメントの露出オーバーになっている写真ですが、その部分のみ露出を落とすことが可能です。

(カメラ:Olympus OMD EM10 MarkⅡ、レンズ:LAOWA Laowa 7.5mm f/2 MFT、無限遠フォーカス、SS6秒、ISO800、場所:ノルウェー、ヴィデロー航空内)

Vadsø(バツェ) → Båtsfjord(バツフィヨルド)の際見えたオーロラです。飛行中で機体も結構揺れるためシャッタ―スピードはいつもより短めの6秒でとしました。それに合うISOを何度か確かめてISO800で撮影したものになります。

オーロラタイムラプス動画

まずはオーロラ写真を一枚一枚しっかり撮影できるようになってからのテクニックになりますが、それができるようになったら今度は少し工夫するだけで素敵なオーロラのタイムラプス動画を作ることができます。

オーロラのタイムラプス動画の作り方については以下に詳しくまとめていますので是非ご覧ください。

最後に

いかがでしたか?今回は「今からでも間に合う!オーロラ写真の撮影方法とコツを超シンプルに解説!」を行いました。オーロラを見ることができる北極圏の各地は昼間も色んなアクティビティーが盛んですので、昼間はそれらも楽しんでいただくことをお勧めします。最低3晩の滞在と、もしオーロラが全く見れない時でも、アクティビティーを満喫するというのがおススメの旅行プランです。

オーロラ撮影時の服装・持ち物・注意点等はこちら

オーロラ撮影時にも役立つフォトグローブについてはこちら

オーロラ撮影旅行の際の機内持ち込み・預け入れバッグについての考察はこちら

コメント

  1. カメラ初心者 より:

    はじめまして。オーロラを撮影したくてレンズの購入を検討しておりまして、laowa 7.5 F2とm.zuiko 7-14 F2.8とで迷っています。
    (カメラはOM-D EM5です)

    ネットで撮影例を見てると、laowaは周辺減光が大きそうだったのですが、こちらに掲載されているお写真だと全く気にならないので驚きました。
    レタッチで解決されているのか、カメラ側の設定で解決されているのか(撮って出しでも減光がないのか)教えていただけますと幸いです。

    • enjoytravelingsolo より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃられる通りオーロラの撮影でのレンズの選択は大いに迷うポイントですね。
      私自身は、買いやすい値段とそのコンパクトさ、単焦点ならではのキレの良さから昼夜問わずLaowa 7.5 F2を愛用しております。
      周辺減光についてですが、
      ご指摘の通り撮って出しでは周辺減光は「あり」ます、ので、Lightroomで周辺減光の補正をかけております。(具体的にはVignetting Amount:+50~64、Midpoint:+10~20程度にしています。)
      OM-D EM5ならLaowa7.5 F2ならコンパクトに収まって機動力は抜群で魅力的ですね。なお、私はF2で使用することもありますが、周辺の流れが少なくなりキレが良くなるF2.8 で撮影することが多くなっています。また、超広角ですので、ウェブに載せている写真はいくらかトリミングをかけています。それでも十分な画素数も相まって比較的綺麗に見えるので自分としては満足していますが、m.zuiko 7-14 F2.8ならばF2.8 からキレキレかつF.2.8で画角を変えて綺麗に撮れるので、これも素晴らしいですね。
      動きの速いオーロラでカーテンがたなびいているような感じで撮るならば、短いシャッター時間にする必要が出てくるときがありますが、その際にF2の恩恵を感じることはあります。
      どちらも素晴らしいメリットを持ったレンズであることは間違いなく、あとは値段とサイズの違い、雪や水滴が高率にかかる状況で出目金レンズがいいか、フィルターをつけることができて精神的に安心できるか、といった部分が選択のポイントになってくるかもしれません。
      この度はコメントをいただき誠にありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      enjoytravelingsolo

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